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7話 宿泊

今日は少し寒いですね。

楽しんでいただければ幸いです。

タイトル修正しました。

部屋で着替えを取り、教えられたように風呂へと向かう。イレイシアの村では、徒歩で20分程度の距離に、温かい地下水が湧き出ている場所があり、そこが開拓されて共用の風呂場と洗濯場になっていた。そのため、風呂に入るのは初めてではないが、宿の風呂は村の風呂とは大分違っていた。宿の方が村より小さいが、四方が壁に囲まれ、風呂場の手前には、大きな姿見のある脱衣所が、風呂場の中には、備え付けの石鹸などがあった。

脱衣所には、布が置いてあり、持参せずとも体を拭けるようだった。イレイシアは、一応着てきた法衣を脱ぎ、腰で結んである細い帯を解く。麻の衣服を脱ぎ、さらしも解く。下も脱いで素裸になったイレイシアは、風呂場へ行き、置いてある桶で湯を汲み、肩からかける。体が芯から温まり、ほぅ、と息を吐く。

イレイシアは、試しに石鹸を使ってみることにした。最初はうまくいかなかったが、慣れると泡を出して体を洗うことができた。隅々まで綺麗に洗うと、イレイシアは恐る恐る湯に浸かる。ゆっくりと体に沁みる、あたたかさと心地よさに、イレイシアは蕩けるような笑みを浮かべた。


「はぁ〜、気持ちいい。みんなで入ってた岩のお風呂が懐かしいな。ほんの数日離れただけなのに、すごく恋しく感じる。不思議だなぁ。」


ひとしきり湯を楽しみ、体を温めたイレイシアは、湯から上がると脱衣所へ向かう。備え付けの布は、薄手で流れるような手触りにもかかわらず、高い吸水性があり、不思議な感覚だった。清潔な新しい服に袖を通し、帯を締めると、法衣を軽く羽織る。入る前は気に留めなかったが、姿見があったので、自分の姿を見てみる。姿見は高価な品なので、何気に自分の姿をきちんとみるのは初めてだ。


「・・・きれい・・・それに、可憐。」


思わず、イレイシアは呟いてしまう。艶やかな長い直毛の琥珀色の髪に、二重に縁取られた透き通るような柘榴の瞳。整った鼻に、唇。全体的にどこか、妖精のような美しさ、可憐さがある。自画自賛してしまったことに苦笑しつつも、周りの人が容姿を褒めてくれることが多かったのは、こういうことだったのか、と納得する。


風呂を出て、部屋に戻って手荷物を入れ替えると、1階の受付の横にある食事場所へ向かう。既に、4人ほど人がいて、食事をとっていた。


「あっ、来ましたね。お風呂はいかがでしたか?」

「とても気持ちよかったです。ありがとうございます。」


宿の娘に話しかけられ、イレイシアは応える。先に席について待つように言われ、手近な席に座ると、既に食事をとっていた、長い赤髪の上半分を後ろで一つにまとめ、残りを後ろで垂らしている少女が話しかけてきた。


「すまない。君はもしや、受験生か?サリィ・・・受付の娘が言っていた。私の他にも受験生がいると。」

「はい、そうですよ。もしかして、あなたが彼女の言っていた、もう1人の受験生ですか?私はイレイシアです。よろしくお願いします。」

「あぁ、すまない。名乗っていなかったな。私は、ミルアだ。歳は14。生まれは王都だが、故あって、西の森の中にある道場で修行をしていてな。父から学園へ通うよう要請があったから、森を出てきたんだ。」


どこか、武者然としたところがある少女は、ミルアというらしい。宿の娘ーーミルア曰くサリィというらしい。が食事を運んできたので、イレイシアは礼を言って受け取った。ミルアは、イレイシアと食事を共にしたいらしい。イレイシアにも断る由はないため、快く受け入れた。

お読みいただきありがとうございます。

イレイシアちゃんのお風呂にこだわった回です(笑)。

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