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5話

!拙文警報!拙文警報!

楽しんでいただければほんとーに幸いです。

なお、本日2話芽

 魔洞の前に着くと、漏れ出る神威はより強く、トーラやライカにもはっきりと感じられるようになった。その気配にあてられ、じっとりとした汗を流す〈蒼の爪牙〉の3人に、イレイシアは声をかける。


「大丈夫ですか?もし辛いようでしたら、境界を張りますよ。」

「大丈夫、です。それに、境界なら、レノイ、も、張れます、から。」


 トーラが答えると、イレイシアは心配そうな顔をしつつも、そうですか、と言う。そして、魔洞の方へと向き直り、〈図書鑑〉(リベル・イァム)から魔導書をいくつか取り出した。魔導書は、空に浮いてイレイシアの周りをゆっくりと飛んでいる。


「では、私は中へ入ります。皆さんは、ここで待機していてください。」


 3人の了承を受けると、イレイシアは散歩にでも行くように軽い足取りで歩き出した。境界をすっと抜け、魔洞の中へとその姿は消えていった。




 魔洞の中。イレイシアは、以前きた時とは違って魔術による灯や保温はしていなかった。己が身1つで洞窟の奥へと向かっている。段々と増してくる、神の気配、つまり自分にとって異質な力を発する大きな魔力に顔をしかめながら、歩いて行く。しばらく経ち、程よく彼我の距離が縮まったことを感じると、イレイシアは立ち止まる。


「起きて、マグサリア。」


 そして、1冊の魔導書を開いて声をかける。すると、不思議なことにどこからか女性の声が響き始めた。


『あら、おはよう。レーシャ。今回は、少し短い眠りだったわね。』

「街についてから、すぐこの事態に遭遇したからね。調子はいつも通り?」

『えぇ、全く問題ないわ。それで、今度はこの生意気な雰囲気のを相手取るのかしら。』


 女性の声の源は、イレイシアの持つ魔導書だった。イレイシアが、魔導書ーーマグサリア。の問いにそうだと答えると、彼女は笑う。


『楽しくなりそうだわ。久々に、全力を出したいところね。』

「・・・一応、境界は張ったけど、やりすぎないでね。今度こそカルコスが消えちゃうかも。」

『えぇ、分かっているわ。私を信じてちょうだい。』

「自分の"実績"を先に思い出して欲しいのだけど。」


 イレイシアの呆れ声に、ふふと笑うだけのマグサリア。イレイシアは首を振って、口を開く。


「まぁ、いいや。じゃ、始めよっか。」

『分かったわ。』


 そして、イレイシアは呼気を整え、普段は隠している魔力を解放する。


「秘匿魔術第(リベル・マグス・)1門から第3(イクス・プリムス・)門を解放(トゥ・テルティウス)。」


 神のものよりは小さく、されど凡百をはるかに超えた魔力がイレイシアの身から溢れ出る。そして、その魔力をマグサリアが魔術へと形成して行く。


『繋書(マグサリア)より、秘法第9(エレミテス・ルイエ)。』


 そして放たれる、マグサリアの魔術。その効果は、崩壊。魔洞全体を対象にしたその魔術により、洞窟は轟音とともに崩れ落ちた。もっとも、境界によって内部の様子は誤魔化されていたため、〈蒼の爪牙〉の3人がそれに気づくことはなかった。ただ、大きな振動で開戦を察しただけだった。

 もうもうと上がる砂埃が少し晴れ、視界が確保されると、あたり一面の状況が目に入ってくる。およそ一里四方ほどの地面は、全て崩れた土砂に覆われ、その肌は見えなくなってしまっている。イレイシアは、その惨状を上空から眺めていた。魔力で魔導書を浮かべ、その上に立っているという力技だ。


「相変わらずの威力だね。」

『あら、ちょっとは抑えたつもりよ。それに、これぐらいじゃ相手もどうにもならないでしょう。』


 マグサリアの言を裏付けるように、一部の土砂が持ち上がり、上空へと跳ねあげられる。その下から現れたのは、左右非対称の翼の生えた白い少女、のようなも(・)の(・)だった。片腕は黒く染まった歪な獣のようであり、顔も半面が粘土を雑にこねたような造形をしている。そして、そのものはイレイシアの方を片目で見据えると、咆哮をあげる。


「ーーーーーーーー!」


 およそ聞き取ることのできない、悍ましい何かの音を叫びながら、そのものは腕をイレイシアに伸ばす。イレイシアは、魔術をもってそれに向かい防御を構えた。すると、矢張りというべきか腕が伸び、イレイシアへと恐るべき速度で殺到した。イレイシアの魔術へと、その腕が当たった刹那。イレイシアの魔術が甲高い音を立てて破壊された。


「!」


 イレイシアは咄嗟に、足元の魔導書を上方へ飛ばし、腕を弾かせながら自身は落下して回避する。


「マグサリア!」

『分かってるわ!希法第49(イカルス・アラ)。』


 マグサリアの形成した魔術をイレイシアが己が魔力で発動させる。イレイシアの身体にかかる重力がふっと減り、落下が止まる。イレイシアは、先程飛ばした魔導書を再び飛ばし、腕との距離をさらに遠ざけた。


「どうやら、あの腕は魔術への干渉、それも高位のができるみたいだね。」

『えぇ、すでに効果を発揮していた魔術にもかかわらず、乱雑(ノイズ)が入り込んできたわ。』


 イレイシアは、マグサリアと見解を揃え、対策を考える。イレイシアの基本的な戦闘型は3つ。1つは、先程まで行っていたような純粋な魔術の行使。1つは、魔導書を飛び道具のように使い、そこに魔術を織り交ぜる、先刻の回避に使った技術。そして最後が、


「剣を使うのが効果的かな。」


 剣術。もっとも、それはただの剣ではない。イレイシアが、自身の膨大な魔力を用いて魔術とともに使う剣だ。その刃は、剣と魔の2つを兼ね備えている。


『そうね。今の攻撃から見るに、あの神としての力は腕で触れた既成の現象への介入、といったところ。一刀のもとに処断してしまうのが簡単でしょう。』


 そう結論づけ、イレイシアは一度地に降りる。魔術で地面を均して足場を確保すると、イレイシアは〈図書鑑〉で多数の魔導書を取り出した。魔導書は、イレイシアが手を振ると、まるで放たれた弓のように飛んでいく。魔導書で相手の動きを牽制しつつ、イレイシアは懐から一枚の写真を取り出した。

 イレイシアは、その写真を見て何かを堪えるように口を引き結ぶ。そして、愛おしげに写真を撫ぜると魔力を流し込み始めた。すると、写真が光を放ちながら段々とその形を変えていく。細く、長く、大きく。やがてそれは、装飾の少ない実用的な長剣となった。長剣は、イレイシアの前の地面に刺さり、魔力を発しながら抜かれるのを待っている。

 イレイシアは長剣を抜いて構え、正眼で相手を見据える。歪な神は、イレイシアの放った魔導書を振り払えず、彼女の方へ注意を向けていない。イレイシアは、程よく脱力しふっと1つ息をつく。そして、魔導書を一気に殺到させ、神の動きを一瞬、完全に止めてしまう。 


 その瞬間、イレイシアの剣戟が空を裂き、歪な神を両断した。


 静寂。先程まで魔導書と神がぶつかり合う衝撃による、音や振動が響いていた魔洞の跡は一気に静まり返った。イレイシアは、剣を手放すとその場に座り込んだ。


『呆気なかったわね。外から雑に斬っても良かったぐらい。』

「久しぶりに、これぐらいの相手に会ったから、油断しないようにしようと思って。」


 イレイシアは、全身を襲う痛みを堪えながら言う。イレイシアが使った剣戟は、ある剣豪の奥義でその名を〈断界〉。本来、イレイシアには使えないそれを長剣の記憶を一時的に引き出して読み込み、さらに魔術で身体を無理やり動かすことで再現している。本家本元の剣術ならば、空間の存在自体を斬ることまで出来るが、借り物の技術では空間を隔てて斬るのが精々であった。その上、本来の身体能力に合わない技術を無理やり使うため、過負荷のかかった全身がひどく痛む。しかし、これらの問題を差し引いても、本来ほどではないものの十分な威力や、剣と魔の両刃を与えることができるという特性を考えれば、イレイシアの手持ちの中でも強い部類の手札であった。

お読みいただきありがとうございます。

いやぁ、戦闘シーンが拙い!申し訳ないです。

それと、いよいよ引用が無節操で、申し訳ないです。ま、まぁ、魔術とかいろいろ体系ありますから(汗)

よろしければ、ブックマーク、評価等々お願いします。m(_ _)m

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