32話 実習
あれ?何故か普段より文字数が多い?気のせいか?
楽しんでいただければ幸いです。
「へ〜、お二人は幼馴染なんですね。私たちは、行きの乗合馬車で知り合ったんです。」
「すぐ、仲良くなられたんですね。羨ましいです。私は、初対面の方とお話しするのが少し苦手なので・・・。あっ、今は大丈夫ですよ!どっちかっていうと、この子が大丈夫じゃないかもしれません。」
「そんなこと、ないッスよ?なれ、ましたですッス。」
セリトの言に、慣れてないのでは、と心の中で突っ込みつつイレイシアは談笑する。イレイシアとレイリの会話が多く、他の3人は時折話に混ざってくる。また、話によると、彼女たちの実習選択は、冒険と食学なのだそうだ。選択実習でも同じになるな、と思いつつよろしくと告げる。暫く話していると、夕刻になったので解散の運びとなった。
「今日は、ありがとうございました。楽しかったです。では、また明日。」
「ッス。またあすッス。」
「ふふ、こちらこそありがとうございます。また明日、ですね。」
「あ、ありがとうございました。さようなら、ま、また明日、です。」
「あぁ、ありがとう。ではまた明日。」
それぞれ挨拶をし、帰路につく。イレイシアは、少し気持ちを明るくして、1日の残りを過ごすことができた。
翌日、教室に行くと、すでにレイリとセリトがいた。2人に挨拶をすると、応えがあった。イレイシアは、なんというか、"ぽい"な、と思いながら授業の支度をする。今日の授業は、午前が王国史、地理、算術で、午後は全て選択実習だ。やがてアイリエルがやって来て、今日も学園が始まった。
午前が恙無く過ぎ、昼時になった。イレイシアたちは学食に向かい、列に並ぶ。食事を受け取って席に着き、食事を摂っていると、今日も今日とてニエナとグージアがやってきた。
「そういえば、二人は選択は何にしたの?」
「俺は、冒険と魔術だ。こいつは、冒険と・・・なんだったかな?」
「動物学。もふもふしたいから。」
「そっか。私は、冒険と魔導学だから、一緒になるね。よろしく。」
「あぁ、よろしくな。というか、冒険なんて選んだんだな。こう言っちゃなんだが、冒険者はろくな職業じゃないぜ。」
「確かに、その通りだ。イレイシア、今更かもしれないが、私に付き合うつもりなら、別にいいんだぞ。」
「私が興味あったから・・・。そんなに酷いの?」
イレイシアが、グージアとミルアに尋ねると、2人は口を揃えて言う。
「「最底辺の破落戸が流れ着く職。」」
「安定もしねぇし」
「危険と報酬は見合わない。」
2人の評価に、イレイシアは顔をひきつらせる。若干気が引けて来たが、実習はあと30分ほどで始まる。イレイシアは少し覚悟を決めた。尚、今週のイレイシアは冒険で、来週に魔導学がある。シャーラは今週が医学の来週が魔導学、ミルアは来週が医学だ。それぞれの選択の中で組み分けがされており、ちょうどよく実習が行えるようになっている。
イレイシアの不安に関係なく昼休憩が終わり、実習の時間となる。イレイシアたち冒険選択の生徒は、武道場に着替えて集合だ。イレイシアとミルアは、道中でグージア、ニエナと合流し4人で向かう。どうやらレイリたちは組分けが違うようで、姿が見えなかった。暫く待っていると、筋骨隆々のいかにもな教師が入ってくる。
「おーし、お前ら揃ってるか!?数えるから並べ!」
指示に従い2列に並ぶと、教師が列の間を通って人数を数え始める。全員いたようで、問題なく授業が始まった。
「まず最初に言っとく!この授業は、お前らを冒険者にするんじゃねぇ!お前らを絶対に冒険者にさせないために行う!その上で冒険者ぐらいの能力は身につけてもらう!いいな!?ちなみに、理由はわかるか?」
イレイシアは、ミルアたちの言ってたことと話が繋がった、と思い合点が行く。
「そこのお前!言ってみろ!」
「えっ?あー、えーと、分かりません。」
まさかの当てられる質問だった。当てられた生徒は、潔く分からないと認める。イレイシアはそれを横目に見ながら、自分だったらどう答えるか考える。幸い、イレイシアには当てられず、すぐに教師が答えを言う。それは、イレイシアの考えていた通りの内容だった。曰く、冒険者はほとんどが生活に困った粗野な者が着く職業で、まともな者は上位の者たちだけ。しかし、彼らは皆卓越した生存技術や狩猟技術を持っている。そのため、冒険者となってもやっていける程度の能力を身につけ、冒険者には身を落とさせない、そんな授業をするのだという。
「まぁ、そんなんだから1年間よろしくな!そういやぁ言い忘れてたが、俺はザリグだ!」
筋骨隆々の教師、改めザリグがそう話を締める。こうして、最初の選択実習の授業が始まった。
お読みいただきありがとうございます。
そういえば、見返していて気づいたのですが、専門的な授業を担任以外がやるって話忘れてましたね。あとで修正しておきます。ちなみに、アイリエル先生の専門は魔術全般です。
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