31話 暗雲
更新遅くなってすみません。
楽しんでいただければ幸いです。
終礼を終え、アイリエルは教師室に行った。先に行くよう言われたので、イレイシアが一足早く第3実験室に行くと、扉のところに誰かが立っていた。
「やぁ、こないだぶりだね。お嬢さん方。」
「・・・ジユル様。どうなさいましたか?」
そこにいたのは、第二王子ジユルだった。もし、イレイシアを待っていたならば変質者だし、そうでないなら偶然が過ぎる。イレイシアは、不信感を顔に浮かべジユルに応じた。
「いや、なに。興味深いお嬢さんのご友人が、級を変えたと聞いてね。」
「答えになっていません。そもそも、私たちがここを通ると、なぜ知ったんですか?」
「それは、秘密だよ。不快にさせてしまったなら、申し訳ない。僕はもう去るとしよう。」
そう言い、ジユルはイレイシアたちの横を過ぎる。イレイシアは、すれ違いざまに肩に手を置かれ、がんばってね、と耳元で囁かれる。鳥肌を立て、慌てて離れると、ジユルは振り返りもせず去っていった。
「な、なんだったの、かな?」
「・・・わからない。けど、ちょっと怖いね。私たちの知らないところで、私たちのことが行き交っている。」
シャーラとイレイシアの言に、ミルアは苦笑して、それが貴族社会なのだと言う。だから嫌なんだ、とも。
しばらく3人で待っていると、アイリエルがやってきた。アイリエルは、扉の前で待つ彼女たちを見て、謝る。
「そういえばぁ、鍵閉めてたんだったぁ。ごめんねぇ。さぁ、中に入ってぇ。」
「ありがとうございます。失礼します。そういえば、先程ジユル様がいらしたのですが、先生は何かご存知ですか?」
「ジユルってぇ、第2王子のことぉ?知らないよぉ。そもそもぉ、貴族級はこっちの方に用事なんてないと思うけどなぁ。・・・うーん、イレイシアちゃぁん、少し気をつけたほうがいいかもねぇ。貴族のあれこれに巻き込まれないようにねぇ。」
「そう、ですか。まぁ、一応気は配ってみます。私にできることなんて、あまりない気もするのですが。」
アイリエルは、その後も少し何かを考えているようだったが、切り替えて練習を始めようと促す。イレイシアはそれに従い、一旦前のことを忘れようとしたが、漠とした不安は胸中に残っていた。
その後は、昨日と同じ流れをしたのち、より大きい出力の必要な苦土橄欖石を用いた、魔力操作の練習を行った。
練習を終え、アイリエルに感謝と挨拶を伝え、実験室を辞す。寮に向かうまで、イレイシアはずっと悶々としていた。ミルアが見兼ねて、気分転換にどこか行かないか、と言う。シャーラの提案で、3人は再び街へ行くことにした。最後に行ったのはほんの数日前だが、学園生活の影響か、久々に行くような感覚だった。
3人で街へ出て、気になった雑貨屋の店内を見ていると、イレイシアが客の1人に話しかけられる。
「あの・・・、すみません。同じ級の方、ですよね。」
「学園ですか?すみません、私全員は覚えていなくって・・・。先生はアイリエル先生ですよ。」
「あぁ、なら。私同じ級です。入学の時に見かけて、すごい綺麗で可愛い子がいるって思ってて。あ、私レイリっていいます。すみません、名乗るのが遅くなって。」
「こちらこそ、すみません。イレイシアです。よろしくお願いします。」
イレイシアに話しかけてきたのは、レイリという級友らしい。レイリは、少し珍しい黒色の髪を短く切った少女で、生真面目そうな見た目をしていた。少し話をして、それぞれ連れがいることが分かった。互いに連れを呼び、合流でもしようかという話になり、イレイシアはミルアとシャーラを探す。すぐに見つかったので、経緯の説明をしてから確認をとり、3人で表に出る。少し待っていると、レイリが赤毛の短髪の少年を連れてきた。少年は背が高く、がたいも良い。イレイシアたちは、見上げる形で少年に目を向ける。
「あ、あの、セリトというッス。今、もーれつに緊張してるッス。よろしくッス。」
「ごめんなさい、この子女子への体制ゼロなんです。あ、あらためて、私はレイリです。よろしくお願いします。」
「ミルアだ。こちらこそ、よろしく頼む。」
「しゃ、シャーラです。よろしく、お、お願いします。」
5人は、近くのベンチに座って話すことにした。
お読みいただきありがとうございます。
新キャラ登場!?そろそろ、名前と口調を忘れそうなので、近々登場人物とか作るかもです。(信用しないほうがいい。)
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