3話 発生
本日3話目。
楽しんでいただければ幸いです。
旅が始まって、7日目の夜、それは起こった。突然、野生の魔物の襲撃にあったのだ。
魔物とは、普通の動植物より、魔力への親和性・感知能力が高く、なんらかの影響を魔力から受けることのできる生物種だ。そういう意味では、人間も魔物の一種であるともいわれている。大抵は、普通の動植物よりも、なんらかの身体能力が高く、群れの基本単位が小さい。また、繁殖速度も一般には遅いと言われている。
人間が魔物に襲われた際には、普通の動物と同じように、急所を守りながら、殺すのではなく逃げることを優先に、弱点を狙うことが好ましいとされている。しかし、魔物の死体というのは、様々な用途で使うため、高値で売れる。そのため、魔物を狩る者も中にはいる。
グラハたちのような隊商は、大抵は逃げることを重視するが、夜間などそれが困難な場合は、襲ってきた群れを壊滅させる必要が出てくる。今回はまさにその例で、応戦することとなった。
イレイシアは、魔物を実際に間近でみることは初めてで、多少怯えつつも、好奇心を持って戦いを後ろから見ていた。幸い、襲ってきたのは魔物の中でも弱い部類の「ハウンド」ーー爪部が肥大化し、視力が高く、夜目が利く犬狼。であり、護衛たちはそこまで苦もなく戦っているようだった。30分ほどで、群れの長と思われる、一際体躯の大きいハウンドを倒すことができた。イレイシアが、ぼんやりとハウンドの死体の解体を眺めていると、グラハが話しかけてきた。
「イレイシアちゃんは、魔物を間近で見るのは初めてかい?解体もきっと初めて見るよねぇ。」
「はい。父について森に入った時に、遠目に見たことはあります。」
「そっかぁ。私も初めて魔物を見たのは、学園の授業だったし、解体しているのを見たのも、父から商売を教わり始めてからだったなぁ。」
「そうなんですね。学園では、魔物を見る機会があるのですか?」
「あぁ、そうだよぉ。実習っていってね、私は苦手だったけど、様々な職の技術うを体験したりするんだよぉ。その中に、護身術や魔物狩りがあってねぇ。」
イレイシアは、なるほどと頷きながら、解体を続けている護衛たちの方を見る。護衛たちは、随分と手馴れているようで、あっという間に、必要な部位と廃棄する部位に分けてしまった。廃棄部位は、血の匂いが野生の動物を興奮させて危険なため、匂いを通さない袋に詰めて、土に埋めるのだという。イレイシアは、解体と埋没作業が終わるまで眺めていたかったが、グラハに促されて、大人しく寝袋に戻った。
お読みいただきありがとうございます。
こういう理に適った(風)の魔物の設定が好きです。
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