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2話 隊商

本日2話目。楽しんでいただければ幸いです。

イレイシアを乗せた馬車が出発して程なくすると、グラハが話しかけてきた。


「確か、イレイシアちゃんは今回の入学試験を受けるんだよねぇ。どう?自信のほどは?」

「そうですね、この過去問でも9割方は安定して得点できましたし、問題ないと思います。たしか、グラハさんは王都の近くの街のお生まれとおっしゃっていましたよね。受験はされたんですか?」

「受験はしたよぉ。でも、ちょっとあんまり触れないでほしいかな。あの頃は勉強も商売もかっらきしで興味もなかったから…」


グラハが苦笑しながら応えると、つられてイレイシアも笑いをこぼす。グラハは場の空気を司るのが上手いようで、イレイシアともすぐ打ち解けることができているようだ。さすがは商人だ、話しやすい。とイレイシアは思った。


そんな風に談笑したり、それぞれの持つ書類や本と向き合っていると、昼休憩を行う時分となり、馬車が止まった。


「みんなお待ちかねのごはんの時間ですよー。用意しますので、手の空いている方は馬を水場まで連れていって、自分たちの水も汲んできてくださーい。」


料理係が隊商全体にそう告げると、皆やおら動き始めた。グラハは、書類をしまって街道から程近いところにある、隊商向けの水場へと足を向けた。イレイシアもそれに倣い、グラハについていく。街道の横の森の中へと少し歩くと、木々が開けて小川が流れているところへと出た。イレイシアは軽く顔をすすぎ、一口水を飲んでみる。少し臭いような気もしたが、慣れない馬車で疲れた体には染みるようだった。持参した水筒に水を汲み、隊商の元へと戻ると、先に濾過して煮沸してあった水と交換してくれた。イレイシアは礼を言い、もう一口水を飲んだ。今度は臭みが消えてより美味しかった。


料理ができたという伝達があり、イレイシアも隊商の輪の中に混ざって食事を受け取った。既に、1人増える分の食糧は、村からグラハに渡してあり、気兼ねなく食べることができる。木の椀の中に入ったスープには、煮て柔らかくなった葉物や根菜に、腸詰め、ごろっと切った芋が入っており、サイラと呼ばれる、香辛料と調味液を混ぜてから固めた油で味付けをしたのだと思われた。程よい塩気と、野菜の甘み、そして香辛料の辛味があり、非常に美味しかった。


食事が終わり、時間が経つと出発の運びとなった。イレイシアは再び馬車に戻り、グラハと食事について話したりしながら、馬車の旅を堪能した。夕刻には、再び食事が出て、夜も護衛がいる安心感とともに、ゆったり眠ることができた。ちなみに、夕食は小麦粉を水で練って、熱した石に貼り付けて焼いた、薄い無発酵のパンのようなものが主食で、スープには、また別の味のサイラがベースの根菜スープが出た。今度のものは魚介のうまみがあり 、これまた非常に美味しかった。


夜が明け、朝の支度をして出発する。旅が始まって1週間ほどは、何事も起きないルーティンの繰り返しだった。

読んでくださり、ありがとうございます。

一応飯テロ回です。一応。

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