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20話 昼時

本日2話目+通算20話目!

楽しんでいただければ幸いです。

しばらく5人で、お互いの境遇や、学園への想いなど、様々なことを話した。丁度昼時に差し掛かったので、昼食もともにするか声をかけたが、用事があるとのことで断られた。本当に申し訳なさそうにしていたため、回避するための社交辞令ではないのだろう。

帰り際、グージアはそれまで以上に真剣に、他言無用を言いつけた。イレイシアは、彼の血がどう影響を及ぼすのかの知識がないため、彼の言うことをしっかりと聞こうと思った。


「しかし、驚いたな。まさか森の狩人と会えるとは。」

「ミルア、そんなに彼らは特別なの?」

「あぁ。私も師匠から聞いただけだからな、詳しくは知らんが、どうやら彼らは独自の魔力技術を持つらしい。森の中や近くであれば、最強と言っても過言ではないそうだ。」

「魔力・・・。最強・・・。全然、自分から遠いことのようで、よく分からないよ。」

「いや、イレイシア。君の魔力量はとんでもなく多いぞ。試験に立ち会った職員たちが、軒並み驚いていたからな。」

「多いとは、聞いたけど・・・。そんなにすごいの?」

「あぁ。数十年に一度の才といったところだ。しかも、大概は晩年になってから目覚めるものらしい。そういうこともあって、今のイレイシアは、相当な価値の人物になっているぞ。」


イレイシアが驚きに目を見張る。多いといっても、せいぜいが平均より少し上で、この国には何人もいるのだろう、と思っていたからだ。


「ま、そういうわけだから、身の回りには気をつけるんだ。それと、シャーラも。」

「ふぇっ!?わ、わたしも?」

「あぁ。イレイシアほどではないが、常人よりは多い。しかも、平民の出となれば、どうとでもなると思っている輩は多い。そういう奴等は、シャーラを得だと考えるだろう。」

「ひっ。わ、わたし、その、どうしたら・・・?」

「不安にさせてすまない。そこまで構える必要はないさ。ただ、少し目の配り方を気をつけた方がいい、というだけさ。」


少しして、喫茶店を後にした3人は、昼食を探しに歩き出した。

昼時の都街は人の往来が激しく、とても賑わっていた。3人は、人波に揉まれながら、良さげな店を探して歩く。しばらく歩くと、イレイシアはふと1つの店に目を惹かれる。そこは、パン屋だった。ミルアとシャーラに声をかけ、3人で店内に入る。店内は、見た目よりも広く、そこそこの客で賑わっていた。棚には、様々なパンが置かれていて、見ているだけでも楽しかった。

15分ほどかけて、パンを選んで買った3人は、店を出た。店内で飲食できる場所はなかったため、街中にあるベンチに3人で並んで腰掛けた。


「「「いただきまーす。」」」


3人で仲良く食事の挨拶をし、食べ始める。

イレイシアが買ったのは、ナッツを生地に練り込んで焼いた、シンプルなブール。店員に頼んで、短い幅に切ってあった。小麦とナッツの本来の甘みと香ばしさ、表面のカリッとしている食感と中のふんわりした食感、これらが絡まり合って、非常に美味しかった。

ミルアが買ったのは、塩漬けにして乾燥させた野菜を生地に練りこんで焼き上げ、そこに炙ったチーズとベーコンを挟んだパン。どれも塩気の強い食材だが、不思議と感じる塩味は程よく、これまたとても美味だった。さらにミルアは道中で、芋にサイラを乗せて焼いた物を買っており、3人の中で一番の量を食べていた。

シャーラが買ったのは、ミルクベースのクリームが中に入った、柔らかく甘いパン。クリームは、午前中に届けられた乳をすぐに加工して作られていて、漿果の風味がしていた。甘味もくどくなく、さっぱりとした後味で、食の細いシャーラでもたくさん食べられそうだった。


食事を終えた3人は、午後の予定について話す。イレイシアは、午前中に読書ができなかったため、午後は読書をしたかった。その旨を2人に伝えると、ミルアが自分の部屋に来ないか、と言ってきた。実は昨晩、実家が様々なものを置いていったのだという。


「その中に茶があったんだが、私には茶を飲む習慣がなくてな。一緒に飲んでくれないか、というより淹れてくれないか?」


少し照れながら言うミルアに、イレイシアはきょとんとしてから、シャーラと顔を見合わせ、2人で小さく笑い了承した。

お読みいただきありがとうございます。

久々のご飯回です。ちなみに漿果というのは、ベリーのことです。それにしても主人公補正魔力(´・ω・`)

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