14話 合否
今日も今日とて暑いです。
楽しんでいただければ幸いです。
思考科目の解答時間が終わり、解答が回収されると、受験生は一旦解散となった。学園側では、昼頃にかけて採点が行われ、合否結果が通達される。それまで受験生は、学園の図書館を見学したり、街へ繰り出したりすることができる。イレイシアは、ミルアとシャーラに図書館を見学しておきたい旨を伝え、快く了承を得た。
3人は、案内板を見て図書館のある方へと向かう。少し歩くと、すぐにとても大きな建物が見えてきた。学園の図書館は、王立図書館ーー王宮に隣接する政治機関の一部。に次いで、王国内で2番目に大きな図書館で、国内のすべての書店を含めても、一般的な本の蔵書数が最も多い。学園の図書館では、生徒や教師は金銭を介さず、本を借りることが出来、一般向けにも金銭を介した、書店の役割を担っている。
「わぁ・・・。すごい・・・。」
「ど、どこを見ても本ばかりです。本の壁とでも、い、言うんでしょうか。」
図書館に入ってすぐ、イレイシアとシャーラが、感嘆の声を上げる。イレイシアは、王都に入ってすぐの時も、同じような感想を言ってしまったな、と思いながら、ミルアにも感想を聞こうと目を向ける。すると、ミルアは青い顔をして口を結んでいた。
「どうしたんですか?ミルアさん。どこか具合でも」
「いや、すまない。違うんだ。トラウマを思い出してな。」
悪いんですか?と続けようとして、イレイシアはミルアに遮られる。トラウマ?とイレイシアとシャーラが首をかしげると、ミルアは説明してくれた。曰く、自分は剣ばかりやっていて、頭を使ったりするのは得意ではないのに、親に強制されて勉強をさせられた過去を思い出したのだという。
「その後、それまで以上に剣に打ち込んで、意地でも勉強しない姿勢を見せると、親は諦めてくれたようだったが、あれはトラウマだったよ。あれ以来、本の類を見ると、自分の前に大量に積み重なって、壁を成していた学習書を思い出す。」
「それは、大変でしたね・・・。」
イレイシアとシャーラは、自分の前に学習書が、壁を作っている様子を想像して青くなった。
そんな一幕もあったが、3人はそれぞれ、入学したら借りたい本に夢を膨らませたり、パラパラと立ち読みをしたりして、30分ほどを図書館で過ごした。その後、街の方へ赴いて、食事を済ませたが、王都の店はどこも混んでいる代わりに回転が早いようで、些か慌しかった。イレイシア達は、合否結果の発表の少し前に、学園へ戻ることが出来た。
「お、合格番号が張り出されたぞ。どうやら、読み上げてもくれるらしいな。私が集中して聞こう。イレイシア、シャーラ、番号は?」
イレイシアとシャーラが、ミルアに応えると、ミルアは目を閉じて集中し始めた。周りの受験者が騒がしいので、読み上げられている番号を聞き取るのには、かなりの集中が必要だ。しばらくして、ミルアが目を開けた。
「よかったな。3人揃って合格のようだ。」
「本当ですか!?よかったです!やりましたね、ミルアさん、シャーラさん!」
「あ、ありがとうございます。た、確かこの後には、様々な測定があるん、ですよね?」
3人が、喜びを噛み締めていると、合格者は手続きのために指定された部屋へ集まるよう、指示があった。
お読みいただきありがとうございます。
お や く そ く。決まった合否と言えるでしょう。
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