10話 同志
そういえば、今日から四月ですね。
楽しんでいただければ幸いです。
その後は、2人で昼食を食べ、午後は共に街を散策した。街では、イレイシアが、浮いた昼食代で、喫茶店を奢った。ミルアも、甘味の類は好きなようで、喜んで飲食をしていた。夜には宿で食事をとって、早めに床に就いた。
翌朝、2人はサリィに滞在の礼を言って、宿を出た。街の北門を出てすぐのところに、受験生向けの乗合馬車が着くため、2人は少し早めに街を出た。北門の近くで、話しながら待っていると、程なくして馬車が着いた。馬車は二台に分かれており、2人が後ろの車に乗り込むと、既に3人が座っていた。馬車の中は、6人ほどが座れるので、2人が座るとほぼ満席となった。
少しして、馬車が動き出したが、車内に会話はなく、気まずい雰囲気が流れていた。イレイシアは、内向的というわけでもないが、初対面の人に自ら話しかけるほどの積極性はないため、自然とミルアへ目を向けた。ミルアは、苦笑して口を開いた。
「やぁ、私はミルアと言う。よろしく。こっちは、イレイシア。レルア・・・先の街で知り合ったんだ。偶々、宿が同じでな。君たちの名前は?」
イレイシアもミルアに続き、よろしくお願いします、と言う。先に座っていたうち、端に座っている少年が口を開いた。
「俺はグージア。ここより大分東の方の村の出身だ。といっても、今は村を出て、近くの街で冒険者をやっている。年齢は16歳だ。まぁ、よろしく。」
「僕は、アレロと言います。孤児だったのですが、とある方に拾われて、今はレルアの一つ西の街の教会で過ごしています。一応、司祭の見習いをしています。よろしくお願いしますね。」
「わ、私は、シャーラと言います。ここより、南東部の出身です。じゅ、14歳です。すみません。自己紹介とか、苦手で・・・。うぅ。」
筋肉質でがたいのいい、青みがかった黒い短髪の少年、グージアの挨拶を皮切りに、横に座っていた少年・少女も自己紹介をする。グージアは、自己紹介の通り、冒険者がしているような活動的な服装で、アレロも、神官が使うような法衣をまとっており、綺麗な灰色の髪をしている。シャーラは、ふわふわの明るい茶色の髪で、簡素な衣服の上に、イレイシアと同じような法衣を羽織っている。
5人は、自己紹介の後はそこまで会話もなく、どんな勉強をしたか、といったような話題が少し出るくらいだった。馬車での旅は夕方まで続き、王都の手前の街で、一晩過ごすことになった。
「みなさんは、どこに泊まられるんですか?私は、この街にきたことはないので、宿とかわからないのですが・・・。」
「俺は組合で宿泊できるから、そっちへ行くつもりだ。俺もこの街に来たことはない。」
「僕は、何度か教会の関係できたことがありますが、街中には出なかったので・・・。それと、僕は教会に顔を出したいですから、そちらの方で泊まる予定です。シャーラさんに、ミルアさんは?」
イレイシアが、馬車を降りた一行に尋ねると、グージアとアレロが応えたが、ミルアは特に何も考えていなかったようだった。シャーラは、おろおろとしながら応える。
「わ、私は、父の知り合いの方が、宿をやっているので、泊めてくださる、らしいです。い、イレイシアさんも、来られますか?」
「お願いできるなら、そうしたいです。迷惑ではないですか?」
「め、迷惑だなんて、そんなこと、ないです。ミルアさんもよろしかったら、ど、どうぞ。」
ミルアは、イレイシアにどうするか尋ねる。イレイシアが、お言葉に甘えるつもりだと応えると、ミルアもそうすると言ってきた。
一行は、それぞれに分かれ、夕方の街へと消えていった。シャーラは、イレイシアとミルアを連れて、迷いなく路地を進む。
お読みいただきありがとうございます。
中途半端なので、もう1話投稿します。
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