楽しい日々
「ママ!! 早く早く!!」
淡い緑色のゆるやかな草原に可愛いらしい声が響き渡る。
肩に掛かりそうなパウダーピンクの髪を揺らしながら花柄のワンピースを纏った女の子が後ろをゆっくりと歩く母親に声を掛けた
「コラ!! プリムラ、そんなに急ぐと転んで怪我をしますよ」
「んむっ!!だって早くパパに会いたいんだもん……」
母親に怒られたプリムラはほっぺを膨らませ少し拗ねたフリをする
お母さんと向かい会っていると不意に声を掛けられた。
「あれま!! ユリアスさんとプリムラちゃん、何処かお出かけかい?」
「うん!! 今日はパパがお仕事から帰って来る日なんだよ!! だからお迎えに行くの!!」
「そうかい、ダリスさんが それは嬉しいねぇ」
「うん!!」
この人はヴェラ・トンプソンさん
近所に住む6人のお子さんがいる肝っ玉母さんだ。因みに私が産まれた時にとりあげてくれた人である。
あれからもうすぐ3年 私はあの恥ずかしい日々をやっと抜け出せたのだ
恥ずかしい日々? いや、わかるでしょ?!
オムツ替えとか諸々ですよ!!
兎に角あれは恥ずかしかった。忘れ去りたい。
因みにパパ、ママと呼んでいるのはこの世界が外国っぽいからと言う安易な理由である
心の中ではお父さん、お母さんだけどね
とまぁそんな事は置いといて、あれから色んな事があった。
視界がハッキリとしてきた頃、両親を見た時はびっくりした。
お母さんは腰辺りまであるホワイトシルバーの髪にアイスブルー瞳、お父さんはプラチナブランドのショートで瞳は翡翠色。
そして、どちらもかなりの美形だった……
うわぁー……これ私将来有望じゃない?!
こんな美形二人から産まれたら私もそれなりに美形なんじゃ……?!
ハッ!!
いけないいけない……話が逸れた。
そしてもう1つ分かった事は私が産まれたのはオルベリと言う自然豊かな小さな村だ。
旅人も立ち寄らないと言うか余り知られていない。
村の人達も優しい人ばかりで家族の様に私にも接してくれる。
そんなオルベリ村の人々が私は大好きだ。
「ユリアス!! プリムラ!! 帰ったぞ!!」
ふと今の生活を考えていると大きな荷物を抱えたお父さんが帰ってきた。
「パパっ!!」
ぎゅうっとお父さんに抱きつくと受け止めてくれた。
「パパ、明日はなんの日か覚えてる?」
「あぁ、忘れる訳ないだろ? 明日はプリムラの誕生日だからな!!」
優しく頭をなでてプリムラを抱き上げユリアスと三人で暮らす家へと帰っていった。




