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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
戦国転生編

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尾張の大商人からの依頼【後編】

正男は、桜が用意した帳簿を確認していた。


「この商品が一番売れているんですね」


「はい。こちらは季節によって売れ方が変わりますが、こちらの商品は一年を通してよく売れています」


桜の説明を聞きながら、正男は商品棚を見渡した。そして、帳簿の数字と店内の商品配置を照らし合わせながら考えた。


【改善対象を確認しました】


━━━━━━━━━━━━━━━━


【改善対象:商家の商品管理】


問題点:


・商品の置き場所が決まっていない

・商品を探す時間が長い

・奉公人によって商品の場所の認識が違う

・商品の移動距離が長い


改善難易度:中


改善による効果:


・商品を探す時間の短縮

・商品の取り出し時間の短縮

・作業効率の向上

・作業負担の軽減

・商品の管理がしやすくなる


━━━━━━━━━━━━━━━━


「なるほど、よく売れる商品は入口に近い場所に置きましょう」


「入口に近い場所ですか?」


「ああ。取りに行く回数が多いなら、そこまでの距離を短くした方がいい」


桜は頷いた。


「では、あまり売れない商品は?」


「奥でいいと思います」


正男は商品を見ながら答える。


「ただし、種類ごとにはまとめた方がいい」


「種類ごと……」


「布なら布、道具なら道具というように、同じ種類の商品をまとめるんです」


桜は考えながら頷いた。


「そうすれば、探す場所そのものが少なくなりますね」


「その通りです」


正男は店の奥を見た。


「それから、商品の置き場所を決めたら、誰が見ても分かるようにしたい」


「誰が見ても?」


「ええ」


正男は近くにあった木札を手に取った。


「例えば、ここに『布』と書いておく」


「木札ですか」


「そうです」


「なるほど……」


桜は木札を見つめた。


正男の考えは単純だった。


だが、その単純な仕組みが、店の中の人の動きを変えていく。


「商品を戻す場所も決めておきましょう」


「戻す場所?」


「はい。商品を取り出したあと、適当な場所に戻してしまえば、また探すことになりますから」


「確かに……」


桜は頷いた。


「置き場所を決めて、戻す場所も決める」


「そうです」


正男は笑った。


「一度決めた場所を守れば、次に探す必要がなくなります」


その言葉を聞いた桜は驚いた。


正男は、ただ商品を整理しているわけではない。


次に働く人のことまで考えている。


「では、こちらの商品はここへ」


桜も積極的に手伝い始めた。


奉公人たちも正男の指示に従い、商品を移動させていく。


売れ筋の商品は店の入口に近い場所へ。あまり売れない商品は、運びやすさも考慮しながら奥へ配置する。種類の違う商品は分け、同じ種類の商品はまとめて、それぞれの置き場所に木札を取り付けていった。


「これなら分かりやすいですね」


奉公人の一人が言った。


「今まで、どこに何があるのか覚えるのが大変でしたから」


「場所を覚える必要はありません」


正男が答える。


「木札を見れば分かります」


「なるほど」


奉公人は感心したように頷いた。


さらに正男は、商品の受け渡しをする場所も確認した。


「ここも少し変えましょう」


「ここですか?」


桜が尋ねる。


「帳簿を書く場所が少し離れています」


正男は帳簿台を指差した。


「商品を確認してから帳簿を書くまでに、人が何度も行き来しています」


桜は実際に歩いてみた。


商品を確認し、帳簿台まで移動する。


帳簿を書く。


また商品を確認する。


確かに、何度も往復している。


「ここを近づければ……」


「移動する回数を減らせます」


正男が答える。


「なるほど……」


桜はまた一つ、正男の考え方を理解した。


正男は、一つ一つの作業だけを見ているのではない。


仕事全体の流れを見ている。


人の動き、商品の動き、帳簿の記入。


そのすべてを一つの流れとして考えているのだ。


そして、整理が終わった。


「では、実際に注文を受けてみましょう」


正男が言った。


奉公人が注文された商品を取りに行った。


「布、二反ですね」


奉公人は木札を確認し、迷うことなく布の置き場所へ向かった。必要な商品を取り出すと、そのまま注文を受けた場所へ戻ってくる。


「……早い」


桜が思わず呟いた。


別の商品でも試してみたが、結果は同じだった。


以前のように、


「どこだった?」


「あっちだったか?」


と迷う声は聞こえない。


商品を探す時間が、明らかに短くなっていた。


正男は静かに頷いた。


「これなら大丈夫そうですね」


そのとき――


正男の目の前に、見慣れた文字が浮かんだ。


【改善が完了しました】


【商家の商品管理の改善に成功しました】


【改善効果を確認】


【作業効率:向上】


【商品を探す時間:短縮】


【在庫確認時間:短縮】


【作業負担:低下】


【商品管理:改善】


「……終わったか」


正男は小さく呟いた。


桜は店内を見渡した。


先ほどまで何度も行き来していた奉公人たちが、今は迷うことなく商品を取り出している。


「本当に……変わりましたね」


「少し整理しただけですよ」


「少し……ですか?」


桜は思わず正男を見る。


商品を置く場所を決め、木札を付け、よく売れる商品を取り出しやすい場所に置く。やっていることだけを見れば、それほど難しいことには思えない。


だが、正男はそれらを店全体の仕事の流れとして考え、実際に変えてしまった。桜には、それが不思議でならなかった。


「ありがとうございました」


桜は正男に頭を下げた。


「こちらこそ。協力してくれて助かりました」


「いえ……」


桜は顔を上げた。


「私も、とても勉強になりました」


正男は笑った。


「それならよかったです」


その笑顔を見て、桜は少しだけ頬を緩めた。




その日の夕方。


桜は父のいる部屋を訪ねた。


「お父様」


「どうした、桜」


帳簿を確認していた惣十郎が顔を上げる。


「鈴木様の改善が終わりました」


「そうか」


惣十郎は帳簿を閉じた。


「それで、どうだった?」


桜は少し考えてから答えた。


「すごい方です」


惣十郎が目を細める。


「ほう」


「最初は、何を見ているのか分かりませんでした」


桜は今日のことを思い出す。


正男は店に入ってから、すぐに指示を出さなかった。


ただ、人の動きや商品の動きを見ていた。


そして、奉公人たちが商品を探していることに気づいた。


「鈴木様は、店の人たちが何度も商品を探していることに気づいたんです」


「それだけか?」


「いいえ」


桜は首を横に振った。


「なぜ商品を探しているのかを考えていました」


「なるほど」


「それから帳簿を見て、どの商品がよく売れているのかを確認して……」


桜は少し嬉しそうに話を続ける。


「売れる商品を取り出しやすい場所に置いて、商品の種類ごとにまとめて、木札まで付けました」


「ふむ」


「それだけで、みんなが迷わなくなりました」


惣十郎は黙って桜の話を聞いていた。


「桜」


「はい」


「お前は、鈴木殿をどう思った?」


突然の質問に、桜は少し驚いた。


「……どう、と言われましても」


「正直に言ってみなさい」


桜は少しだけ考えた。


そして、ぽつりと言った。


「もっと……鈴木様の考え方を知りたいです」


惣十郎の眉がわずかに動く。


「ほう」


「どうして、あんなふうに仕事を見ることができるのか……」


桜は今日一日のことを思い返した。


「私には、ただ商品が並んでいるようにしか見えませんでした」


「だが、鈴木殿には違って見えた」


「はい」


桜は頷いた。


「人がどこを歩き、どこで時間を使い、何が無駄になっているのか。鈴木様は、そういうところを全部見ていたんです」


そして、桜は小さく笑った。


「……すごいですよね」


惣十郎は娘の顔をしばらく見つめていた。


いつも帳簿の数字には厳しい桜が、今日は珍しく数字ではなく、一人の人間について熱心に話している。


「そうか」


惣十郎は静かに笑った。


そして部屋を出て、一度だけ振り返った。


頭の中には、今日の正男の姿が残っている。


「……もっと知りたい」


桜は小さく呟いた。




その頃、正男は夕暮れの道を歩きながら、次の改善について考えていた。


今回の商家の商品管理の改善で、商品を探す時間は減った。


「次は、どこを改善するか……」


正男は呟きながら、歩みを進めた。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【鈴木 正男】


年齢:18歳

身分:不明

石高:0石


統率:72

武勇:28

知略:83

政治:87


【兵科適性】


足軽:C

騎馬:D

弓:C

鉄砲:A

水軍:D


【スキル】


危険予知:Lv.5

危険回避:Lv.1

5S:Lv.5

改善思考:Lv.5

標準化:Lv.5

品質管理:Lv.5

工程改善:Lv.5

生産性向上:Lv.5

安全意識:Lv.5

立身出世


【経験】


危険回避:20


【実績】


現場改善:4回達成


【現在の改善対象】


商家の商品管理


【改善状況】


完了


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