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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
戦国転生編

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鍛冶屋の娘からの依頼【後編】

俺たちは鍛冶場の整理を始めた。まずは、作業場に置かれている物を一つずつ確認していく。


「これは使ってる?」


俺が尋ねると、源蔵は置かれていた道具を見ながら答えた。


「それは去年使ったやつだな」


「じゃあ、こっちは?」


「それは……」


源蔵が少し考える。


「使った覚えがないな」


「じゃあ、これは?」


「……分からん」


俺は思わず苦笑した。


「使っている物と、使っていない物が一緒になってるな」


「そうだな」


源蔵も周囲を見渡す。


「鍛冶を始めた頃から、物が増えていったからな」


「それなら、まず分けよう」


俺は三つの置き場所を決めた。


「使う物、たまに使う物、使わない物に分けるんだ」


「なるほど。使わない物はどうするの?」


なつきが尋ねた。


「別の場所に移す」


「捨てないの?」


「まだ使える物を捨てる必要はない。必要な物を探しやすくするために分けるんだ」


「そっか!」


なつきは納得したように頷いた。


俺たちは作業を続けた。使っていない古い木箱、壊れた道具、余った鉄材、使いかけの炭、いつ使ったのか分からない木片。それらを一つずつ確認していく。


しばらくすると、鍛冶場の隅には、仕分けした物が山積みになっていた。


「こんなにあったのか……」


源蔵が呆れた顔をする。


「俺も驚いた」


「親父、よくこんなところで仕事してたね」


「……」


「なつき」


「はい」


「余計なことは言うな」


「へへ」


俺は笑いながら、次の作業に取りかかった。


今度は工具だ。金槌、ヤットコ、ノミ、その他の道具。


これまで源蔵は、使った工具を空いている場所に置いていた。そのため、使うたびに探す必要があった。


「工具は、使う場所を決めよう」


俺は作業台の近くを指差した。


「よく使う工具は、ここに置く」


「ここに置くのか?」


「そうだ。金槌はここ、ヤットコはここ、ノミはここ。使う頻度が高い物ほど、手の届きやすい場所に置くんだ」


俺は工具を並べていった。


源蔵が工具を見る。


「確かに、その方が楽だな」


「だろ?」


俺は木札を取り出した。


「これは何だ?」


源蔵が首を傾げる。


「目印だ」


俺は木札に「金槌」「ヤットコ」「ノミ」と書き、それぞれの置き場所に設置した。


「使ったら、ここに戻す。場所を決めておけば、誰が使っても同じ場所に戻せるんだ」


「なるほど」


なつきが木札を覗き込む。


「これなら、あたしでも分かるね」


「ああ」


「父さんが使った後も、私が戻せる」


「そういうことだ」


源蔵が少し笑った。


「これはいいな」


次に、鉄材を種類ごとに分け、それぞれ決めた場所に置いていった。


「材料も、決めた場所に置こう」


「今までは、その辺に置いてたからな」


源蔵が苦笑する。


「それが探す時間につながっていたんだ」


俺は材料の置き場所にも木札を取り付けた。


「これで、どこに何があるか分かる」


「なるほどな」


最後に、作業途中の品と完成品の置き場所を分けた。


「ここは作業途中の品、こっちは完成品だ」


「これなら、作業途中の物を間違って片付けることもない」


なつきが感心したように頷く。


「少しずつ分かりやすくなってきたね」


「ああ」


整理を始めてから、しばらく時間が経った。鍛冶場の様子は大きく変わっていた。


通路から物がなくなり、作業台の上も広くなった。工具は決められた場所に並び、鉄材も種類ごとにまとめられている。完成品と作業途中の品も、それぞれ置き場所が分かれていた。


「すごい……」


なつきが鍛冶場を見回す。


「同じ場所なのに、全然違って見える」


源蔵も周囲を見渡した。


「確かにな」


俺は作業台の前に立った。


「じゃあ、試してみよう」


「何を?」


「いつも通りの仕事をしてみてくれ」


「分かった」


源蔵は鉄材を手に取り、工具へと手を伸ばした。


「金槌は……ここだ」


目の前にある金槌を取る。続いてヤットコにも迷わず手を伸ばした。


「これも、すぐ取れるな」


「そうだろ?」


源蔵は作業を続けた。


鉄を火床に入れる。赤くなった鉄を取り出す。ヤットコで挟む。そして、金槌を振り下ろす。


カンッ! カンッ! カンッ!


いつもと同じ音だ。


だが、作業の途中で源蔵が周囲を探すことはなかった。


俺はそれを黙って見ていた。やがて源蔵が作業を終える。


「……」


源蔵は手にした金槌を見る。そして、決められた場所に戻した。


「これは……楽だな」


「だろ?」


「今までなら、道具を探すだけで何度も手を止めていた」


「その時間が減ったんだ」


「ああ。こんなことで、ここまで変わるとは思わなかった」


俺は笑った。


「鍛冶の技術を変えたわけじゃない」


「ただ、無駄を減らしただけだ」


なつきが父親を見る。


「親父、これなら少し早く仕事を終われる?」


源蔵は少し考えた。


「……たぶんな」


「本当?」


「ああ」


源蔵は笑った。


「少なくとも、道具を探している時間は減る」


なつきの顔が明るくなる。


「よかった……」


その笑顔を見て、俺も少し安心した。


今回の改善は、特別な道具を作ったわけでも、新しい技術を教えたわけでもない。ただ、今ある物を整理しただけだ。


それでも、毎日少しずつ発生していた無駄を減らせば、積み重なって大きな時間になる。そして、その時間を働く人に返すことができる。


「正男さん」


なつきが俺を見る。


「ありがとう!」


「まだ終わってないぞ」


「え?」


「これからは、整理した状態を維持しないといけない」


「維持?」


「ああ。使った工具は必ず元の場所に戻す。材料も決めた場所に置く。作業途中の品も、決められた場所に置く。それを続けるんだ」


なつきは真剣な顔で頷いた。


「分かった!」


源蔵も頷く。


「俺も気をつける」


「それなら大丈夫だ」


俺は鍛冶場を見渡した。最初に見た鍛冶場とは、まるで別の場所だった。


「よし」


俺は満足して頷いた。


「これで、今回の改善は完了だ」


【改善が完了しました】


【鍛冶場の改善に成功しました】


【改善効果を確認】


【作業効率:向上】


【作業負担:低下】


【安全性:向上】


【工具を探す時間:短縮】


【材料を探す時間:短縮】


【作業スペース:拡大】



なつきが嬉しそうに笑う。


「親父、今日は早く終われそうだね!」


源蔵は照れくさそうに頭をかいた。


「そうだな」


その言葉を聞いて、俺も笑った。


仕事を楽にする。それは、仕事をしなくすることじゃない。


同じ仕事をするなら――。


少しでも無駄を減らし、少しでも楽にする。それだけでも、人の生活は変えられる。


俺は、そんなことを改めて感じていた。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【鈴木 正男】


年齢:18歳

身分:不明

石高:0石


統率:72

武勇:28

知略:83

政治:87


【兵科適性】


足軽:C

騎馬:D

弓:C

鉄砲:A

水軍:D


【スキル】


危険予知:Lv.5

危険回避:Lv.1

5S:Lv.5

改善思考:Lv.5

標準化:Lv.5

品質管理:Lv.5

工程改善:Lv.5

生産性向上:Lv.5

安全意識:Lv.5

立身出世


【経験】


危険回避:20


【実績】


現場改善:3回達成


【現在の改善対象】


鍛冶場


【改善状況】


完了


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