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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
戦国転生編

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鍛冶屋の娘からの依頼【前編】

翌朝。


俺は与四吉の家で朝飯を食べていた。


「鈴木さんは、よく見てるね」


「つい、気になってね」


与四吉とそんな話をしていると――。


「すみません!」


突然、外から声が聞こえた。


俺と与四吉が顔を見合わせる。


「あの……正男さんはいますか?」


「俺ならここにいるが」


俺が答える。


すると、戸口から一人の少女が入ってきた。


十五歳くらいだろうか。


身長は百六十センチほど。


日焼けした肌に、細身の体。


健康的で、活発そうな少女だった。


だが――。


今の彼女には、そんな明るさはなかった。


とても深刻な表情をしている。


少女は俺の前まで来ると、深々と頭を下げた。


「突然、すみません」


「いや、大丈夫だ。それより、どうした?」


少女は顔を上げた。


そして、俺をまっすぐ見つめる。


「お願いがあります」


「俺に?」


「はい」


少女は両手を強く握りしめた。


「親父を……助けてください」


「お父さんを?」


「はい」


声が少し震えている。


「なつきちゃんじゃないか。中に入りなさい」 


与四吉が家の中に招き入れる。


俺はなつきの話を聞くことにした。


「親父は鍛冶屋をしています」


「鍛冶屋か」


「毎日、朝早くから夜遅くまで仕事をしています」


なつきは俯いた。


「最近は、夜になっても仕事をやめません」


「それは心配だな」


「はい」


なつきは唇を噛んだ。


「親父は大丈夫だと言います。でも……」


なつきは顔を上げる。


「あたしは、大丈夫だとは思えません!」


その表情から、本気で父親を心配していることが伝わってきた。


「正男さんが、仕事を楽にしてくれる人だと聞きました」


「誰から聞いた?」


「村の人がみんな言ってます」


「仕事を楽にしてくれる人だと」


与四吉が笑った。


「小さい村だからな。すぐ噂が広まる」


「そうなんですか……」


なつきの表情が、ほんの少しだけ明るくなった。


「だから……お願いします」


「親父の仕事を、少しでも楽にしてください」


俺は少し考えた。


鍛冶仕事そのものを俺ができるわけではない。


だが、仕事のやり方を見れば、改善できるところがあるかもしれない。


「わかった」


俺は立ち上がった。


「まずは、その鍛冶屋を見せてもらおう」


「本当ですか?」


「ああ」


なつきの顔に、初めて笑顔が浮かんだ。


とても笑顔が似合う女の子だった。


「ありがとうございます!」


さっきまでの深刻な表情が嘘のように明るくなる。


「……ずいぶん表情が変わるな」


「え?」


「いや、何でもない」


俺は苦笑した。


こうして俺は、なつきの案内で鍛冶屋へ向かうことになった。


しばらく歩くと、大きな音が聞こえてきた。


カンッ! カンッ! カンッ!


鉄を叩く音だ。


「ここです」


なつきが足を止める。


そこには、小さな鍛冶場があった。


中から熱気が流れてくる。


火床では、赤く熱せられた鉄が燃えていた。


「親父!」


なつきが大声で呼びかける。


「おう。どうした?」


叩くのを止め、男が奥から出てきた。


五十歳くらいだろうか。


大柄な体つきで、腕は太い。


額には汗が浮かんでいる。


「こちら、正男さん」


「正男?」


父親が俺を見る。


「荷車を直した人だよ」


「ああ、あんたが……」


男は俺をじっと見た。


「俺は鍛冶職人の源蔵だ」


「正男です。よろしくお願いします」


「それで、何の用だ?」


俺が答える前に、なつきが口を開いた。


「親父の仕事を見てほしいとお願いしたんだ」


「俺の仕事を?」


「うん」


源蔵は少し困った顔をした。


「別に困ってないぞ」


「困ってるじゃない」


「困ってない」


「昨日も夜遅くまで仕事してたじゃない」


「仕事だからな」


「一昨日も」


「……」


なつきが父親を睨む。


源蔵は黙って鉄を見た。


俺は鍛冶場の中を見回した。


「なるほど……」


俺は鍛冶場の中を歩く。


その瞬間。


頭の中に、無機質な声が響いた。


【改善対象を確認しました】


━━━━━━━━━━━━━━━━


【改善対象:鍛冶場】


問題点:


・工具の置き場所が決まっていない

・材料が整理されていない

・完成品と作業途中の品が混在している

・通路に物が置かれている

・不要な物が作業場所を圧迫している


改善難易度:低


改善による効果:


・工具を探す時間の短縮

・材料を取り出す時間の短縮

・作業スペースの確保

・作業効率の向上

・作業負担の軽減

・安全性の向上


━━━━━━━━━━━━━━━━


「何か分かりました?」


なつきが聞く。


「ああ」


俺は作業台の上を見た。


「この鍛冶場、物を探す時間がかなり多いんじゃないか?」


源蔵が驚いた顔をする。


「……よく分かったな」


「工具を見れば分かる」


俺は金槌を手に取った。


「これを使った後、どこに戻す?」


「その辺だ」


源蔵が指を差す。


「その辺、か……」


俺は苦笑した。


「それじゃ、次に使うときに探すことになる」


「確かに……」


なつきが周囲を見る。


「そういえば、父さん。よく工具を探してるよね」


「……」


「鉄材も探してる」


「……」


「ヤットコも」


「なつき」


「はい」


「少し黙ってろ」


「はい」


なつきが素直に口を閉じた。


俺は思わず笑ってしまった。


だが、笑っている場合ではない。


俺は改めて鍛冶場を見渡した。


前の世界でも、こういう無駄は何度も見てきた。


「まずは、整理整頓から始めよう」


「整理整頓?」


源蔵が首を傾げる。


「ああ」


俺は鍛冶場を見回した。


「鍛冶仕事を変えるんじゃない」


「仕事をする環境を変えるんだ」


これは改善できる。


だが――。


今回は、今までとは少し違う。


道具を新しく作る必要はない、鍛冶の技術を教える必要もない。


ただ、今ある物を整理するだけだ。


それだけで、本当に仕事は楽になるのか。


俺は源蔵を見る。


「源蔵さん」


「なんだ?」


「少し、鍛冶場を整理してもいいですか?」


源蔵は鍛冶場を見て、次になつきを見た。


そして、苦笑する。


「好きにしてくれ」


「ありがとうございます」


俺は袖をまくった。


「なつきも手伝ってくれるか?」


「もちろん!」


なつきが元気よく答えた。


「じゃあ、まずは不要な物を分けよう」


「はい!」


俺たちは、鍛冶場の整理を始めた。


まずは、目の前の無駄をなくす。


それが今回の改善の第一歩だった。


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