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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
織田家共同事業編

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白猫を飼いたい!

「それじゃあ、しろ。今日からあんたは、あたしの家族だからね!」


あたしはくろに乗って白い猫を抱きかかえながら、村へ続く道を進んでいた。さっきまで、あんなに大きくて恐ろしい化け猫だったのに、今は普通の猫と変わらない大きさだ。真っ白な毛並みに、青みがかった瞳。こうして見ると、なかなか可愛い。


『誰が家族じゃ。わしはお主に負けただけで、飼われると承知した覚えはないぞ』


しろの声が、あたしの頭の中に直接響いた。相変わらず偉そうな猫だ。


「細かいことはいいじゃない。あたしが面倒を見るんだから!」


『勝手な娘じゃな……』


「何か言った?」


『別に何も言っておらん』


しろは、ふいっと顔をそらした。でも、あたしの腕から逃げようとはしない。案外、悪くないと思っているのかもしれない。


そんなことを考えながら歩いていると、前方から見慣れた人影が近づいてきた。


「あっ、なつきちゃん!」


声をかけてきたのは、お梅だった。あたしを見つけると、いつもの明るい笑顔で駆け寄ってくる。


「梅! ちょうどよかった!」


「どうしたの? そんなに急いで……って、あれ?」


お梅の視線が、あたしの腕の中にいるしろへ向いた。


「猫……?」


「そう! この子、しろっていうの!」


あたしがしろを少し持ち上げると、お梅は目を輝かせた。


「わあ……! 真っ白で可愛い!」


お梅は、そっとしろの顔をのぞき込んだ。


「こんにちは、しろちゃん。あたしはお梅だよ」


しろは、お梅をじっと見つめた。


『ふむ。なかなか愛想のよい娘じゃな』


「えっ?」


あたしは思わず声を上げた。


「どうしたの、なつきちゃん?」


「しろも、梅のこと気に入ったって言ってるよ」


「ほんと?! 嬉しい!」


「それより、梅。この子を家で飼いたいんだけど、正男にお願いするのを手伝ってくれない?」


「えっ、飼うの?」


「うん!」


お梅は、しろをもう一度見つめた。


「でも……さっきまで、なつきちゃんが出かけていた場所って、あの古い屋敷のほうだよね?」


「うん」


「もしかして、化け猫って、この子のこと?」


「そうだよ」


あたしは、隠さずに答えた。


「なんだ! 心配して損しちゃった」


「ふふ。正男にお願いしてみようよ!」


「うん。そうだね」


「こんなに可愛い猫ちゃんだもんね。ちゃんとお世話できるなら、飼えるといいね」


「でしょ!」


あたしは、しろを抱き直した。


「よし、帰ろう!」


こうして、あたしたちは屋敷へ戻ることにした。


「ただいまー!」


屋敷の門をくぐると、庭先から正男の声が聞こえてきた。


「おかえり、なつき。お梅も一緒だったのか」


「うん!」


あたしは、慌ててしろを背中に隠した。正男のそばには五兵衛もいた。そして、屋敷の縁側には初めて見る女性の姿もあった。


「はじめまして、なつきちゃん。正男様の家臣になった桜です。よろしくお願いします」


桜は丁寧に礼をした。


「なつきだよ! よろしく!」


桜は、にこやかに微笑んだ。けれど、あたしは今、正直それどころじゃなかった。正男に、しろを飼ってもいいか聞かなければならないのだ。


あたしは、しろを背中に隠したまま正男の前に立った。


「正男! お願いがあるんだ!」


「お願い?」


正男が不思議そうに首をかしげた。


「どうしたんだ?」


「えっと、その……」


隣にいたお梅も、なぜかあたしと同じように落ち着かない様子で立っている。正男は、あたしたち二人を交互に見た。


「……二人とも、どうした?」


「な、なんでもないよ!」


「そ、そうです!」


「いや、明らかに何かあるだろう……」


正男が眉をひそめる。五兵衛も、不思議そうにあたしたちを見ていた。


もう、隠していても仕方がない。あたしは覚悟を決め、背中に隠していたしろを正男の前に差し出した。


「この子、うちで飼いたいの!」


「……猫?」


正男は、しろを見つめた。しろは何事もないかのように、のんびりと前足をなめている。


「真っ白な猫ですね。どこで見つけたんですか?」


桜が興味深そうに近づいてきた。


「古い屋敷で見つけたんだ!」


「それで、この子を飼いたいんだ!」


正男は、しろとあたしを交互に見た。


「生き物を飼うということは、最後まで面倒を見るということだ。可愛いからという理由だけで、簡単に決めていいことじゃない」


「わかってる!」


あたしは、しっかりとうなずいた。


「ちゃんと面倒を見る! 絶対に途中で投げ出さない!」


お梅も、一歩前に出た。


「なつきちゃんだけじゃなくて、あたしもお世話を手伝います! ご飯の用意なら任せてください。しろちゃんが困らないように、ちゃんとお世話します!」


「お梅もか……」


正男は、少し困ったように笑った。それから、しろの前にしゃがみ込む。しろは、正男をじっと見つめた。


『ふむ。この男が、この家の主か』


しろの声が、あたしの頭の中に響いた。しろは正男の顔を見つめたあと、何事もなかったかのように目を細めた。もちろん、正男にはしろの声は聞こえていない。


「……まあ、たしかに可愛いな。飼いたい気持ちも分かる」


正男は立ち上がると、あたしに向き直った。


「なつき。本当に最後まで面倒を見られるんだな?」


「もちろん!」


「お梅も、手伝ってくれるんだな?」


「はい!」


正男は二人の顔を見比べ、最後に小さく息を吐いた。


「わかった。きちんと世話をすることを条件に、飼ってもいいぞ」


「本当!?」


「ああ。ただし、途中で世話をしなくなったら、そのときは改めて考えるからな」


「やったあ!」


あたしは、しろをぎゅっと抱きしめた。


「聞いた? しろ! 今日からここが、あんたの家だからね!」


『まったく……人間というものは、勝手に物事を決めるのが好きじゃな』


しろは、あきれたように心の中でつぶやいた。けれど、その目はどこか満足そうだった。


「ありがとうございます、正男様!」


お梅も、嬉しそうに頭を下げた。


「これから、しろちゃんのお世話を頑張りますね!」


「頼んだぞ。二人とも」


正男が微笑むと、桜も楽しそうにしろを見つめた。


「賑やかになりそうですね。白い猫なんて、とても素敵です」


「うん! しろは、あたしが名前をつけたんだ!」


「しろ、ですか。可愛らしい名前ですね」


五兵衛も、ほっとしたように笑った。


「これからよろしくな、しろ」


しろは、五兵衛の言葉に返事をすることなく、のんびりとあくびをした。その態度に、あたしは思わず笑ってしまった。


「もう、しろったら!」


『わしは眠いのじゃ。騒がしいのは、あとにせい』


しろの声が、頭の中に響く。どうやら、こいつはかなりのんびり屋らしい。


こうして、化け猫だったしろは、鈴木家の一員になった。これから先、どんな騒動を起こしてくれるのか。今はまだ、誰にもわからなかった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この話は、子供が親に猫を飼いたいと言うときは、こんな感じなのかなと想像しながら執筆しました。


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明日の朝6時と夕方5時も更新予定です。

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