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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
織田家共同事業編

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新生活スタート

隠し山城での戦いから、数日後。信長様から新たな領地を与えられた俺は、その土地に引っ越すため、五兵衛となつきと一緒に屋敷を出た。もちろん、くろと熊蔵も一緒だ。なつきは巨大な黒牛のくろに乗り、熊蔵はその後ろをのんびりと歩いている。


「正男、この道をまっすぐ行けばいいんだよね?」


「ああ。以前、信長様から場所を教えてもらった。もう少し先だ」


「新しい領地か……。僕たちの暮らすところも変わるんですね」


五兵衛が周囲を見回しながら言った。


「そうだな。先にお花とお梅が俺たちが住む新しい屋敷を準備してくれている」


「二人に会うのも久しぶりだな」


五兵衛は懐かしむように道の先を眺めている。俺が今回の領地で考えているのは、工房の建設だ。これまでのように、必要なものを一つずつ手作りするだけでは限界がある。鍬や荷車を改良し、職人たちに技術を教え、将来的にはまとまった数を生産できる体制を作りたい。そのためにも、まずは土地の状態を確認する必要があった。


しばらく進むと、木々の向こうに屋敷が見えてきた。俺たちの拠点となる屋敷だ。その屋敷では、俺たちが到着する前から、お花とお梅が忙しく働いていた。


「姉さん、こっちの部屋の掃除は終わった?」


「ええ、もう少しで終わるわ。梅は、寝具の準備をお願い」


「うん! 正男様がいつお戻りになってもいいように、きちんと準備しなきゃね」


二人は部屋の掃除を済ませ、床や柱の汚れを丁寧に拭き取っていた。寝具を整え、使いそうな道具をまとめ、食事の支度も進めている。まだ屋敷の中には片づけなければならない場所が残っていたが、二人は手を休めなかった。


「正男様は、これからこの屋敷を拠点にされるんですよね」


お梅が尋ねた。


「ええ。だからこそ、少しでも過ごしやすい場所にしておきたいわね」


お花はそう答え、再び雑巾を手に取った。二人とも、正男の新しい暮らしを支えようと、一生懸命に働いていた。


やがて、屋敷の外から声が聞こえてきた。


「……来られたのでしょうか?」


お花とお梅は顔を見合わせ、急いで玄関へ向かった。そして、屋敷の前に現れた俺たちを見て、二人はそろって頭を下げた。


「正男様、お帰りなさいませ」


「ただいま。二人とも、屋敷の準備をしてくれていたのか?」


「はい。まだ片づいていない場所もありますが、できる限り整えておきました」


お花が答える。


「ありがとう。助かるよ」


俺が礼を言うと、二人は嬉しそうに微笑んだ。しかし、次の瞬間、お花とお梅の表情が固まった。二人の視線は、俺の隣にいるなつきと、そのなつきが乗るくろへ向けられていた。


「えっ……こ、こちらの方は……?」


お花が戸惑いながら尋ねた。


「なつきだ。俺の仲間で、鍛冶仕事も得意なんだ」


「なつきだよ! よろしくね!」


なつきが明るく挨拶すると、お花とお梅も慌てて頭を下げた。


「お花と申します。よろしくお願いいたします」


「お梅です! よろしくお願いします!」


二人は挨拶を返したものの、なつきが乗っている巨大な黒牛のくろを見上げ、目を丸くした。


「こ、こんなに大きな牛がいるんですか!?」


お花が驚きの声を上げる。


「ええっ!? それに……後ろにいるのは、熊ですよね!?」


お梅は驚いて、お花の後ろに隠れるように身を寄せた。お梅の視線の先には、巨大な熊蔵がいた。熊蔵は俺たちの後ろをのんびりと歩いていたが、二人に気づくと立ち止まり、じっと見つめた。


「驚かせて悪い。なつきが乗っている牛がくろで、後ろの熊は熊蔵だ。どちらも俺たちの仲間だから、心配しなくていい」


「仲間……ですか?」


お花はまだ警戒している様子だった。


「ああ。くろも熊蔵も、むやみに人を襲ったりはしない。少しずつ慣れていけば大丈夫だ」


「そうそう。くろは賢いし、熊蔵もおとなしいんだよ」


なつきがくろの首筋を優しく撫でる。くろは気持ちよさそうに鼻を鳴らした。熊蔵もその場に腰を下ろし、大きな体を揺らしながら、のんびりと俺たちを眺めている。


「ほら、こんな感じだよ。怖くないからね」


なつきが笑顔で声をかけた。お花とお梅は顔を見合わせた。


「……本当に、おとなしいんですね」


お梅が恐る恐る近づき、くろの様子をうかがった。くろは動かず、静かにお梅を見つめている。


「さ、触っても大丈夫でしょうか?」


「大丈夫だよ」


なつきが答えると、くろはゆっくりと頭を下げた。お梅はそっと手を伸ばし、くろの首筋に触れた。


「わあ……毛並みがつやつやしています!」


お梅の顔に、ぱっと笑みが浮かんだ。


「姉さんも触ってみて! すごく気持ちいいよ!」


それを見て、お花も恐る恐る近づいてくる。一方、熊蔵は二人を怖がらせないようにしているのか、その場に座ったまま動かなかった。


「熊蔵も、こうしている分にはおとなしいぞ」


俺がそう言うと、お花は熊蔵の前にそっと近づいた。熊蔵が鼻をひくひくさせる。


「ひゃっ!」


お花は一瞬びくりとしたが、熊蔵が襲いかかる様子もなく、ただ匂いを確かめているだけだとわかると、ほっと息を吐いた。


「……なんだか、かわいらしいですね」


「そうだろう?」


俺が笑うと、お花も小さく笑った。


「なつきさんも、くろも熊蔵も、最初はびっくりしましたけれど……これから仲良くできそうです」


お花がそう言うと、お梅も笑顔でうなずいた。そして、お梅はなつきに挨拶する。


「なつきちゃん、これからよろしくね!」


「あたしこそ、よろしく!」


なつきは嬉しそうに笑った。こうして、お花とお梅は、なつき、くろ、熊蔵と初めて顔を合わせた。最初こそ驚いていた二人だったが、なつきの明るい人柄と、くろや熊蔵のおとなしい様子に触れ、少しずつ打ち解けていった。


ひとまず挨拶を終えた俺たちは、屋敷の中へ入った。


「お花、お梅。屋敷の準備をしてくれてありがとう。おかげで助かったよ」


「いえ、正男様のお役に立てるのでしたら、これくらいは当然です」


お花が答えた。


「姉さんと一緒に、もっときれいにしていきますね!」


お梅も元気よく言い、部屋の奥を示した。俺は二人の働きに感謝しながら、屋敷の中を見回した。まだ古びた箇所はあるものの、きちんと手入れすれば十分に使えそうだ。ここを拠点にして、領地の整備や工房の準備を進めていこう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この話からお梅とお花の登場回数を増やす予定です。楽しみにしていてください。


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明日の朝6時も更新予定です。

これからもよろしくお願いいたします。

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