戦闘開始
隠し山城の奥へ続く廊下を、俺たちは慎重に進んでいた。目の前には、ひときわ大きな建物がそびえている。重厚な木造の建物で、入口の両脇には武装した兵が立っていた。ここが城主のいる場所に違いない。ここまで敵に見つからずに進んできたが、いよいよ城主との対決が近づいている。
「正男様。あの建物の中に、城主がいるのでしょうか?」
五兵衛が小声で尋ねた。
「ああ。これまで調べた情報から考えても、あそこが一番怪しい」
俺は入口を見つめた。門番は二人。その奥にも人の気配がある。俺はこん棒を握り直した。城主がいるなら、周囲には護衛もいるはずだ。ここで騒ぎを起こせば、城内の兵が集まってくる可能性も高い。だが、城主を捕らえるには、ここを突破するしかない。
「藤吉郎、準備はいいか?」
「ああ。ここまで来たんだ。今さら引き返すつもりはない」
藤吉郎は刀の柄に手をかけた。
「よし。俺が先に仕掛ける。みんなは続いてくれ」
俺は一度だけ深呼吸し、入口へ向かって走り出した。
「何者だ!」
門番が声を上げる。俺は答えず、一気に間合いを詰めた。
「侵入者だ! 敵襲!」
門番の一人が槍を構える。穂先が俺の胸元へ突き出された。俺は身体を横にずらし、槍をかわした。そのまま柄をつかみ、相手の体勢を崩す。
「うおっ!」
男が前のめりになったところへ、こん棒を肩口に叩き込んだ。男が悲鳴を上げて倒れる。もう一人の門番が刀を抜き、俺に斬りかかってきた。
「死ね!」
刃が迫る。俺は半歩下がって斬撃をかわし、振り下ろされた腕をこん棒で打った。刀が床に落ちる。すかさず相手の腹を蹴り、入口の脇へ押し倒した。
「今だ! 中へ入るぞ!」
俺が叫ぶと、五兵衛たちが駆け寄ってきた。
「正男、やるのう」
藤吉郎が感心したように声を上げた。
「避けるのは得意なんだ」
「ははっ、頼もしいことだ!」
藤吉郎は後ろに続く奇襲部隊を振り返り、声を張り上げた。
「皆の者、突撃じゃ!」
「おおおっ!」
兵士たちは雄叫びを上げ、藤吉郎の後に続いて突き進んだ。しかし、入口をくぐろうとした瞬間、建物の中から怒声が響いた。
「敵だ! 侵入者を討ち取れ!」
廊下の奥から、武装した兵が次々と飛び出してきた。その数、六人。先頭の兵が刀を抜き、俺に向かって突進する。俺はこん棒を構えた。
ガキンッ!
刀とこん棒がぶつかり、激しい音が響いた。敵は力任せに押し込んでくる。俺は真正面から押し合うのを避け、刃を斜めに受け流した。相手の身体が前に流れる。そこへ一歩踏み込み、こん棒を脇腹に叩き込んだ。
「ぐっ!」
兵がうずくまる。だが、左右から別の二人が迫ってきた。一人が刀を振り下ろし、もう一人が槍を突き出してくる。俺は刀をこん棒で受け止め、その勢いを利用して身体を沈めた。槍の穂先が頭上を通過する。俺は槍の柄を押し上げ、刀を持つ兵の足元へ踏み込んだ。
「そこだ!」
こん棒を横に振るう。兵の膝に一撃が入り、男が崩れ落ちた。そのまま槍の柄をつかみ、敵の身体を引き寄せる。俺は肩で相手にぶつかり、壁へ押しつけた。
「ぐあっ!」
兵が槍を手放す。俺は奪った槍を持ち、新たな敵に狙いを定めた。
「くらえー!」
投げた槍は誰もいない方向へ飛んでいき、床に転がった。
「うん。やっぱり俺の武器はこん棒だ」
俺は握ったこん棒を眺めていた。
「正男様、右!」
五兵衛の声が響いた。振り向くと、刀を持った兵が背後から迫っていた。俺が身をかわすより早く、五兵衛が敵の前に飛び込む。
「水輪流――旋流返し!」
五兵衛は敵の刀を受け流し、流れるように身体を回転させた。刃の勢いを利用して相手の体勢を崩し、空いた胴へ一撃を叩き込む。敵兵は体勢を立て直す間もなく、地面に崩れ落ちた。
「助かった、五兵衛!」
「何を遊んでいるんですか! 油断しないでください!」
五兵衛が叫んだ直後、廊下の奥からさらに兵が現れた。狭い廊下を埋め尽くすように、刀や槍を持った男たちが押し寄せてくる。
「くそっ、もう見つかったか!」
藤吉郎が刀を構えた。藤吉郎は敵の懐へ踏み込み、振り下ろされた刀を受け止めた。そのまま相手の腕を押し返し、刀の柄で敵の顔面を打つ。兵がひるんだところへ、藤吉郎の蹴りが飛んだ。相手が倒れる。だが、すぐに別の兵が横から斬りかかった。藤吉郎は身をひねって刃をかわし、相手の腕をつかんで引き寄せる。そして、足を払って床へ叩きつけた。
「よし、次だ!」
藤吉郎が声を上げた。正男が藤吉郎の戦いぶりを見て感心した。
「藤吉郎、やるじゃないか」
「わしも負けとれんからな」
だが、敵も簡単には引き下がらない。
「数で押せ! 侵入者を奥へ通すな!」
兵の一人が叫んだ。前方から槍を持った兵が前へ出てくる。先頭の兵が槍を突き出し、俺たちの進路を塞いだ。狭い廊下では、横へ逃げる場所も限られている。
「正男、下がって!」
なつきの声が響いた。俺が後ろへ飛び退くと、なつきが金槌を両手で振り上げた。
「どけっ!」
ゴンッ!
金槌が槍の柄を叩き、槍が大きくしなった。槍を構えていた兵が驚いて手元を乱す。なつきはすぐさま踏み込み、金槌を横薙ぎに振るった。
ドオオオン!
兵の胴に重い一撃が入り、男が壁際へ吹き飛んだ。
「かかってきな!」
なつきは金槌を構え直した。その後ろで、くろが大きく首を振った。別の兵が、くろに向かって刀を振り下ろす。
ガンッ!
しかし、刃はくろの頑丈な装甲に弾かれた。
「な、何だと!?」
兵が目を見開く。くろはその隙を逃さず、頭を低くして突進した。
「うわああっ!」
兵が廊下の端まで弾き飛ばされ、壁にぶつかった。さらに、くろは身体を横に向け、迫ってきた別の兵を巨体で押し返す。狭い廊下に敵兵の怒号が響いた。
「獣を止めろ!」
「近づくな! あの牛、刀が通じんぞ!」
敵がひるんだ瞬間、なつきが前へ飛び出した。
「くろ、いいぞ!」
金槌が唸りを上げる。向かってきた兵の刀をかわし、柄を打ち据えて武器を弾き飛ばす。続く一撃で相手の腹を打ち、壁まで吹き飛ばした。
そのとき、建物の奥から、ひときわ大きな足音が響いた。
ドドドドッ!
新たな兵たちが駆けつけてくる。今度は十人近い。先頭の男は大きな盾を持ち、その後ろには槍兵が並んでいた。
「隊列を組め! 押し返せ!」
盾を持った男が叫ぶ。兵たちが横一列に並び、盾を構えた。後ろから槍が突き出される。正面から突破するのは難しい。
「正男様、あの隊列を崩さなければ進めません!」
五兵衛が叫んだ。
「ああ。だが、盾の正面からぶつかるのは危険だ」
俺は廊下の壁と敵の隊列を見比べた。敵は盾で正面を固めている。しかし、狭い場所では隊列を横へ動かすのも難しいはずだ。
「藤吉郎! 右側から回り込めるか!」
「おうさ!」
藤吉郎が壁際へ走った。盾兵がすぐに反応し、槍を横へ向ける。
「逃がすな!」
槍が藤吉郎の進路を塞いだ。藤吉郎は足を止め、突き出された槍を刀で払いのける。だが、その間に別の兵が斬りかかった。
「ちっ!」
藤吉郎は後ろへ飛び退いた。このままでは、側面へ回り込むこともできない。
「なら、正面から崩すしかない!」
俺はこん棒を握り直した。
「五兵衛、盾の動きを乱してくれ!」
「分かりました!」
五兵衛が前へ出た。敵の槍が一斉に突き出される。五兵衛は左右へ身体を揺らし、穂先を紙一重でかわした。一本の槍を刀で受け流し、別の槍の柄を踏みつける。その動きに合わせ、敵の隊列がわずかに乱れた。
「今だ!」
俺は一気に踏み込んだ。盾を持つ男が、俺に向かって盾を突き出してくる。俺は真正面から受け止めず、身体を横へずらした。盾の端へこん棒を叩きつける。
ガンッ!
男の腕が揺れた。俺は間髪入れず、こん棒を下から振り上げた。盾の下端が跳ね上がり、男の体勢が崩れる。
「ぐっ!」
そこへ、藤吉郎が横から飛び込んだ。
「もらった!」
藤吉郎は盾兵の腕を刀の柄で打ち、盾を取り落とさせた。盾が床に落ちる。隊列の正面に、大きな隙間ができた。
「押し通る!」
俺たちは一斉に前へ出た。俺はこん棒で敵の武器を弾き、五兵衛は流れるような動きで敵の攻撃を受け流す。藤吉郎は刀で相手の刃を受け止め、なつきは金槌を振るって行く手を塞ぐ兵を押し退けた。くろが巨体で盾兵を押し込み、熊蔵が迫る敵を薙ぎ払う。隊列が崩れた敵兵たちは、互いにぶつかりながら後退した。
「退くな! ここを突破させるな!」
指揮官らしき男が怒鳴る。だが、もう遅い。俺たちは崩れた隊列を突破し、廊下の奥へと走り抜けた。
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【鈴木 正男】
年齢:18歳
身分:織田家家臣
石高:50石
統率:74
武勇:34→36
知略:85
政治:87
【兵科適性】
足軽:C
騎馬:D
弓:C
鉄砲:A
水軍:D
【スキル】
危険予知:Lv.5
危険回避:Lv.2
5S:Lv.5
改善思考:Lv.5
標準化:Lv.5
品質管理:Lv.5
工程改善:Lv.5
生産性向上:Lv.5
安全意識:Lv.5
戦術思考:Lv.2
立身出世
【経験】
危険回避:40
戦術思考:0
【実績】
現場改善:7回達成
【現在の改善対象】
なし
【改善状況】
なし
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