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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
織田家仕官編

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戦の準備【後編】

残る仕事は、熊蔵の鎧を作ることだ。


くろの鎧は完成したが、熊蔵の体格はくろとは大きく違う。くろは牛なので突進力を生かす装備が向いている。一方、熊蔵は太い前脚と鋭い爪を持ち、立ち上がって前脚を振り下ろすこともある。その動きを妨げず、敵の攻撃から体を守れる鎧にしなければならない。


「正男、熊蔵の鎧はどんな感じになるんだ?」


なつきが期待に満ちた目で尋ねてきた。


「まずは体を守ることを優先する。特に胸や肩、それから首の周りだな」


「なるほど! 熊蔵は力が強いから、敵に突っ込んでいけそうだな!」


「そうだな。ただし、鎧が重すぎると動きにくくなる。そこは気をつけないといけない」


俺は紙を広げ、熊蔵の寸法を記録した紙と見比べた。


「五兵衛、熊蔵が前脚を上げたとき、どのあたりが大きく動くか見てくれないか?」


「分かりました。僕が確認してみます」


五兵衛は熊蔵の前に立ち、少し離れた場所から様子を観察した。


「熊蔵、ちょっと前脚を上げてみてくれ」


当然、熊蔵に言葉が通じたわけではない。しかし、なつきが手を上げると、熊蔵は興味を持ったように立ち上がり、前脚を持ち上げた。


「おおっ! すごいぞ、熊蔵!」


なつきが声を上げる。熊蔵は嬉しそうにしている。


五兵衛は、その動きを注意深く見ていた。


「正男様、肩の周りはかなり動きますね。ここを硬い装甲で覆ってしまうと、前脚を振り上げにくくなりそうです」


「やっぱりそうか。肩は装甲を分割して、動きを妨げないようにしよう」


「首の周りも同じですね。頭を動かせる余裕が必要だと思います」


「よし。それなら、胸と背中を中心に守り、肩や首は動きやすさを優先しよう」


俺は設計図に修正を加えた。


「それと、熊蔵の前脚にも装甲をつけよう。敵を攻撃するとき、前脚を傷つけられるのは避けたい」


「前脚にも、ですか?」


「ああ。熊蔵は前脚で敵を攻撃できる。なら、攻撃するときに前脚を守るだけじゃなく、装甲そのものを攻撃に利用できるようにしたい」


俺は前脚の形状に合わせて、装甲の設計を描き加えた。


「ただし、爪や関節の動きを妨げないようにする。硬い装甲で覆いすぎると、攻撃の動きが鈍くなるからな」


五兵衛は設計図をのぞき込んだ。


「なるほど。前脚を守りながら、打撃の威力も高めるわけですね」


「そういうことだ。熊蔵の力を生かせる形にしよう」


俺は胸、背中、肩、首、そして前脚の装甲配置を確認した。


「これなら、熊蔵の動きを妨げずに体を守り、前脚で攻撃するときにも役立つはずだ」


俺は設計図を確認し、改善システムを起動した。視界に、見慣れた画面が浮かび上がる。


【改善対象を確認しました】


━━━━━━━━━━━━━━━━


【改善対象:熊蔵の鎧】


問題点:


・胸部や背中が敵の攻撃にさらされる\

・肩や前脚の付け根を硬い装甲で覆うと、動きが制限される\

・首の周りを覆いすぎると、頭を動かしにくくなる\

・前脚が敵の攻撃にさらされ、攻撃時に負傷する危険がある\

・前脚の装甲が重すぎたり、関節を覆いすぎたりすると、攻撃の動きが鈍くなる\

・装甲を重くしすぎると、素早い動きが難しくなる


改善難易度:高


改善による効果:


・胸部や背中に装甲を取り付け、防御力を高める\

・肩や前脚の付け根の動きを妨げない構造にする\

・首の可動範囲を確保し、頭を動かしやすくする\

・前脚に攻撃用の装甲を取り付け、敵を攻撃する際の威力を高める\

・爪や関節の動きを妨げず、前脚の攻撃性能を維持する\

・装甲の重量を抑え、熊蔵の動きやすさを維持する


━━━━━━━━━━━━━━━━


「よし、これでいこう」


俺は必要な材料を揃え、作業を始めた。


まず、熊蔵の体格に合わせて鉄板を加工する。胸部の装甲は体の形に沿うように整え、背中の装甲は動いたときにずれないよう、取り付け位置を慎重に決めた。


肩の部分は一枚の大きな鉄板で覆うのではなく、複数の装甲に分けた。そうすれば、前脚を動かしたときにも装甲同士がぶつかりにくい。首の周りにも、頭の動きを邪魔しない形で保護具を取り付ける。


さらに、前脚を攻撃に使うことを考え、前脚の形状に合わせた装甲も作ることにした。前脚の甲側を守れるように鉄板を加工し、打撃を加えた際にも装甲がずれないよう、革の帯で固定できる構造にする。


ただし、関節や爪の動きを妨げては意味がない。俺は熊蔵の前脚の動きを確かめながら、装甲の形状を少しずつ調整した。最後に、各装甲の内側へ布と革を当てる。これで、硬い金属が直接体に当たるのを防げるはずだ。


「よし、これで一通り取り付けられたな」


俺は熊蔵から少し離れ、全体の仕上がりを確認した。


熊蔵は最初こそ不思議そうに体を揺らしていたが、やがて落ち着いた。


「熊蔵、ちょっと歩いてみてくれ」


熊蔵はゆっくりと歩き始めた。装甲が大きくずれることはない。続いて前脚を持ち上げてもらうと、熊蔵は立ち上がり、前脚を振り上げた。装甲が肩の動きを妨げる様子はない。


「よし。次は首だな」


熊蔵は顔を左右に動かし、地面の匂いを嗅いだ。首の保護具も、頭の動きを大きく制限してはいないようだ。


「正男、熊蔵、ちゃんと動けてる!」


なつきが嬉しそうに声を上げた。


そのとき、熊蔵がふと前脚を見下ろした。いつもと違う装甲が取り付けられているのが気になるのか、首を傾げながら前脚をじっと眺めている。


「どうした、熊蔵?」


俺が声をかけると、熊蔵は顔を上げ、前脚をゆっくりと持ち上げた。そして――。


ブンッ!


前脚を一度、大きく振った。装甲が風を切る。


熊蔵は振り終えた前脚を見つめ、今度は反対側の前脚も持ち上げてみた。


ブンッ!


もう一度、力強く振る。どうやら、前脚の装甲が気に入ったらしい。


熊蔵は左右の前脚を交互に持ち上げ、何度もブンブンと振り始めた。


「お、おい、熊蔵。そんなに振らなくてもいいぞ!」


俺が慌てて声をかけても、熊蔵は楽しそうに前脚を振り続ける。


ブンッ! ブンッ! ブンッ!


「正男、熊蔵、これが気に入ったんだよ!」


なつきは声を弾ませ、熊蔵の様子を見守っていた。


熊蔵は最後に両方の前脚を持ち上げ、満足そうに何度も振った。


「……どうやら、攻撃用の装甲は気に入ってくれたみたいだな」


俺は苦笑しながら、装甲の固定部分をもう一度確認した。これだけ振り回しても、装甲がずれたり外れたりする様子はない。


「よし。動きにも問題はなさそうだ」


熊蔵は、まだ前脚を見つめていた。その姿を見て、俺は思わず笑みを浮かべた。


【改善が完了しました】


【熊蔵の鎧の改善に成功しました】


【改善効果を確認】


【攻撃力:向上】


【防御力:向上】


【前脚の可動性:維持】


【首の可動性:維持】


【機動力:維持】


「おおっ! 熊蔵、格好いいぞ!」


なつきは熊蔵の周りを歩きながら、いろいろな角度から眺めた。熊蔵も、なつきの声に反応して大きな頭を動かした。


「これなら戦場でも、敵の攻撃から身を守れそうだな!」


「ただし、無理に敵へ突っ込ませるのは駄目だぞ。鎧があっても、傷を負う可能性はあるからな」


「分かってるって。熊蔵だって、痛いのは嫌だもんな」


なつきは熊蔵の頭を優しく撫でた。熊蔵は目を細め、気持ちよさそうに鼻を鳴らした。


その様子を見て、俺はようやく一息ついた。これで、俺たちの出陣に向けた装備の準備は一通り終わった。


俺自身のこん棒。なつきと五兵衛の具足。そして、くろと熊蔵の鎧。


もちろん、装備を整えただけで戦に勝てるわけではない。大切なのは、装備を使いこなし、仲間と連携することだ。


今回の作戦では、敵の城へ正面から攻め込む部隊と、別の道から奇襲を仕掛ける部隊が動くことになっている。俺は、その奇襲部隊の案内役を任されていた。


失敗は許されない。敵に動きを察知されれば、奇襲の効果は失われる。仲間を危険にさらすことにもなる。だからこそ、今できる準備はすべて整えておきたかった。


「正男、これで準備は終わりか?」


なつきが、熊蔵の鎧を眺めながら尋ねてきた。


「ああ。俺たちにできる準備は、ひとまず終わった」


「いよいよ戦だな!」


なつきの声には、緊張と期待が入り混じっていた。


「浮かれるなよ。戦場では、何が起こるか分からないからな」


「分かってるって。正男の言うことは、ちゃんと聞くよ」


「その言葉、忘れるなよ」


俺がそう言うと、五兵衛が苦笑した。


「なつき、正男様の言葉を忘れないようにね」


「五兵衛まで!」


なつきが頬を膨らませる。そのやり取りに、俺は思わず笑った。


だが、笑っていられるのも今のうちだ。明日には、俺たちは戦場へ向かう。織田軍が動き出せば、もう後戻りはできない。


俺は自分のこん棒を手に取り、鉄輪がしっかり固定されていることを確かめた。


どれほど準備を重ねても、戦場では想定外のことが起こるだろう。それでも、俺には守りたい仲間がいる。なつきも、五兵衛も、くろも、熊蔵も。そして、俺を家臣として迎えてくれた織田家のためにも、ここで失敗するわけにはいかない。


「よし……行こう」


俺は顔を上げた。


翌朝、織田軍は出陣する。目指すは、山中に築かれた敵の隠し城。俺たちの初めての本格的な戦が、いよいよ始まろうとしていた。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【鈴木 正男】


年齢:18歳

身分:織田家家臣

石高:50石


統率:74

武勇:34

知略:85

政治:87


【兵科適性】


足軽:C

騎馬:D

弓:C

鉄砲:A

水軍:D


【スキル】


危険予知:Lv.5

危険回避:Lv.2

5S:Lv.5

改善思考:Lv.5

標準化:Lv.5

品質管理:Lv.5

工程改善:Lv.5

生産性向上:Lv.5

安全意識:Lv.5

戦術思考:Lv.2

立身出世


【経験】


危険回避:20

戦術思考:0


【実績】


現場改善:7回達成


【現在の改善対象】


熊蔵の鎧


【改善状況】


完了


━━━━━━━━━━━━━━━━

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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皆さんからの応援が、執筆の大きな励みになります。


明日の朝6時も更新予定です。

これからもよろしくお願いいたします。

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