危険回避レベルアップ
「ここを突破する!」
俺は棒を握り直した。
「全員、俺についてこい!」
俺たちは一斉に走り出した。前方には敵、後方にも敵。左右は木々と斜面で、逃げ道はない。だからこそ、正面突破するしかなかった。
「来ます!」
五兵衛が叫ぶ。前から三人の男が駆けてきた。刀が抜かれ、木漏れ日を反射する。
「うおおおっ!」
一人が俺に向かって斬りかかってきた。俺は横へ飛ぶ。
ヒュッ!
刀が目の前を通り過ぎた。
「危なっ!」
そのまま体を低くすると、背後から別の男が斬り込んできた。俺は振り返る。間に合わない。そう思った瞬間、俺の体が勝手に動いた。頭を下げると、刀が髪をかすめて通り過ぎた。
「くっ!」
俺はそのまま男の懐へ飛び込み、棒を横薙ぎに振る。
ドンッ!
男の脇腹に棒が入った。
「ぐあっ!」
男がよろめく。俺はすぐに前へ走った。
「正男様!」
五兵衛の声が響く。俺の右側から別の男が迫っていた。刀が振り下ろされ、俺は反射的に一歩下がる。
ザシュッ!
刀が地面を叩き、土が跳ねた。
「まだだ!」
男が刀を返してくる。俺は棒で受けようとした。だが、刀の軌道が読めた。体をひねると、刀が胸元を通り過ぎる。そのまま棒を突き出した。
「おおっ?」
ドンッ!
男が後ろへ倒れた。
その瞬間、頭の中に聞き慣れた声が響いた。
【危険回避の経験値が一定値に達しました】
俺の足が止まる。
【危険回避:Lv.1】
【経験値:100】
【レベルアップ条件を達成しました】
【危険回避がLv.2に上昇しました】
一瞬、周囲の音が遠くなった。
「正……!」
何か聞こえた気がした。
「正男様!」
五兵衛の叫びが、今度ははっきりと聞こえた。俺はその声で我に返る。
「今度は僕だ!」
五兵衛が俺の前へ飛び出した。
「水輪流――渦潮」
五兵衛の刀が大きな円を描き、迫っていた敵の刀を巻き込むように弾き飛ばした。
キンッ!
敵の刀が宙を舞う。
「なっ!」
五兵衛はそのまま体を回転させた。
「そこだ!」
ドンッ!
柄が男の胸元に叩き込まれ、男が地面を転がった。
「まだ後ろから来てます!」
五兵衛が叫ぶ。
「分かった!」
振り返ると、後ろから五人ほどの男が迫っていた。そのさらに後ろにも人影が続いている。
「数が多すぎるだろ!」
思わず声が出た。
そのとき、なつきの怒声が響いた。
「邪魔だあああっ!」
ドンッ!
巨大な金槌が地面を叩き、土が大きく跳ね上がる。敵が思わず足を止めた。
「どけ! どけぇっ!」
なつきが金槌を振り回しながら走る。
「なつき!」
「任せて!」
ブンッ!
横薙ぎに振られた金槌が、敵の刀をまとめて弾き飛ばした。
ガキンッ! ガキンッ! ガンッ!
三人の男が体勢を崩す。
「うおおおおっ!」
なつきはそのまま金槌を振り抜いた。
ドゴンッ!
一人の男が吹き飛び、地面を転がって木の根元で止まった。
「次は、どいつだ!」
なつきが叫ぶ。別の男が斬りかかってきたが、なつきは逃げなかった。金槌を両手で握り、真正面から受け止める。
ガキィン!
刀と金槌がぶつかった。
「そんな細い刀で、このあたしを止められると思ってんの?」
なつきが笑う。
「なっ……!」
なつきが金槌を押し込む。男の腕が震えた。
「どりゃあああっ!」
ブンッ!
金槌が振り抜かれ、男の体が宙へ浮いた。そのまま数メートル先へ飛んでいく。
「……すごっ」
五兵衛が思わず呟いた。
「感心してる場合じゃないぞ!」
俺が叫ぶ。
「まだ来るぞ!」
「はい!」
なつきは金槌を肩に担いだ。
その横で、くろが大きく前へ出た。
「モォォォォッ!」
巨大な黒い体が敵の前に立ちはだかる。敵が足を止めた。
「牛なのか……?」
「ただの牛じゃないぞ!」
なつきが叫ぶ。
「行け、くろ!」
「モォォォッ!」
くろが鳴き、頭を低くした。
ドドドドッ!
くろが突進する。
「うわあああっ!」
ドンッ!
敵が吹き飛んだ。さらに別の男がくろへ斬りかかる。だが、刀はくろの毛皮に弾かれた。
くろが頭を低くする。
グッ!
巨大な角が男の胴に食い込んだ。
「ぐあっ!」
くろがそのまま頭を跳ね上げると、男の体が宙に浮いた。
「うわああああっ!」
男は数メートル先へ投げ飛ばされ、地面を転がっていった。
その後ろでは、熊も敵に向かって唸っていた。熊が前足を振り上げる。
「うおっ!」
敵が慌てて後ろへ下がる。その隙に五兵衛が踏み込んだ。
シュッ!
刀が一閃する。敵の刀を弾き、さらに足を払った。
ドサッ!
五兵衛が叫ぶ。
「正男様、前!」
俺は前を向いた。まだ道を塞いでいる敵がいる。だが、さっきより少なくなっていた。
「ここを抜ける!」
俺は棒を握り直した。敵が一斉に襲いかかってくる。一人、二人、三人。右から刀、左から槍、正面から刀が迫る。
危ない。
そう思った瞬間、頭の中にさっきとは違う感覚が走った。刀の動きが見える。槍の先端が迫ってくる。
俺は一歩下がった。槍が目の前を通り過ぎる。次に刀が迫る。体をひねってかわし、さらにもう一人の攻撃を棒で受けた。
ガンッ!
刀を弾く。
「今だ!」
踏み込んで棒を突き出す。
ドンッ!
敵が倒れた。
「道が開いた!」
俺は叫んだ。
「走れ!」
俺たちは一気に駆け出した。なつきが先頭を走る。
「どけええええっ!」
金槌を振り回しながら進んでいく。
「なつき、前に出すぎ!」
「大丈夫!」
「いや、大丈夫じゃないだろ!」
「大丈夫だって!」
なつきの右をくろが走り、左を熊が走る。五兵衛が後ろを確認した。
「追って来ます!」
「振り切るぞ!」
「はい!」
五兵衛が答えた。
「正男!」
なつきが振り返る。
「まだ追って来てる!」
「分かってる!」
俺たちはさらに道を駆け抜けた。やがて、木々の向こうに町の屋根が見えた。
「見えた!」
五兵衛が叫ぶ。
俺は棒を握ったまま、前を見据えた。信長の那古野城までは、まだ距離がある。だが、ここまで来れば、あと少しだ。
「走れ!」
俺たちは一気に道を走った。なつきが金槌を担ぎ、くろと熊が並走する。俺も後ろを一度だけ振り返った。
追手の姿が見える。まだ終わっていない。だが、もう逃げるだけではない。俺たちは戦いながら、ここまで来た。
そして今度こそ、信長の那古野城へたどり着く。そこで、見たものをすべて報告する。
「行くぞ!」
俺は仲間たちに声をかけた。
「那古野城まで、一気に走る!」
「おう!」
なつきが叫び、金槌を握る手に力を込める。その表情は、まだまだ戦えると言わんばかりだった。
俺たちは町へ向かって走り続けた。
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【鈴木 正男】
年齢:18歳
身分:織田家家臣
石高:50石
統率:74
武勇:32→34
知略:84
政治:87
【兵科適性】
足軽:C
騎馬:D
弓:C
鉄砲:A
水軍:D
【スキル】
危険予知:Lv.5
危険回避:Lv.1→2
5S:Lv.5
改善思考:Lv.5
標準化:Lv.5
品質管理:Lv.5
工程改善:Lv.5
生産性向上:Lv.5
安全意識:Lv.5
戦術思考:Lv.1
立身出世
【経験】
危険回避:20
戦術思考:90
【実績】
現場改善:4回達成
【現在の改善対象】
戦用の荷車
【改善状況】
未着手
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