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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
織田家仕官編

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20/25

隠された巨大施設【後編】

俺たちは倉庫の奥へ進んだ。


武器が並ぶ棚、木箱、鉄材。


そして、壁際に積まれた大量の袋。


その奥に――。


「扉……」


俺は耳を当てた。


何も聞こえない。


ゆっくりと扉を開ける。


ギィィ……。


部屋の奥には、大きな鉄格子があった。


「檻?」


五兵衛が目を細める。


中に何かいる。


かなり大きい黒い影が動いた。


ズシン。


「……!」


俺たちは一斉に身構えた。


檻の中から現れたのは――。


巨大な熊だった。


「熊……?」


俺は息を呑んだ。


普通の熊ではない。


体が異様に大きい。


立ち上がれば、人間の倍近くありそうだ。


口には革製の猿ぐつわをされ、前脚は鎖で繋がれている。


体にはいくつもの傷がある。


「ひどい……」


なつきが呟いた。


熊がこちらを見る。


「グルルル……」


低い唸り声が部屋に響く。


「なつき、下がれ」


俺が言う。


しかし、なつきは動かなかった。


「待って」


「どうした?」


「この熊……」


そして、ゆっくりと近づいた。


「なつき!」


五兵衛が慌てる。


「大丈夫」


なつきは首を横に振った。


「この子、怖がってる」


「怖がってる?」


「うん」


なつきは檻の前にしゃがみ込んだ。


熊は唸りながら、なつきを見つめている。


「大丈夫だよ」


なつきが優しく声をかける。


「私たちは敵じゃないよ」


熊が鼻を鳴らす。


「フン……グルル」


「『痛い』って言ってる」


「……」


俺は言葉を失った。


「それから……」


なつきが熊の傷を見る。


「『ここから出たい』って」


なつきは熊に話しかける。


「どうして、ここにいるの?」


熊が鼻を鳴らした。


「グル……グルル」


「うん。罠にかかって、そのあと連れてこられたみたい」


熊が奥を見る。


なつきも、その視線を追う。


そこには大きな木箱があった。


俺が近づく。


箱には、何かの札が貼られている。


「これは……」


中には鉄製の器具が入っていた。


「何に使うんだ?」


なつきが熊を見る。


「熊に何かをさせるために使ってたみたい」


「何かを?」


「うん」


熊が低く唸る。


「この子の力を使って、大きな荷物を運ばせてたんだって」


なつきが拳を握った。


「運ばなかったら、叩かれたんだって」


俺は檻の中を見る。


巨大な体、太い脚。


これだけの力があれば、人間が何人も必要な荷物でも運べる。


「嫌がる熊を痛めつけて運ばせていたのか……」


扉の向こうから足音が聞こえた。


「誰か来ます!」


五兵衛が小声で叫ぶ。


俺たちはすぐに柱の陰へ隠れた。


「見回りか?」


五兵衛が刀に手をかける。


俺は奥を見る。


男が数人歩いてくる。


先頭にいるのは、四十代くらいの男だった。


「まだ大人しくしているか?」


男が熊を見る。


「ええ。痛めつける必要はありません」


「そうか」


男は熊を見ながら笑う。


「この山の獣は役に立つ」


「人間より力がありますからね」


「そうだ。武器も荷物も運べる」


なつきは歯を食いしばった。


男たちは檻の前を通り過ぎていく。


「それに、例の場所への搬入も順調だ」


「もうすぐ予定数が揃います」


「そうなれば――」


男は不気味に笑った。


俺は息を殺した。


やはり何かを企んでいる。


武器を集めているだけではない。


男たちが奥へ消えていく。


しばらくして、足音が聞こえなくなった。


「今の話……」


五兵衛が小声で言う。


「ああ」


俺は頷いた。


「武器を集めて何かを始めようとしている」


だが、その前に――。


俺は熊を見る。


なつきが檻の前に立っていた。


「この子も連れていく」


「え?」


五兵衛が驚く。


「でも、どうやって?」


俺は檻に近づく。


「正男様、危ないですよ」


「大丈夫だ。なつきがいる」


俺は檻の錠を見る。


かなり頑丈だ。


だが、なつきの金槌なら壊せそうだった。


「なつき。この檻、開けられるか?」


「うん」


なつきが檻の前に立つ。


そして檻の鉄格子に手をかける。


「ん? なつき、何してる?」


ガガガ。


そして、なつきが鉄格子を広げた。


「開いたよ」


「「ええええ」」


「いやいや、錠を壊してと言う意味で言ったんだが」


なつきが首を傾げる。


「うん、まあ、いいや」


俺は考えるのをやめた。


熊はすぐには動かなかった。


なつきが熊に話しかける。


「外に出ていいよ」


熊がなつきを見る。


「ここから出たら、もう捕まえない?」


なつきが俺を見る。


「ああ」


俺は熊に向かって言った。


「俺たちは、お前を道具として扱わない」


熊はじっと俺を見る。


しばらくすると――。


ズシン。


大きな体が檻の外へ出た。


「……大きい」


五兵衛が熊を見上げた。


熊は俺たちを見回した。


そして、なつきの隣で立ち止まる。


なつきが猿ぐつわと鎖を外してやる。


「この人たちは怖くないよ」


なつきが熊に言う。


なつきが正男達へ振り返る。


「ありがとうって言ってる」


俺は少しだけ笑った。


「そうか」


だが、その瞬間。


遠くから声が響いた。


「誰かいるぞ!」


「侵入者だ!」


「まずい!」


五兵衛が叫ぶ。


「見つかりました!」


俺は周囲を見る。


逃げ道は扉だけ。


だが、そこへ向かって敵が来ている。


「正男!」


なつきが熊を見る。


「この子は?」


俺は熊を見る。


熊も俺を見ている。


その瞬間――。


頭の中に、あの表示が浮かんだ。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【戦術思考】


周囲の状況から、戦術を立案します。


【敵】


・接近中の敵:複数

・敵は扉の向こうからこちらへ向かっている

・こちらより人数が多い可能性が高い

・敵は建物の構造を把握している


【味方】


・俺

・五兵衛

・なつき

・熊


【戦場】


・部屋には敵とこちらを遮るものが少ない

・外へ続く扉は一か所のみ

・敵が部屋へ到達すると、退路を塞がれる

・熊は敵より先に動くことができる


【分析結果】


・正面から戦闘すると不利。

・敵の進行を一時的に止める必要があります。

・熊の力を利用して敵の動きを乱すことで、退路を確保できます。


【戦術案】


①熊を敵の進行方向へ向かわせ、敵の足を止める。

②その隙に俺たちは外へ向かう。

③全員が外へ到達した後、熊を呼び戻す。


━━━━━━━━━━━━━━━━


「……これだ」


俺は熊を見る。


そして、なつきに言った。


「なつき」


「うん!」


「この子に、少しだけ時間を稼いでもらえるか?」


なつきは熊を見る。


熊も、なつきを見た。


「聞いてみる」


なつきが熊に話しかける。


「みんなを逃がすために、ちょっとだけ手伝ってくれる?」


熊は低く唸った。


「グォ……」


なつきが笑う。


「うん。分かったって」


俺は頷いた。


「よし。行くぞ!」


「グオォォ」


熊が大きな声で吠えた。


その咆哮は、空間全体を震わせた。


敵の足音が止まった。


「な、なんだ?」


「熊か!?」


なつきが、扉を開け熊が通路を駆けた。


ドドドドドッ!


「うわぁぁぁ!」


敵の叫び声が響く。


「今だ!」


俺たちは通路を走った。


そして、俺たちは裏口から外へ飛び出した。


「急ぐぞ!」


「うん!」


そこには、くろが待っていた。


そして、その後ろには――。


先ほどの熊が立っていた。


「熊も来たの?」


なつきが嬉しそうに駆け寄る。


熊が小さく鳴く。


「グゥ……」


「うん」


なつきが笑う。


「一緒に行きたいって」


熊が俺たちについてくる意思を示した。


その瞬間――。


【戦術の成功を確認しました】


まさか山奥で、熊まで仲間になるとはな。


だが――。


俺たちがこれから向かう場所には、もっと大きな何かが待っている。


そんな予感がしていた。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【鈴木 正男】


年齢:18歳

身分:織田家家臣

石高:50石


統率:74

武勇:30

知略:84

政治:87


【兵科適性】


足軽:C

騎馬:D

弓:C

鉄砲:A

水軍:D


【スキル】


危険予知:Lv.5

危険回避:Lv.1

5S:Lv.5

改善思考:Lv.5

標準化:Lv.5

品質管理:Lv.5

工程改善:Lv.5

生産性向上:Lv.5

安全意識:Lv.5

戦術思考:Lv.1

立身出世


【経験】


危険回避:60

戦術思考:90


【実績】


現場改善:4回達成


【現在の改善対象】


戦用の荷車


【改善状況】


未着手


━━━━━━━━━━━━━━━━




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