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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
織田家仕官編

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18/25

山奥の屋敷

山道を進むにつれて、木々が密集していく。


昼間だというのに、頭上を覆う枝葉のせいで薄暗い。


「正男」


先を歩いていたなつきが、立ち止まった。


「どうした?」


「あそこ」


なつきが指差す。


木々の隙間に、何かが見える。


「屋根……?」


俺は目を凝らした。


確かに屋根だった。


古びた瓦屋根が、木々の向こうに見えている。


「見つけたな」


五兵衛が刀に手を添える。


「気をつけましょう」


「ああ」


俺たちは足音を立てないように、ゆっくりと近づいた。


くろも、いつものように大きな体を揺らしながらついてくる。


すると、森の中から小さな鳥が飛んできた。


「ピィ、ピィ」


鳥は近くの枝に止まる。


なつきが鳥を見る。


なつきが耳を澄ませるように目を閉じた。


「ありがと」


「この先に人がいるって」


「何人くらいだ?」


「……十人くらい」


俺は五兵衛を見る。


「となると、あの屋敷が野盗たちの本当の拠点なのかもしれません」


俺は周囲を見渡した。


屋敷へ続く道には、いくつもの足跡が残っている。


だが、不自然だった。


「……妙だな」


「何がです?」


「ここまで来る道が、きれいすぎる」


「確かに」


俺は地面を見ると、足跡がある。


だが、道の両側にある草木がほとんど荒れていない。


まるで、決められた道だけを使っているようだった。


「正男」


なつきが小声で呼ぶ。


「どうした?」


「くろが変な匂いがするって言ってる」


俺はくろを見ると、くろは屋敷の方向をじっと見つめていた。


「変な匂い?」


「うん」


くろが、


「モォ……」


と低く鳴いた。


その直後だった。


屋敷の方から、金属音が聞こえた。


カン! カン! カン!


「……鍛冶?」


俺は耳を澄ませる。


間違いない。


金属を叩く音だ。


「こんな山奥で?」


五兵衛も驚いている。


「野盗が武器を作っているのでしょうか?」


「可能性はある」


俺たちは身を低くした。


そして、屋敷の裏手へ回る。


そこには、小さな建物があった。


煙突から煙が出ている。


「鍛冶場だ。変な匂いとは、このことか」


俺は思わず呟いた。


野盗たちの拠点、大量の物資、そして、鍛冶場。


点と点がつながっていく。


「正男」


なつきが俺の袖を引っ張った。


「あそこ」


「ん?」


指差した先に、木箱が積まれている。


その一つが開いていた。


中には鉄の棒や金属製の部品が入っている。


さらに奥には、完成した刀や槍まで並んでいた。


「……武器を作ってる」


五兵衛の表情が険しくなる。


「これだけの武器を、いったい何のために?」


俺は答えられなかった。


そのとき。


屋敷の中から声が聞こえた。


「おい、まだ終わらねえのか!」


「もう少しだ!」


「急げ! 次の荷が来る前に仕上げろ!」


俺たちは顔を見合わせた。


「次の荷?」


俺は小さく呟く。


すると、くろが突然、耳を立てた。


なつきがくろを見る。


「……誰か来るって」


「どこから?」


なつきが周囲を見る。


「山の下から」


遠くから、複数の足音が聞こえてくる。


ザッザッザッ。


誰かが山道を登ってきている。


「隠れるぞ」


俺たちは近くの木陰へ身を隠した。


しばらくすると、十人ほどの男たちが姿を現した。


男たちは荷物を背負っている。


「荷物を運んできたぞ!」


「ご苦労!」


屋敷の中から男が出てくる。


荷物を受け取ると、すぐに中へ運び込んでいく。


俺はその様子を見ながら考えた。


「やっぱり……」


砦にあった大量の食料や武器。


それを運んでいる連中がいる。


そして、この屋敷で武器まで作っている。


「正男様」


五兵衛が小声で言う。


「どうします?」


俺は屋敷を見る。


正面から入れば、すぐに気づかれる。


だが、裏手には鍛冶場がある。


さらに、屋敷の周囲にはいくつかの建物がある。


「武器を作っている理由を調べる」


なつきが頷いた。


「動物たちに聞いてみようか?」


「そうだな。頼む」


なつきは、くろの首を撫でながら言った。


「くろ、お願い」


「モォォォォォ!」


森全体に響き渡るような、大きな鳴き声を上げた。


「くろ、声が大きい!」


なつきが慌ててくろの口元を押さえる。


正男たちは、慌てて周囲を確認する。


特に屋敷に変化はない。


ふぅ~。


「大丈夫そうですね」


「ああ、助かった」


くろは申し訳なさそうにしている。


「便利な能力だけど、使う場所は考えないとな」


俺がそう言ったときだった。


森の奥から、枝を踏む音が聞こえた。


パキッ。


「来たか?」


俺は身構えた。


だが、木々の間から現れたのは人間ではなかった。


一頭の鹿だった。


鹿は俺たちを見ると、警戒するように立ち止まった。


そして、くろを見る。


「……モォ」


くろが小さく鳴く。


すると、鹿はゆっくりと近づいてきた。


「鹿が来た……」


なつきが嬉しそうに呟く。


その直後、森の上から羽音が聞こえた。


バサバサッ。


鳥が一羽、二羽、三羽。


次々と木の枝に止まっていく。


「鳥まで……」


さらに、


ガサッ。


茂みが揺れた。


そこから小さな猿が顔を出した。


そして、その後ろからもう一匹。


さらに別の場所から、兎まで姿を現した。


あっという間に、俺たちの周囲に動物たちが集まってきた。


「すごい……」


俺は思わず呟いた。


くろが鳴いただけで、これだけの動物が集まってくる。


なつきは嬉しそうに動物たちを見回した。


「みんな、来てくれたんだね」


鹿が、


「キュッ」


と鳴く。


鳥も、


「ピィ、ピィ」


と鳴いた。


なつきは目を閉じた。


「……みんなに聞いてみる」


「頼む」


なつきが動物たちの声に耳を澄ませる。


俺はその間も、屋敷の方を警戒していた。


さっきのくろの鳴き声は、かなり大きかった。


敵に聞かれていてもおかしくない。


すると――


屋敷の方から、かすかに声が聞こえた。


「今、牛の鳴き声が聞こえなかったか?」


「……!」


五兵衛がすぐに振り返る。


俺たちは顔を見合わせた。


「やっぱり聞こえたか」


「はい」


なつきが不安そうにくろを見る。


「くろ……」


くろは黙って屋敷を見つめていた。


俺は息を吐く。


「動物を呼べるのは強い」


「だが、見つかるリスクがある。使うタイミングが重要だな」


俺はそう言って、屋敷の方へ視線を戻した。


「もっと奥にも人がいるって言ってる」


俺は山の奥を見る。


屋敷のさらに向こう。


そこには、木々に隠れるように細い道が続いていた。


「……まだ何かあるのか」


鹿が突然、森の奥へ走り出した。


鹿は少し進んでから、こちらを振り返る。


まるで、ついてこいと言っているようだった。


「正男」


なつきが俺を見る。


「あの鹿、何か見つけたみたい」


俺は五兵衛を見る。


五兵衛は静かに頷いた。


「行きましょう」


俺たちは鹿の後を追った。


屋敷から離れ、森の奥へ進む。


そして、しばらく歩いたところで。


俺たちは、巨大な木製の門を見つけた。


「……これは」


門の向こうには、さらに大きな建物がある。


そして門の前には――


大量の武器が積まれていた。


俺は息を呑んだ。


「ここは……何なんだ?」


五兵衛が刀を抜く。


なつきも金槌を握る。


くろが低く唸った。


「モォ……」


俺は門の奥を見つめる。


ここには、まだ俺たちの知らない何かがある。


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