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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
織田家仕官編

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山の奥に潜むもの

古い砦を制圧した俺たちは、しばらくその場から動かなかった。倒した野盗たちは五兵衛たちによって一か所に集められ、逃げられないように縄で縛られている。


「捕まっている人たちを見つけました」


「米もありましたし、武器もありました」


五兵衛が報告する。


「ということは、ここは野盗たちの拠点だったんだろうな」


「はい」


ただの山賊の隠れ家にしては、物資が多すぎる。


「……やっぱり変だ」


「何がですか?」


「この人数だ」


俺は縛られた野盗たちを見る。


「五十人近くいる」


「それが?」


「五十人分の食料を、ずっとこの山で用意するのは簡単じゃない」


五兵衛の表情が変わった。


「つまり……」


「誰かが、この砦に物資を運んでいた可能性がある」


「なるほど」


そのときだった。


「正男!」


なつきの声が聞こえた。振り返ると、なつきがくろに乗って戻ってくるところだった。


「どうした?」


「あたし、動物たちに聞いてみた」


なつきはくろから降りると、俺のところまで走ってきた。


「何人くらいいる?」


「わかんない」


なつきは首を横に振った。


「鹿も鳥も、正確な人数まではわからないみたい」


「そうか」


「でも、変なんだって」


「変?」


「野盗たちが、山の奥にある道を何度も通ってるみたい」


俺は眉をひそめた。


「道?」


「うん」


なつきが指差した。その方向には木々が密集している。一見すると、ただの森だ。だが、よく見ると草が踏み倒されている。人が何度も通った跡だ。


「……本当だ」


俺は地面にしゃがみ込んだ。足跡がある。何人もの人間が同じ方向へ向かっている。しかも、砦から山の奥へと続いていた。


「正男様」


五兵衛が低い声で言った。


「この先を調べますか?」


「……調べたい」


だが、すぐには動けなかった。情報が足りない。俺は山道を見つめた。


「野盗に聞いてみよう」


俺は縛られた野盗の前へ歩いていった。


「お前たちは、山の奥で何をしている?」


野盗は黙った。


「答えたほうがいいぞ」


五兵衛が静かに言う。野盗は五兵衛を見て、怯えたように目を逸らした。


「……知らねえ」


「本当に?」


俺が聞き返す。


「俺たちは、ただ命令されていただけだ」


「誰に?」


「知らない」


俺はため息をついた。


「モォ」


くろが鳴いた。すると、なつきがしゃがみ込んだ。


「ねえ」


「なんだ?」


「あの人、嘘ついてるよ」


「え?」


「くろがそう言ってる」


野盗の顔が引きつった。


「な、なんで牛が……」


野盗の顔が明らかに変わった。五兵衛が刀に手を添える。


「では、もう一度聞きましょう」


「ひっ……」


「山の奥には、何がある?」


しばらく沈黙が続いた。やがて野盗が、小さな声で答えた。


「……屋敷だ」


「屋敷?」


俺は顔を見合わせた。


「山の奥に、大きい屋敷がある」


「誰の屋敷だ?」


五兵衛が、なつきを見る。


「モォ」


「嘘だって言ってる」


なつきが答えた。野盗は震えながら叫んだ。


「なんなんだよ。おまえらは」


俺は野盗の顔を見ながら、もう一度聞いた。


「誰の屋敷だ?」


「誰かまでは本当に知らねえんだ。近づくことも許されてねえ」


野盗は怯えた様子で続けた。


「顔を隠したやつに、言うことを聞けば金も飯もくれるって言うから来ただけだ」


俺は立ち上がった。


「五兵衛」


「はい」


「まだ戦いは終わってない」


「そのようですね」


俺たちは砦を制圧した。だが、これは山に潜む野盗の一部にすぎなかった。そして、この砦に物資が集められていた理由もわかっていない。


俺は山の奥へ続く道を見た。


「行こう」


「正男様?」


「このまま放っておくわけにはいかない」


なつきが笑った。


「あたしも行く!」


「もちろん、くろも一緒だよな」


「モォ!」


俺は巨大な黒牛を見る。


「戦力としては、俺たちの中で一番頼りになるかもしれない」


「モォ」


くろが誇らしげに胸を張った。なつきが笑う。


「ほら、くろもやる気満々だよ」


「……頼むぞ、くろ」


「捕まっている人たちは、ここで解放しよう」


「分かりました」


捕まっていた人たちを解放し、野盗たちは逃げられないように拘束しておいた。準備を終えた俺たちは、山道へ向かって歩き始めた。


そのときだった。


森の奥から、再び鳥の鳴き声が聞こえた。なつきが立ち止まる。


「正男」


「どうした?」


「鳥が言ってる」


「何を?」


なつきは森の奥を見つめ、そして小さく呟いた。


「人間だけじゃないって」


「……え?」


「もっと大きな何かがいるって」


俺は山の奥を見つめた。


野盗だけではない。この山には、まだ何かがいる。


そして俺たちは、その正体を確かめるために歩き出した。

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