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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
織田家仕官編

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山の動物たちが教えてくれた砦【前編】

応援してくださっている皆様、いつもありがとうございます。

皆様のおかげで、歴史〔文芸〕ジャンルにおいて6位(2026年10月15日時点)になることができました。

本当に感謝しております。

これからも執筆を頑張ってまいりますので、変わらぬ応援をよろしくお願いいたします。

なつきが家臣になってから、屋敷への帰り道。


俺たちは、山道を歩いていた。


最後尾を歩くのは俺。


その少し前を五兵衛が歩いている。


そして、その先頭は――。


「なつき、もう少しゆっくり!」


「モォォ」


巨大な黒牛に乗ったなつきがいる。


「なつき、歩いている俺たちに合わせろ」


「正男って、細かいよね」


「お前が大雑把すぎるんだよ」


「そうかな?」


「そうです」


五兵衛まで頷いた。


「五兵衛まで!」


「そういえばさ、この辺だったよな」


「そうですね」


「何の話?」


なつきがペースを落としながら近づく。


「来るときに野盗にあったんだよ」


「あ! 親父も言ってた。最近、野盗がよく出るって」


五兵衛がくろを見上げて言った。


「まあ、今回は大丈夫でしょ」


正男もくろを見上げながら言った。


「そうだな」


「こんな大きい牛に乗ってるやつを襲おうとは思わんだろ」


「僕が野盗なら絶対逃げますよ」


くろが笑っているようだった。


「モォォ」


そんな会話をしながら、山道を進んでいた。


そのときだった。


「きゃあああああっ!」


山の奥から、悲鳴が聞こえた。


「!」


俺たちは一斉に足を止めた。


なつきがくろから飛び降りる。


五兵衛も刀に手を掛けた。


俺は周囲を見回した。


だが、何も見えない。


木々が生い茂っている。


山道も途中からいくつにも分かれている。


「どこから聞こえた?」


「向こう!」


なつきが右側を指差した。


「いや……」


俺は首を振った。


「俺には左から聞こえた気がする」


「私は奥から聞こえました」


五兵衛も周囲を確認する。


「声が反響しています」


「くそ……」


俺は耳を澄ませた。


しかし、もう悲鳴は聞こえない。


「誰か襲われているのかもしれない」


なつきが言う。


「早く、行こう!」


「待て」


俺はなつきの腕を掴んだ。


「場所が分からないまま走ったら、俺たちまで迷う」


「でも!」


「分かってる」


助けを求める声だった。


放っておくつもりはない。


だが、場所が分からない。


どうする?


山の中で人を探す。


前世なら地図やスマホでも使える。


だが、ここにはそんな便利なものはない。


「……困ったな」


俺が頭を抱えた、そのとき。


「モォォォーーーーーー」


くろが空に向かい大きく鳴いた。


「ん?」


俺たちが振り返る。


「どうした、くろ?」


くろが一歩前へ出る。


その瞬間だった。


ガサッ。


茂みが揺れた。


「!」


俺は身構えた。


だが、そこから出てきたのは――。


一頭の鹿だった。


「鹿……?」


鹿は俺たちを警戒するように見ている。


だが、逃げない。


そして、ゆっくりとくろの前まで歩いてきた。


「何してるんだ?」


俺が首を傾げる。


くろが鹿を見る。


鹿もくろを見る。


「モォ」


「キュッ」


鹿が小さく鳴いた。


「……今、会話した?」


「たぶん」


なつきが答えた。


「たぶんって……」


俺が呆れていると――。


バサバサッ!


頭上から鳥が飛んできて、木の枝に止まる。


「チチッ」


さらに。


「チチチッ」


別の鳥もやってくる。


「なんだ?」


俺が周囲を見る。


すると今度は――。


タタタッ。


小さなリスが木の幹を駆け下りてきた。


そして、くろの足元までやってくる。


「リスまで?」


俺は目を疑った。


鹿、鳥、リス。


次々と山の動物たちが集まってくる。


さらに少し離れたところから、もう一頭の鹿がこちらを見ている。


「……なんだこれ」


五兵衛も珍しく困惑している。


「私にも分かりません」


動物たちは、なつきではなく、くろの周囲に集まっている。


そして、何かを伝えるように鳴き続けている。


「くろ」


なつきが近づく。


「どうしたの?」


「モォ」


くろが山の奥を見る。


「そっち?」


「モォ」


「くろが分かったって言ってる」


なつきとくろが歩き出した。


「おい、待て!」


鹿も走り出す。


鳥も飛ぶ。


リスも木々の間を移動する。


「……まさか」


俺は動物たちの後を追った。


「五兵衛、行くぞ!」


「はい!」


巨大な黒牛が山道を進んでいく。


鹿が先を走る。


鳥が上空を飛ぶ。


リスが木々の間を駆ける。


まるで、俺たちをどこかへ案内しているようだった。


「正男」


なつきが振り返る。


「どうした?」


「あたし、この子たちが何を言ってるか分かるみたい」


「え?」


「悲鳴を上げた人がいる場所を教えてくれてる」


「…………」


俺は思わず立ち止まりそうになった。


「え、言葉分かるの?」


「うん」


なつきが当たり前のように答える。


「くろだけじゃなくて?」


「前まで分からなかったけど、今なら分かる」


「……マジか」


俺は思わず五兵衛を見る。


五兵衛も困ったような顔をしている。


「僕には、何と言っているのか分かりません」


「だよな」


そんなことを話しているうちに、山道が開けてきた。


そして――。


「……あれは?」


木々の隙間から、石垣が見えた。


古びた石垣で、ところどころ崩れている。


さらに進むと、そこには古い砦があった。


「砦?」


俺は目を細めた。


門は壊れている。


石垣も崩れている。


屋根の一部も落ちている。


長い間、使われていないように見える。


「打ち捨てられた砦ですね」


五兵衛が言った。


「こんな山の中に……」


俺が砦を見ていると――。


「……正男」


なつきが小声で言った。


「どうした?」


「くろが、あの中に沢山の人がいるって言ってる」


「え?」


俺は砦を見た。


古い砦、壊れた門。


その中にいる野盗たち。


いったい何人いる?


俺たちは三人。


正確には、俺、五兵衛、なつき。


そして、くろ。


「正男様、どうしますか?」


五兵衛が俺を見る。


俺は答えなかった。


「……どうすれば勝てるんだ」


俺は考えた。


敵は俺たちにまだ気づいていない。


ならば、先手を取れる。


その瞬間。


頭の中に、何かが浮かんだ。


【戦術思考の動きを確認しました】


【新しいスキルを獲得しました】


【戦術思考:Lv.1】


「……え?」


俺は目を見開いた。


新しいスキル。


『戦術思考:Lv.1』を見つめた。


画面が追加された。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【戦術思考】


Lv.1


【効果】


戦場の状況を分析し、敵の動きや地形を利用した戦術を考える能力が向上する。


敵と味方の配置、地形、周囲の状況を把握し、戦況に応じた効果的な戦術を立案しやすくなる。


【成長条件】


戦術を立案することで、経験を獲得する。


立案した戦術が成功すると、追加の経験を獲得する。


経験が100に達すると、戦術思考が次のレベルへ上昇する。


【最大レベル】


Lv.5


━━━━━━━━━━━━━━━━


そして、すぐに続きが表示される。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【戦術思考】


周囲の状況から、戦術を立案します。


【敵】


・野盗:多数

・敵は砦の中にいる

・こちらより人数が多い

・砦という有利な場所を確保している


【味方】


・俺

・五兵衛

・なつき

・くろ


【戦場】


・砦の入口は狭い

・砦の内部には建物がある

・敵は多数だが、全員が同時に動くことは難しい

・敵はまだこちらを完全には警戒していない


【分析結果】


・正面からの戦闘では不利。

・敵の注意を分散させる必要があります。

・敵の動きを乱し、隙を作ることで勝機を作れます。


【戦術案】


①敵の注意を分散させる。

②なつきとくろが正面から敵を引きつける。

③その隙に俺と五兵衛が別方向から砦へ侵入する。

④敵が分散したところを狙い、各個撃破する。


━━━━━━━━━━━━━━━━


なるほど。


俺は近くに落ちていた棒を拾い、握りしめた。


「五兵衛!」


「はい!」


「俺たちは反対側から入る!」


「分かりました!」


俺はなつきを見た。


「なつき!」


「なに?」


「くろと一緒に、派手に暴れ回って注意を引いてくれ!」


「分かった!」


なつきが、くろの背中にまたがる。


「くろ、行くよ!」


「モォォォ!」


くろが地面を蹴った。


ドドドドドッ!


「何だ、あれは!」


「牛だ!」


「追え!」


なつきが鍛冶槌を振り上げる。


「どりゃああああっ!」


門に向かってフルスイング!


ドゴォォォン!


壊れた門が吹き飛んだ。


何人かが飛んできた門の下敷きになる。


「うわああああ!」


「助けてくれぇ」


野盗たちが一斉に逃げる。


なつきが、くろに乗って砦の中へ突っ込んでいく。


「モォォォォォ!」


なつきが鍛冶槌を振り回しながら叫ぶ。


「どけ、どけ、どけぇ!」


ブンッ!


鍛冶槌が振り抜かれる。


「ぐわあああ!」


男が一人吹き飛ぶ。


その後ろにいた男も巻き込まれる。


「ぎゃあ!」


くろが突進する。


ドドドドドッ!


「避けろ!」


「無理だ!」


「壁に逃げろ!」


ドォン!


三人まとめて吹き飛んだ。


「なんだ、この女!」


「化け物か!」


砦の中が一気に混乱する。


「今だ!」


俺たちは、なつきとは反対側から砦へ走った。


敵の視線は、完全になつきとくろへ向いている。


今なら――。


俺たちも動ける。


俺たちは砦の中へ飛び込んだ。


そして、最初の野盗が俺に気づいた。


「敵だ!」


男が刀を抜く。


「死ね!」


刀が振り下ろされる。


俺は――。


横へ飛んだ。


ギリギリ。


刀が目の前を通り過ぎる。


「危なっ!」


次の瞬間、別の男が横から襲いかかってきた。


「右!」


五兵衛の声。


俺は反射的に身体を沈めた。


ヒュッ!


刀が頭上を通過する。


「まだいるのか!」


俺は棒を振り上げた。


「おりゃ!」


ゴンッ!


男の腕に棒が当たる。


「ぐあっ!」


男がよろめく。


俺はそのまま走った。


【戦術の成功を確認しました】


「追え!」


「逃がすな!」


背後から複数の足音が迫ってくる。


俺は振り返った。


「……多すぎるだろ!」


野盗たちが次々とこちらへ向かってくる。


その数――。


五十人。


俺たちの戦いは、ここから始まった。


━━━━━━━━━━━━━━━━


【鈴木 正男】


年齢:18歳

身分:織田家家臣

石高:50石


統率:72

武勇:28

知略:83

政治:87


【兵科適性】


足軽:C

騎馬:D

弓:C

鉄砲:A

水軍:D


【スキル】


危険予知:Lv.5

危険回避:Lv.1

5S:Lv.5

改善思考:Lv.5

標準化:Lv.5

品質管理:Lv.5

工程改善:Lv.5

生産性向上:Lv.5

安全意識:Lv.5

【NEW】戦術思考:Lv.1

立身出世


【経験】


危険回避:40

戦術思考:30


【実績】


現場改善:4回達成


【現在の改善対象】


戦用の荷車


【改善状況】


未着手


━━━━━━━━━━━━━━━━



この話では、なつきが大暴れしました。

なつきは鈴木家臣団随一の猛将です。

徳川家でいえば本多忠勝のような存在で、その圧倒的な強さは時として戦局そのものを変えてしまいます。

これからも、なつきの活躍を楽しみにしていただければ幸いです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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