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戦国ゲームで18歳の武将を作成したら、戦国時代に転移していた~秀吉の立身出世スキルと製造業スキルで成り上がる~  作者: にゃがまさ
織田家仕官編

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別れと、新しい仲間

正男と五兵衛は与四吉の家に向かっていた。


「以前お世話になった方ですか?」


「そう。行く当てもなく、さまよってた俺を助けてくれたんだ」


正男は歩きながら、これまでのことを思い返していた。


この時代に転移したものの、住む場所も食べるものもなかった。


途方に暮れていた俺を受け入れ、寝床と食事を用意してくれたのが与四吉だった。


その後も、何度となく助けてもらった。


「……本当に、いろいろ助けてもらったな」


正男が小さく呟く。


「大切な方なのですね」


五兵衛が言った。


「ああ」


正男は頷いた。


「俺にとっては、家族みたいな人だ」


五兵衛は、それ以上は何も聞かなかった。


ただ、正男の少し寂しそうな横顔を見ていた。


やがて、見慣れた家が見えてくる。


「ここだ」


正男は足を止め、戸を開けた。


「与四吉さん、いるか?」


奥から与四吉が顔を出した。


「ああ、正男さん」


「久しぶり……ってほどでもないか」


「ははは。数日ぶりだよ」


与四吉は笑った。


そして、正男の後ろにいる五兵衛を見る。


「ん?」


「紹介するよ」


正男が振り返る。


「こいつは五兵衛。俺の護衛兼小姓になった」


五兵衛が一歩前へ出る。


「初めまして。五兵衛と申します」


丁寧に頭を下げる。


与四吉は目を丸くした。


「ほう……」


五兵衛の整った顔立ちを見て、感心したような顔になる。


「ずいぶんと綺麗な若者だな」


「よく言われます」


五兵衛は淡々と答えた。


「おいおい、自分で言うのかよ」


正男が思わず笑う。


「事実ですので」


「うわ、引くわ~」


与四吉も笑い出した。


正男は与四吉に今までのことを話した。


「なるほど。ずいぶん偉くなったもんだ」


「いや、俺は何も変わってないよ」


「そうか?」


与四吉は正男を見る。


「織田家の家臣になって、屋敷まで貰ったんだろ?」


「まあ……そうだけど」


「だったら、もっと偉そうにしなきゃ」


「無理だよ」


正男は苦笑した。


「俺、前は普通の会社員だったんだから」


「会社員?」


「いや、何でもない」


与四吉は首を傾げた。


正男は少し黙った。


そして、ゆっくりと口を開く。


「今日は、ちゃんと挨拶に来たんだ」


「挨拶?」


「ああ」


正男は頭を下げた。


「今まで、本当にありがとう」


与四吉の表情が変わった。


「正男さん……」


「最初に俺を助けてくれたのは、与四吉さんだった」


正男は続ける。


「何にも分からない俺を家に置いてくれて、飯まで食わせてくれた」


「そんな昔のこと……」


「俺にとっては、忘れられないことなんだ」


与四吉は何も言わなかった。


正男も、少し照れくさそうに笑う。


「これからは自分の屋敷で暮らすことになる」


「そうか」


「だから、ちゃんとお礼を言っておきたかったんだ」


与四吉は、しばらく黙ったあと―― 与四吉は笑った。


「いつでも遊びにおいで」


「うん」


与四吉は五兵衛を見る。


「五兵衛さん」


「はい」


「正男さんは仕事に夢中になると、食事を忘れてしまうんです」


「……分かりました」


「おい、五兵衛まで真に受けるなよ」


「護衛ですから」


「食事まで護衛するのか?」


「必要であれば」


「ははは!」


与四吉が大笑いする。


正男もつられて笑った。


少しだけ、胸にあった寂しさが軽くなった。


「じゃあ、また来るよ」


「ああ。いつでも来い」


正男はもう一度、深く頭を下げた。


「今まで、本当にありがとう」


与四吉は笑ったまま手を振る。


「達者でな」


「うん」


正男は踵を返した。


隣には五兵衛がいる。


二人は並んで歩き出した。


しばらく無言で歩いたあと、五兵衛が口を開く。


「良い人ですね」


「ああ」


正男は振り返る。


遠ざかっていく与四吉の家を見ながら、静かに笑った。


「俺にとっては、この時代で最初にできた大切な居場所だったんだ」


そして正男は、前を向いた。


「よし」


「どうされました?」


「次は鍛冶屋だ。いくぞ」


五兵衛は微笑んだ。


「はい」


二人は並んで、鍛冶屋へ歩いていった。


鍛冶場から、金属を叩く音が聞こえてくる。


カンッ! カンッ! カンッ!


「なつき!」


「ん?」


なつきが振り返った。


「正男じゃん」


「源蔵さんは、いるかい?」


「親父。正男が来たよ」


なつきが大声で呼びかけた。


「おお、正男。久しぶりだな」


正男は、源蔵に信長から受けた仕事について話した。


戦用の荷車を作ること。


そのために、鍛冶の力が必要なこと。


源蔵となつきは目を輝かせた。


「戦用の荷車かぁ」


「ああ」


「面白そうじゃん!」


やっぱり、なつきはこういう話が好きらしい。


「それで、源蔵さんの力を借りたい。家臣になってもらえないだろうか」


源蔵は腕を組んで考える。


そして。


「俺は行けねえ」


「そんな……住むところも用意するし、給金も出す。頼む、源蔵さんの力が必要なんだ」


正男は必死に源蔵に頼み込んだ。


「勘違いするな。俺は行けないと言ったんだ」


「え?」


「なつきを行かせる」


なつきは目を丸くした。


「……あたしが?」


「ああ」


「織田家の家臣?」


「そうだ」


なつきはしばらく黙っていた。


「お前は、ここにいたら一生ただの鍛冶屋で終わっちまう」


「正男は将来大物になる」


「一緒に行って偉くなるんだ」


「正男、いや正男殿。」


「こいつは小さい頃から鍛冶の仕事をしてたんだ。鍛冶の腕は問題ねえ。俺が保証する」


「俺に似て乱暴なとこがあるが、親思いの優しい子なんだ」


「親父…」


「どうか娘を頼む」


源蔵は正男に頭を下げた。


正男はしばらく黙っていた。


「分かりました。鍛冶の腕が確かなら何も問題はありません」


「大切な娘さん、お預かりします」


「ありがてぇ。」


「良かったな。なつき」


「うん。あたし頑張るよ」


「偉くなって、親父を迎えに来る!」


「生意気いいやがって」


源蔵は嬉しそうだった。


こうして、なつきは正男の家臣になることになった。


なつきは準備をしてくると言うので、正男と五兵衛は入口で待っていた。


ドドドドドッ。


地面が、かすかに揺れた。


「おまたせ」


声のしたほうへ振り向くと――。


「……え?」


正男は思わず目を疑った。


巨大な黒牛のくろが、堂々と歩いてきた。


その背に跨るなつきは、いつもの作業着姿。


そして肩には――。


巨大な両手持ちの鍛冶槌を担いでいた。


「…………」


正男は言葉を失った。


巨大な黒牛。


その背に乗る鍛冶屋の娘。


肩に担いだ巨大な槌。


まるで――。


「……金太郎かよ」


「ん?」


「もう、どこからつっこめばいいのか」


正男は頭を抱えてる。


正男は気を取り直して、丁寧に質問する。


「あの~。なつきさん。その生き物は何ですか?」


「ははは。馬鹿だな正男は。牛って言うんだぞ」


「知っとるわ!」


正男が思わず叫ぶ。


五兵衛が、くろを見上げる。


「正男様、あれはヤバいですよ」


「妖怪か、あるいは何かの守り神か」


「牛って、あんなに大きくなるんですか?」


「そもそも、牛なんですか?」


「俺が知りたいよ……」


正男と五兵衛は相談している。


なつきは首をかしげる。


「その牛は、なんで一緒にいるんだ?」


「ああ、山に入ったら、この子がいてさ。仲良くなったんだ」


「名前も『くろ』って付けたんだぞ」


くろは嬉しそうに尻尾を振っている。


「ああ、うん、それでいいや」


正男は考えるのをやめた。


なつきは笑った。


正男と五兵衛は歩き出す。


その隣を、巨大な黒牛――くろに乗ったなつきが進んでいく。



読んでくださり、ありがとうございます!

いよいよ、なつきとくろが仲間に加わりました。

くろは、なつきの頼れる相棒です。

五兵衛と同じように、これからたくさん活躍してもらう予定です!

なつきとくろが、どんな活躍を見せてくれるのか。

ぜひ楽しみにしていてください!

これからも応援よろしくお願いします!

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