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七本槍の道化衆3 (テイルエンドとミルロワールの王女)  作者: 熊野文助


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第二話 ノルテ王と冷気の泉③

 僕達はマモスと言う帝国歩兵団(歩兵団と言っても乗馬しているけど……。)の兵士に見守られて街道と東へと進んでいた。ローレイ金山から1日程進んで行くと街道は森の中へと続いて行くように姿を変える。その森の入口までやってきた。

「ここまでが私の守護範囲です。後はお気をつけて。」

 そう言うとマモスは馬から降りて僕達に敬礼をした。

「マモス曹長、ご苦労さん。」

「お疲れ。」

「お勤めご苦労。」

 僕達の言葉に一回一回舌打ちをして返して来る。身体は規律に従い敬礼をしているけど、顔と表情は悲壮と怒りに歪んでいた。

「ここからは魔狼の森となります。わたくしの警護はここまでと言われております。ここからは大変危険ですので、すぐに死んでください。」

「相変わらず口が悪いな。マモス。ケープ大佐の御命令だろ。」

 と言いながら、敬礼しているマモスの肩にアクスラは肘を当てた。

「わたくしの役目はここであなた方を見送れと言う事です。次会った時は八つ裂きにしますのでご承知おきを。」

 二人はお互いに殺意のある目で睨み合っていた。



 マモスは帝国第4歩兵団の曹長を務める男である。根はかなりひん曲がっている様に感じる。上司には絶対的な忠誠を誓うが自分より身分の下の者はゴミクズの様に扱う性格だと思う。出会ったばかりの時はストナを通行料として差し出せと言ってくるなどかなりの横暴感はある。しかし、上司から命令を受けるとどんな事でもやり遂げるタイプらしく自分の感情を抜きで仕事をしている。このタイプは上司受けは良いのかもしれない。弱い上司についた場合はいつか寝首をかく気がするけど……。

 マモスは帝国歩兵団大佐のケープに僕達をこの森の入口まで送り届けろと命令されて、仕方なしにでも完璧な同行してくれる男だった。態度ではかなり嫌そうな雰囲気を出していたけど、やるべき仕事はそつなくこなしていた。


 ケープ大佐は本来、こんな辺境の地にいる人物ではないそうだが、南方の視察を兼ねてローレイ金山へ来ていた時に、マモスとアクスラがもめているのを見掛けて仲裁に入ったと言う。

 ケープ大佐とマトゥキが親善試合で良く手合わせをした間柄でそれなりに親交があるらしい。あの時ケープは少し剣を交えたかったらしいが、マトゥキにそんな気がない為、特に何事もなくあの場は終わった。

 帝国側の要求はこの街道を帝国側も監視下においているから、通るなと言う事だった。行きは森まで護衛をつけるが帰りは南側の山間を通って戻れと言う要求にこちらも了承した。


 帝国歩兵団も何か些細ないざこざがあれば戦いになる為、極力衝突は避けたいと言う考えらしい。……。その割にはマモスはあからさまにケンカを売ってきてたけど……。


 


 マモスと分かれて道をそのまま進んでいった。

「目的まであと2山ですよ。」アクスラが前方の山の方を見て全員へ話し出した。

 山ってそういう単位だったか?と思うがあえてツッコミも入れなかった。

「ここから、遠吠えがきこえたら、気をつけて下さい。魔狼の群れに見つかった可能性が高いです。武器を構えて見渡しの良いところで陣を敷きましょう。」

 そう言われたので辺りを見回したが、うっそうと木が生い茂っていた。見渡しが良いところなんてどこにあるのだろうか。

「ワオーーン」

 会話をしていると魔狼遠吠えが響き渡った。

「マナ寄せ開眼。」 バキアのスキルからマナ寄せ開眼を使うと辺りの魔狼の動きが見え始める。

 北側の崖近くに50匹の大群がやいるが、南側、東西と、僕達を囲む様に狼の群れが取り囲み始めた。

「取り囲まれています。気を付けて下さい。南側の魔狼に攻撃してくる傾向があります。」

 僕達に向かって小規模の魔狼の群れが向かってきた。

「来ます。正面と右手!」

 魔狼が動いた。

 

 魔狼とはマナの力を帯びた狼である。この辺りでは水魔狼と呼ばれる水のマナを帯びた魔狼がほとんどと言われている。マナと言っても水砲レベルの攻撃である為、ダメージとしてはたいした事はない。水攻撃はあくまで援護射撃、本当の攻撃は牙か爪だろう。

 一般的な冒険者に対1匹ではさほど脅威ではないが、問題は群れを成して狩りをする事だ。



 右手側から水砲が飛んできた。マナの動きを確認すれば、相手攻撃の策略は見えてくる。水砲を飛ばした魔狼とは別部隊の正面側の魔狼が向かってきた。

「ストナ正面!」

 ストナが正面から来る魔狼を軽く聖流剣で切り倒した。その後で右手側の魔狼を僕とアクスラで倒した。

 アクスラは剣を使う剣士か戦士資質だろう。実力は僕より少し上かなと言うレベルだと思う。スキルは強めのスキルを使うが、なんとなくぎこちない。僕も人の事は言えないけど。


 なぎ倒した魔狼をアクスラが亜空間へと入れて行く。この人は亜空間持ちなんだ。しかも容量はストナクラスの大容量なんだろう。十数匹の魔狼をいとも簡単に入れてしまった。



 アクスラが魔狼を亜空間に入れている時に、マトゥキが僕達に近づいて来た。

「ストナ嬢、少し稽古をつけてやろう。」

 僕達は顔を見合わせた。こんな時に何を言っているんだ。まだ、魔狼の群れは北の崖に何匹が伏している。いつ襲ってきてもおかしく無い状況でゆうちょに稽古って……。

 そんな事気にも留めずにマトゥキは話しだした。

「今の聖流剣をスキルを使わずに出してみろ。」

 マトゥキの言葉が理解出来なかった。その為、僕が聞いてしまった。

「どういう意味ですか?」

「どうも、こうも無い。スキルを使わないで聖流剣を使えと言っているんだ。こうだ。」

 そう言うとマトゥキは聖流剣をスキルを使わないで繰り出した。そして、後ろがに隠れていた魔狼を数体斬り裂いた。

 それは、スキルを模範した聖流剣もどきだった。マトゥキが使うとストナの聖流剣に近いスピードが出ていた。

 ってか、この魔狼どこから?

「囲まれているぞ、マナの眼の持ち主くん。」

 そう言うといつの間にか数体が僕達を取り囲んでいた。

「こいつらは潜伏系のスキル持ちだ。気配を立つだけで視界から消える訳では無い。ストナ嬢、さっきのやってみろ。」


 なぜか、稽古の戦闘になっている。

 ただ、負けず嫌いのストナなら乗るだろう。しかし、最初の一歩が出ない。考えてみるとストナは大剣をスキルによって振り回す、スキルを使えないなら、聖流剣の強さが出ない。

「出来そう?」

「無理、足がスキルみたいに動かないわよ。」

「マトゥキさんはどうやってた?」

「見てないわよ。そんなの。」

 ストナの顔に真剣さが発せられている。

 僕達が戸惑っている間に、マトゥキが再び聖流剣もどきを使った。足は通常の動きに近い。けど、身体全体の体勢は聖流剣と同じだった。

「無理、絶対に無理。」

「そう?」

 僕はやろうとしないストナを尻目に聖流剣もどきを真似てみた。

「聖流剣」

 マトゥキを真似て足を動かして剣を斜め下から上へと繰り出し、魔狼が一歩引いた瞬間を袈裟斬りで切る。そのまま剣を止めずに左右へ振った。倒した魔狼は1体だった。

「どう?」

「最低。」 ストナは見下した目で僕を睨んできた。

「なんだよ。僕なりにやってみたのに。ストナがやれよ。そもそも身体の動きはスキル中に分かるだろ。」

「見てなさい。」

 ストナはそう言うと、ストナ流聖流剣もどきを見せた。本家だけあって身体の動きが違う。ただ、スキルの際はスキルの力で大剣を振り回しているが、大剣に振り回されている様だった。ただ、魔狼は3体葬った。

「どう?」

「すごいと思うよ。」

「何か含みがある物言いね。」

「敢えて言うなら、スキルを使わないと剣に振り回されてい感じがするところかな。」

「あーやだやだ、素直に感動出来ない批判タイプの、人間は!」

「なんだよ。批判タイプって……。」

 後ろに人影を感じで後ろを見た。マトゥキが立っていた。

「悪くはない。しかし、貴兄の言う通りだな。剣に振り回されている。スキルはマナの力が働く特殊な能力だが、普段の攻撃力を上げればスキルの力も自然と上昇する。上昇しない理由はひとつ。スキルだけに頼っているからだ。武器と体力を含めて己を見直しなさい。」

 そう言うと、マトゥキは去って行った。

「ほら。」

「うるさい。知った気にならないでよね。たまたまでしょ。」

「何が?」

「……、何でも無いわよ。」

………………。

 

 その時、オーウィズの咳払いが聞こえた。

「お二人、もう終わったので、先へ行くぞ。」

 辺りを見回すと、魔狼の姿はなかった。倒した魔狼もアクスラが全て亜空間へ入れたのだろう。

 僕達はそのまま山間へ進んで行った。



 もう2日程、山中を歩くと、目的の泉が見つかった。


 冷気の泉。

 その昔、旅人がこの泉の水を持ち帰って食卓に出したところ、食べた家族は病知らずの健康長寿となったと言う言い伝えのある泉らしい。

 伝説と言うよりおとぎ話だろうと言われている。


 僕達が泉に着くと人の男性が迎えに出てきた。

 特殊部隊長フロイエンだった。

「ようこそ、少し前に使いの者から文を受け取っています。あなた達を歓迎します。」

 オーウィズが進み出て、挨拶をした上で僕達の自己紹介をも終えた。フロイエンは僕達を泉近くの宿営所に案内してくれた。

「皆さんは今日からここで1週間滞在してもらいます。1週間後にベッケンまで送り届けますので、そこで王妃にマナ獣はいなかったと報告してください。」

 フロイエンがそう言うやいなやオーウィズが質問した。

「ひとつよろしいでしょうか。マナ獣捜査をしない様に聞き取れますが、何か理由はあるのでしょうか?」

 フロイエンは向きを変えて泉の方を向いた。

「オフィシャルではないとして聞いてください。ここが本当に、冷気の泉かどうか、私達にも分からないのです。」

 そう言うと、フロイエンは冷気の泉?へ近づいて行き、泉の水際で膝をかがめた。

「これを見てください。」

 僕達が近づくとフロイエンは手を水へ浸した。そしてかき混ぜ出した。すると回転の波紋と同時に泉の水が凍り付くかの様に白く濁った。

 冷気と言うのはこう言う事を言うのかと思ってしまった。

 その後、波紋がなくなると同時に水は透明に戻っていった。

「不思議。」

 ストナが声を上げた。それに対してフロイエンは答える。

「そうでしょう。ここが冷気の泉と言われる理由です。しかし、これ以上が分からない。ここが本当に伝承で伝わる霊薬のある泉なのか?単なる不思議な泉なのか?そもそも霊薬があるのか?まったく分かっていません。ちなみにこの水を汲んで王女様に飲んでもらいましたが、全く病状は変わりませんでした。」

 フロイエンは再び手を水に付けて無意味に湖面をかき混ぜていた。

 


 翌日、僕達も冷気の泉周辺を探索する事にした。

 冷気の泉は直径1キロと広い円形型の泉である。伝承では泉の中央に小島があり、数年に一度そこへの道が開かれると言われている。

 しかし、そもそも小島すらない。その泉をゆっくりと歩いていた。冷気の泉と言われているが山の中にあって比較的に泉の周りに暖かかった。

「あのー。」

 途中でバキアが声を出した。

「私はかテントで休んでいてよろしいでしょうか?」

「どうかしたの?」ストナが聞く。

「どうも何も。前から言っている様に、私は冒険者ではありません。ここまで登りつめの歩きつめで疲れているんです。特に移動がないなら休ませて下さい。」

 僕達は顔を見合わせてしまった。確かに彼女は戦闘系ではないけど、この綺麗な場所でテントの中が良いと言うとは思わなかった。

「でも、バキアさん、この辺は珍しい植物もたくさんありますよ。植物サーチを使えば珍しい植物を採取出来るかもしれませんよ。」

「興味ないですから……。」

「え?」

「植物に興味なんてありません。前にも言いましたが、私は事務員がしたくて、ここに入ったんです。冒険にも、植物にも全く興味はありません。」

 そう言うと、後ろを振り返って戻ろうとした。

「あ、待って念の為に植物サーチを使ってもらえますか?マナ寄せ開眼で確認したので。」

 ……。

 バキアは植物サーチを使うのも嫌そうな顔をしてから、渋々サーチを使ってくれた。

 使うとすぐにテントへ戻っていった。

 僕達は唖然として見送っていた。


 ちょぼん。

 僕には泉の水のはねた様な音が聞こえて泉の方を見た。

「す、すごい」心の声が漏れていた。

「何がすごいの?」

「泉の中央に島がある。」

「島?」

 泉からマナが浮き上がっている。そのマナが泉から出ると、マナは何かにか引きつけられるように中央に集まっている。そのマナの塊が中央に島をなしているように見える。そしてマナは再び浮かび上がって消えていった。その動きが常になされており、常に大きなマナの塊が成していた。そ奥側に中央への渡橋の様なマナも出来ていた。


 全員に今まで見た内容を説明した。

「ここが冷気の泉で間違い無いってことが言いたいの?」

「だから、僕は見えた事を言っただけで、ここが伝承の冷気の泉か、どうなやんて知らないよ。」

「これだから、無責任な発言者は嫌なのよね。」

「なんだよそれ、だから見たことを説明してるんだろ。」

「あーあ、そう言う主体性の無い……言い訳ね。はいはい。」

 ………………


 オーウィズが僕達の会話を止めた。

「ストナ姉もナギトも落ち着いていて、まずはナギトの言うマナで出来た橋を見てみれば、何か分かるかも。行ってみよう。」

 オーウィズに勧められて僕達はそのマナの橋まで行くことになった。



 泉の中央の島まで道が出来ている。

 それがこの状況を見た時の第一印象だった。もちろん通常の目ではただの泉である。しかし、泉の中から湧き上がるマナが泉中央に濃縮されて島となり、その一部が東側に流れてきており島から出る川の様に岸まで連なっていた。

「ナギト!」

 ストナが声を上げた。もちろん、その内容は分かる。僕達が足を泉の中へ入れようとしているからだ。マナの濃さが尋常ではない。このマナの川?(川と言うより橋かな)の中央部だけなら人なら歩けそうな気がした。

 ゆっくりとマナの上に足を置く。濃縮されたマナの感触が足に伝わる。歩けるかどうかは分からないけど、予想通り物体感はある。ゆっくりと体重を前にだしている右足に掛けていく。マナの橋は僕の体重で沈み始めた。やっぱりダメか!しかし、もう半分以上の体重を前方向にかけているから今更体重を戻す事は出来ない。そのまま沈みながら泉へと落ちていく。と、足が泉の表面に着いた時、沈む感覚が無くなった。

 足が止まる。体重が全て右足に掛かっても身体を支えていた。

 浮いた。

 泉の上に浮いていた。

「すげー。」心の声が漏れた。

 ストナが羨ましそうにこっちを見ている。僕はストナに手を伸ばした。そして足を少し手前に出して泉を足で叩くよう足踏みをした。

「ここに足を置いてみて。」

 ストナが僕の手を取って足を泉に乗せる。同じ様に泉は彼女の身体を支えていた。

 僕達は大はしゃぎをして、他のメンバーを見たが後の人達はあまり興味もないらしく後に続こうとはしなかった。


 僕とストナでマナの橋を渡りながら泉の中央まで行くことになった。

 ゆっくりと橋の中央に足を置きながら進んで行く。不思議な気分だった。泉の上を浮いている。と言うより、空を飛んでいる感覚がそこにはあった。

 泉の中央部に近づいた時、中央部から何か生き物が浮き上がって来た。

 それは亀の様な生き物だった。

 僕達は鞘に手を伸ばした。ここでの戦いは不利である。相手の出方をつかがっていると亀は頭を下げた。

「これはこれはエイディ様の血を濃く引き継ぐ方。はじめまして、私はサカアエと申します。」

 一度こちらを見てから、サカアエと名乗る亀は再び頭を下げた。

「あなたは水のマナ獣ですか?」

 サカアエと名乗る亀は首をゆっくりと横に振る。

「マナ獣は世界に3方しかおられません。火のマナ獣様、土のマナ獣……。」

 その時、鳥の音が鳴り響いた。

「もう、こんな時間ですか。ここのマナの道は朝開けから3時間だけ存在し、後は消えて行きます。」

 僕は足元を見るとマナの濃度が少し薄くなっている様にも感じた。

「エイディ様の血を受け継ぐ方。明日も同じ時間に来てくれませんか?」

 そう言うと亀は頭を下げ、ゆっくりと沈んでいった。それを見送っていると足元が揺れ始めた。

「やばいマナがなくなる。」

 ストナがいきなり聖流剣のスキルを使って脱出したが僕は泉の中へと引き込まれて行ったのだった。



 翌朝、僕達はサカアエとの約束を守る為に朝明けと同時に泉の中央の島へと向かった。今回は僕とストナ、オーウィズの3人で渡ることになった。

 島の中央に着くと昨日と同様にサカアエと名乗る亀が現れた。

「これはこれは、エイディ様の血を色濃く引き継ぐ方、それにローゼル様の正統血統者、そして、ウリエル様の血を薄く受け取る者。3名も懐かしい方々と同時にお会いでてき光栄です。正式に自己紹介をさせていただきます。私は水亀のサカアエ。エイディ様の4従魔の1体でございます。皆様から漂うマナの匂いから炎狐クゥールとフィーブ兄弟、それに火のマナ獣様にはお会いしておられる様ですな。クゥールが火のマナの中に身を浸している様に私も水のマナの中でしか生きられないもの。まずお三方のお名前をお聞きしたい。よろしいですか?」

「ナギトです。」

「ストナよ。」

「オーウィズだ。」

「良い響きです。ナギト様にお願いがあります。」

 サカアエは僕に何かを頼もうとしていた。けど、それよりも僕は昨日の途中で終わった会話がずーと気になっていた。

「サカアエさん、それよりもひとつ教えてほしい。マナ獣が3体しかいないとはどういう意味ですか?」

 サカアエは首を長く伸ばして上を向いた。

「ナギト様。それは私の口からはあまり語る事ができない事です。詳細は知りたければいつか火のマナ獣様が教えてくださるでしょう。この世界には一人の人間では受け取る事が出来ない多くの知恵で満ちています。何かをひとつ手に入れるなら何かを手放す必要があるなら……何を手放しますか?」

 僕は答える事が出来なかった。

「時も一つの失うものです。待つことも大切ですよ。それでは本題に移らせてください。ナギト様私を冷気の泉へ連れて行ってください。」

 その言葉に僕達3人は何か不思議な違和感を感じた。

 え?ここが冷気の泉ではないの?

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