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勇者召喚に巻き込まれた後、いきなり死んだ  作者: アキラメル
第二章 動乱のリフィックス
42/52

闘技大会、三日目④ 夜

6月、初の更新です。

どうか、最後まで読んでください。

少しグロいかも?

もし長すぎて読みたくなかったら、王の話を回想してね。


 『――それでは、結果発表です!1位は勇者選手で5ポイント、2位はツカサ選手で4ポイント、3位はライガード選手で2ポイント、ビリはもちろん一回も勝ってなかったこの方、ペガサス選手で1ポイントでございます!!』


 目が覚めたらめっちゃイラッとすることが聞こえた。だぁーれかが一回も勝つことができないんだって、おい表に出ろこの口が臭い司会よ!あんたをぶっ倒したら、オレは本日はじめての勝利を得るから、さっさとこっちに来いよコラぁ!

 アルコールの匂いが周りに満ちている、あの後オレは医療室に運ばれたか。


 ここまでの反省:オレは勝ち抜き戦に向いていない、そうできる体力と頑丈な身体がないからな。

 筋トレで体力を上げる必要があるけど……しんどい、面倒くさい、やりたくない!

 いいじゃん!どうせオレは負けた!負けたとしてもペナルティーなんかないし……え!?負けて死ねとか本当にイヤだよ!?


 遊びはここまで。改めて現実の残酷さを体験した。そもそも、オレにとって現実が甘くなることは一度もなかった。

 気軽くなるほどくんみたいにいつでも逆転することができたら、誰にだって弁護士になれるよ!

 オレに華麗なる逆転は無理でした。


 もう大人しく宿に帰って、布団を被って情けなく泣いてゆこう……みたいなことはやらないぞ。ん?なに、がっかりした?

 落ち込んでいるのはあるけど、それを表現するのは今じゃない。今日は最終日ではなく、明日の方こそすべてを賭けてるんだ。

 最初からオレが闘技大会で優勝を取ることが一度も考えていない、むしろ三日目まで来れる方がびっくりした。

 決勝戦まで行けないから、プランAは台無しになった。でいうか、実行するのがありえないね、だって決勝戦に出るのがもっとも重要な前提条件だよ!そんなのできるわけねえ。

 なので、そのためのプランBです~♪


 もしオレが予選で負けたとしても、日にちに売り場の地下で仕掛けた大量な脱出用の爆弾が、闘技大会の四日目に自動的に起爆するんだぜ。

ちなみに、爆弾が設置した場所は檻の周りとミス姉妹と他の奴隷を縛ってるチェイン。


 もちろん、騒ぎを起こすために、売り場の入り口とあの広い一階もバレないように設置した。奴隷の売り場から脱出の準備がすでにできた、残すことはアイツらが地上に出てきたあとオレが迎えに行くだけ。

 どうやって迎えに行くって?それや空間魔法に決まってるじゃん。オレが設置できる座標は四つしかない。

 一つはいつも通りにオレの左手につけてる手縄、二つ目は奴隷の売り場の入り口近くに設置した。残りの二つの座標は、最初にミスエラとミスエルに会った時、氷でアルメリアという花のヘアピンを作り出して、こっそりとヘアピンの中に座標を埋めた。

 という訳で、明日こそ救出作戦の本番だ!


 ん?じゃなんのためにわざわざ闘技大会に出たのっだって?はじめから何回も言ったじゃん、賞金のためだよ賞金の!

 まぁ……負けたせいで準優勝の賞金をもらえないけど、すべてが終わったあと、報酬としてライガードに一週分の晩ご飯を奢ってくれるというリクエストを出さないと。

 今は…身体に回復させるために、夜まで寝よう。ラストチェックもしないと行けないし。

 ……大丈夫だよね?作戦は上手く行うことができるよね?

 やばい、急に不安しかないわ。落ち着こう……そうだ、素数を数えろ……あれ?31のあとってなんだっけ?

 最近は予想できないことが起きたばかりだけど、さすがにもうないよね?


 『ではツカサ選手と勇者選手、リングに来て明日の決勝戦についてご感想を発表してください!どうぞ!』


 司会者はそう言ったが、リングに上ってきた人はひとりもなかった。

 笑っちゃいかないんだ。すごく笑いたいけど、笑ったら医療室のセンセイに追い出されちゃう。


 『あの……ツカサ選手と勇者選手……どこにいるんですか?』


 と、再び問いかけたけど、相変わらず誰にも現れなかった。暫く経ったら、怪盗が出した予告状みたいに、なにもない空中から氷のカードがリングに向かって飛んできた。

 それを拾ってあげて、司会者がカードに書いてある内容を読み始めた。


 『えっと、なになに……ハッ!?にゃは飽きたから、棄権する。それに、ライガードは立ち直れないにょで、あいつも棄権する。そういうことで~ですって!?』


 ハッ!?棄権するってなにを考えてるんだあの泥棒にゃんこは!?

 確かに、ライガードが立ち直れないことについて、オレに責任があるけど、なんでお前まで棄権するの!?しかも理由は飽きたって、ふざけんなコラァ!

 じゃオレはなんのためにたくさん蹴られたの!?


 『――あっ!まだ続きがあるのようです。言い忘れたが、枕の下を見てみ、じゃまたにゃツーちゃん~以上、ツカサ選手からのメッセージです。』


 だからツーちゃんと呼ぶな!でいうか前から気になってるけど、どこからそのアダ名を知ったの!?それはフロティストの人たちと黒猫しか知らないアダ名だよ!?

 そういえば、枕の下を見てみと言ったなアイツ、あっ!小さい紙があった、しかもなにか書いてある。


 『ツーちゃんへ、あとは任せたにゃん☆』


 だからふざけんなってつったんだろうかあああぁああああ――ッ!!

 と、大声で叫びながら、手持ちの紙を元に戻すことができないほど破った。そしたらうるさいから出て行けと叱られて、医療室から追い出されちゃった。

 オレのせいじゃないのに……


 『……ん?…………うんうん、はい、分かりました。えっと、突然ツカサ選手とライガード選手が共に棄権した。故に、明日の決勝戦に出るのは、勇者選手とペガサス選手に変わりました。』


 だからいい加減にお前らふざけんな!パート3!

 もう本ッ当に我慢できないから、手持ちの魔粒子を大きさは野球サイズの氷結晶に変えて、廊下にあるリングを実況してるモニターもどきに狙って投げ飛ばした。そして上手く目標に命中して壊した。

 ……ッ!やばい!…………ふぅ、よかった、さすがにカメラもどきがないか。誰も見ていないけど、バレる前に逃げよ。

 とにかく……大変なことになった、明日は……



 「ガッハハハハハ!一回も勝ってなかったけど、まぁ過程はどうもあれ、決勝戦進出、おめでとうやディケイ!」

 「一度も勝ってなかったが、おめでとうございます、ディケイくん。これは私たちの奢りです、さぁ~」

 「あんたら夫婦は合わせてオレをディスってんの!?だけど、飯を奢ってくれてありがとう。で、なんでヒーランはここにいるの?」


 夜、覚めたばかりのオレは二階から下りたあと、いきなりガスとパシリアさんにディスられたり、決勝戦進出についてお祝われたり、あの二人は一体どっちがしたいの!?

 で、晩ご飯のクリムパスタ(大盛り)を食べようと思ってるけど、カウンターにヒーランと、アイツの家族を見つけた。

 なんでヒーランたちがここにいるの!?普通なら家で食事してるよね?


 「お兄ちゃん~こっちこっち~♪」


 と言いながら、ちびちゃんはペシペシと隣に空いてる椅子を叩いてる。もしかしてこっちに座ってきてと言いたいか?

 すっごくちびちゃんのおねだりを断りたいが、断るとしても断らないとしても、今すぐオレを殺したいと言いそうな目でこっちを睨んでいる親バカ二号に殺されちゃう。


 「お、お邪魔します……」

 「うん、本当に邪魔した。」

 「あなた、その嫌がらせな態度はやめてください。じゃないと、分かりますよね?」


 奥さん、笑っているけど、目がまったく笑っていませんよ?でいうか、パシリアさんやヒーランの奥さんもいい、気強い女性に掌握されたね、ヒーランとガスは。


 「主人の口調に対して申し訳ないと思います、ディケイさん。先日は自己紹介ができなかったけど、改めてやり直します。私はセリスと申します、こちらは娘のレレイです、どうぞよろしくお願いします。」

 「レレイです!よろひくぼにひじゃん!」

 「食べながら喋るなよ、ちゃんと呑んだからにしろ!」


 まったく、オレは逃げないから、ゆっくり食べていこう、ちびちゃん……あっ、名前はレレイだったか。

 そういえば、前自己紹介をやる時いきなり中断されたっけ?

 覚えった、ヒーランの奥さんでガスの妹である狐の獣人はセリス。ヴァシリーサという変態に悪いことを教わったちびちゃんはレレイ。やっぱりユカちゃんと友達になれそう。


 「で、セリスさんとレレイちゃんがこっちに来る理由は分かったけど、ヒーランはなんで来たの?ガスみたいに嫌がらせがしたいの?もしそうだったら、トラウマになれる言葉を教えてやろ。」

 「俺は飲みに来ただけ、それとあんたに晩餐会の招待を届けに来た。一応あんたがセリスとレレイを助かったヤツだからな、お礼ぐらいはちゃんとするんだ。」

 「ただでご飯が食べるなら構わないよ、それで何時なの?」

 「闘技大会が終わってからの二日後、夜の晩餐会だから、遅れるなよ。」

 「あんまり遅く来ちゃダメですよ、最近東と南エリアで変な人の目撃情報があるらしいです。奇妙なお面を被ってる誘拐犯とか、黒いマントと道化のお面が特徴の殺人鬼とか、危なくなっちゃいましたね。」


 ………………やばい、すっかりと都市伝説みたいな噂になっちゃった。あれ?一夜限りの誘拐犯になった夜、お面被ったっけ?殺人鬼のことなら遭ったことがあるから知ってるけど、お面被りの誘拐犯って、だれ?

 オレじゃないよ!明らかに冤罪だよ!?



 結局、ヒーランたちに十二時まで付きまとわれた……しかもヒーランは酔ってるし、もしレレイが眠い、お兄ちゃんと一緒に寝たいと言ってなかったら、アイツは絶対に覚めてこないだろう。

 まぁ、おかけでオレも死にそうだった……セリスさん、ヒーランを止めてくれて本当にありがとうございます。

 怒っているセリスさんって、なんだかパシリアさんに似てるが……多分パシリアさんが直伝した技かも。

 今夜の目的地は西エリアだから、あの通り魔に遭わないよね?


 「いらっしゃいませー……なんだ、あんたですか。って、なにしに来ましたの?」

 「明日は最後の日かも知れないから、遊びに来ました。はい、夜食。」

 「あっ、どうもありがとう。どうせまた徹夜するでしょう?遊びすぎないように注意してくださいね。」

 「昨日は騒がしすぎてごめんなさい。今夜は多分別れる前の話し合いだから、大丈夫です!」


 責任者の一人から許可を得たあと、オレはミスエラとミスエルたちがいる地下に下りた。

 さぁ~ってと、最終チェックを始めようか。

 ふむ、檻あたりに設置した爆弾のカモフラージュは問題ない、ちゃんと床のレンガに偽装してる。それとチェインにも目立たないように見える。

 ……大丈夫だよね?


 「こんばんわ、白髪のお兄さん。」

 「またトランプやるの?」

 「夜食なの!?夜食を配りに来たの!?」

 「「「夜食!夜食!夜食――ッ!!」」」


 ああぁ――!うるさいな!どんだけ夜食が食べたいんだお前ら!?良い子のみんなはすでに寝ちゃった時間だよ今は!!

 まぁそうなったのもオレのせいかもしれない……


 「えぇ~またサンドイッチか?」

 「パスタが食べたいです夜食のお兄さん!」

 「パンとクリームスープの方がいいです、夜食のお兄ちゃん!!」

 「夜食を配る人みたいに呼ぶな!じゃないと二度と奢らないぞ!」

 「分かった、白髮のお兄さん。」

 「「「夜食、夜食、早く!白髮のお兄さん!!」」」


 それぞれガスが作ったサンドイッチを配ったあと、三人分のサンドイッチを持って、ミスエラとミスエルを閉じてる檻の中に入った。

 二人は無言のままサンドイッチを食べている。手が震えてる、やっぱり明日について不安を感じてるだな。

 ちょっと落ち着けるように慰めてあげようか?


 「ぐぬぬぬぅぅぬぬうぅ――ッ!!」


 ミスエラに向けて伸ばした手があっさりと叩き落された、逆にミスエルのほうは上手く頭を撫でたけど、なにしてるですかと言ってるみたいこっちを見に来た。

 最後の一口を食べ終わったあと、右手の袖が引っ張られた。ん、ミスエルじゃないか?


 「ねぇ……ちょっと寝てもいいですか、ディケイさん?」

 「ん?構わない、むしろ昨夜あんまり寝てないから早く寝なさい。」

 「では、ディケイさんの太ももをお借りします。」

 「え、ちょっと待って、なんでオレの太ももを枕として使うの!?」

 「ディケイさんは冷たくて気持ち良いから、おやすみなさい。」

 「仕方ない、ゆっくり寝てな。お前はどうだ、ミスエラ?寝たかったら残りの太ももを貸してあげてもいいぞ?」

 「ディケイはそんなに噛まれたいか?」

 「お前にとって冗談というもんはないのか?はぁ……そういえば、気になることがあるんだな。なんでミスエラお前はライガードのことをそんなに嫌いなの?」


 彼女にそう訊いたら、一瞬辛そうな表情をしてなにかを言い出したいそうだけど、ミスエラは暫く沈黙したあと、ようやく語り始めた。


 「ハエみたいにうるさくて鬱陶しいから……」

 「えっと……まぁ、気持ちはよく分かったけど、そんな思春期の娘みたいな理由を聞きたくないんだ。オレが訊きたいのは、お前の心まで影響した本当の理由だ!」

 「…………ちょっと長くなるかもしれないけど、マジで聴くつもりなの?」

 「じゃいいや、長い話は苦手だからな。で、寝たいからおやすみ――痛てぇ!いきなり噛んでくんな!」


 ガチで眠いからちょっと仮眠しようと思ったら、急に切れたミスエラが左手を強く噛んできた。ミスエルは寝てるのであいつを振り落とせないけど、気が済んだあと自然にやめた。

 うわ……噛み跡が残ってる……

 そして、今すぐ眠りたいオレに対しての嫌がらせのように、ミスエラは長い過去話を始まってしまった。

 こっから先はミスエラが母から聴いた、一つの物語のような出会い話です。



 うるさくてしつこくて鬱陶しくてこのあと親バカと化した今回の主人公であるライガードは、好きな人が居ました。

 ライガードが好意を持ってる相手の名前はアルメリアと言うらしいです。ん?とある桃色の花と同じ名前ですって?バカもん!人のほうが先だよ!

 アルメリアに一目惚れしたみたい。まぁ、実にライガードらしい。そして怒涛の勢いで口説き始めたけど、相手はまったく気になってないというより、ライガードのことをまったく目の中に入っていないようだ。

 本人曰く、当時はライガードをただの同族で友人らしき人と思っている。むしろ、その時は別の人しか見ていない。

 憧れのあの人にもっと近づくために、アルメリアは身分を捨て彼と旅を始まった。同時に馬に蹴られるのを怯えず、その恋路を本気で邪魔したいライガードも、仲間の一人としてついて行った。

 なんという執念深いやつだろう……馬じゃなくてオーガスノービットに蹴られてよかったのに。


 旅の途中、それとも旅が終わっても、ライガードは諦めずに口説きつづけた。奇跡かあるいはライガードの愛の深さが彼女に伝わったか、やっとアルメリアの心に侵入した。

 そして、とあることによって、アルメリアは現実の残酷さを知りました。あの人への恋と憧れは叶わることが永遠にできなくなった。

 ずっと彼女の側にいるライガードは当然悲しくなったアルメリアの隙を狙って…………いないだと!?そんなバカな!

 逆に彼女を喜ばせるために、ライガードのアホは色んなことをしました。いつの間にか、アルメリアの目からあの人の影が無くなった。果たしてそれは彼女の本当の気持ちか、それとも代りもの恋かと、答えはもう訊こえないから。


 ライガードの恋はやがて開花して、アルメニア結婚して、ミスエラとミスエルを産んだあとの六年後、アルメリアは患った。それはまったく情報がない病気で、時間が経つほど、彼女の身体は徐々に結晶化している。それは見たことがなくてどこにも存在していない、淡い紫色の光を輝いてる黒い結晶らしい。

 結晶化が始まって、状況がどんどん酷くなって、その一年後にアルメリアは完全に黒き結晶と化した。

 悲しみの海に沈まれいたけど、妻はまだ生きていると強く信じているライガードは、アルメリアの結晶化を解除する手を探すために、再び旅を始まった。当時はまだ七歳のミスエラとミスエルを置いといて。

 七年間、ライガードの目には一度もミスエラとミスエルのことを映っていなかった。ずっと幻だけ見つめていた。

 もう耐えられないから、四ヶ月前、ミスエラとミスエルは家出した。そして今の状況となった、終わり。



 感想、長ええええぇぇえええええ――ッ!思ったより長えよこのバカ!!!王の話をたくさん聞かれたボスたちの気持ちもよく分かったぞ!

 また眠れなくなっちゃうじゃないか!!

 ここだけの話だ、ミスエラのお母さんであるアルメリアさんの憧れの人について、ミスエラにも名前を教えていなかったけど。あの人の名前は、アルメリアさんと同じく花の名前になったらしい、それも色が七種類ある花のようだ。

 あれ?なんかどこかで聞き覚えがあるような花だけど!?

 まさか「サイカ」という花じゃないよね!?答えがめっちゃ気になりますよアルメリアさん!!


 「………………すぅ……」


 当事者はオレの肩を枕にしてぐーぐーと眠っている。おい!オレのほうが一番寝たいやつなのに!


 「お母様がよく話したあの人は、お母様にとっての英雄らしいです。」

 「起こしちゃったか、ごめんミスエル。」

 「んん、眠れないだけです。ね、ディケイさん、質問してもいいですか?」

 「なにが訊きたい?ライガードの近況だったら知らないよ。」

 「ディケイさんって、もし私とエラちゃんが危険に遭ったら、前回みたいに助けに来ますの?お母様の英雄みたいに。」


 英雄……か、オレにとっては荷が重すぎる……

 たった一つの命でさえ守りきれなかったオレは、本当にミスエラとミスエルを守れるか?


 「心配すんな、オレは決勝戦が始まるまでずっと此処に居る、だから安心して寝てな。」


 逃げた……オレは彼女の質問に答えず、ただ逃げただけ。


 「うん…わかった、おやすみ、ディケイさん。」


 不安そうなミスエルの頭を優しく撫でつつ、身体を猫のように丸くなって寝た。

 ……オレもダメだから、んじゃ、おやすみん。



 ここはリフィックス南エリアにある、某フラグティオス貴族が持つ屋敷の一軒。

 別荘と言っても可怪しくないほど大きい庭を持つこの屋敷は、フラグティオス第一王女とその配下たちに、所有者の貴族が無料で一ヶ月ほど貸してあげたらしい。

 深夜になっても、灯火や魔結晶のライトをつけた様子が見当たりません。それも当たり前です、良い子のみんなはもう寝ていた深夜ですから。

 ですが、その方が逆に怪しいです。だって所有者の貴族がわざわざ新品に変えた魔結晶の灯と色々な物が、一度も使われた痕跡すら見つかりません。

 近くに住んでいる貴族たちが、あの屋敷から毎晩だれかの悲鳴が聞こえてきた、実に不気味で怪しいと言いました。

 それは虚言ではありません、本当のことです。


「今日は負けると思っちゃいました。で、言いたいことがありますの?」

「………………あ、ありませぐあああああぁぁああああああ!!」


 グサッと、月の光に照らしてキラキラ輝いてる鋭い剣が少年の腹あたりに刺した。

 少女は三日月と思われるような笑顔をしながら、ぬるっと抜き出した剣を先ほど刺した所を狙ってもう一度刺した。

 言うことを聞かない、出来損ないペットにはお仕置きが必要みたいですね。と少女はそう思っているかもしれない。

 なぜなら、話をしていると関わらず、少女は剣を抜き出してもう一度刺すという行為を一つの作業としか思っていません。

 剣を抜き出す度に、飛び出た血が少女の真っ白いドレスに似合わない赤色を染めあげた。偶に飛び出てきた少年の血が彼女の顔につけました。


 「あなたの記憶を覗いていましたわ、今日の対戦相手って、あなたの友人らしいですね。どうですか、死んだと思ったはずの友人が急に目の前で、自分と戦っていた感想は?さぞ複雑なのでしょう?ううん、私は怒っていません。友人と戦っていて、あんまりにも嬉しすぎだから、手加減してつい腕一本やられたおバカなあなたに怒っていませんわよ。ええ、断じて怒っていませんわ。」


 と言いつつ、その腹に何度目刺したすらもう分からなくなった剣、少女はそれを抜き出さず、刺したまま剣を回して少年の傷口をより大きくした。

 痛みを我慢したいですが、内臓がぐちゃぐちゃにされてるから、少年はやがて我慢できずさきより大きい悲鳴を上げた。

 何度も刺された傷口を充分に虐めたあと、血塗れた剣を抜き出して、より妖艶に微笑みながら、剣身の一部が赤に染められた剣を強く振り落とした。


 「ぐっがああうああうあさうあぁぁぁあああああぁああああああ――ッ!!!や……やべて…………ぐだざい………………ッ!!」


 激しい痛みと共に、少年は気がついた。残した自分の右腕が切り落とされたっと。

 涙だけではなく、痛みのせいで涎や鼻水でさえ湧き出してきた。少年の両目にも充血に見えるようになりました。


 「良い悲鳴ですわね。あなたは不死身(・・・)ですから、もっと素晴らしい悲鳴を上げて私を楽しませてくださいね。夜はまだまだこの先ですわよ、この気持ち悪くて真っ白なドレスを赤に染めさせるまで、そう簡単に寝かせませんわよ。」


 と、言い終わって、少女は別の部位に狙ってまた剣を振り落とした。


 場所は三階の一番奥にある、フラグティオス第一王女、ヴェノム=ライアーの部屋。

 灯も付けず、月の光に照らされた高価そうな部屋で、其処には彼女と一人の少年しかいない。

 そして、今夜もまた、少年の悲鳴が聞こえる。

今私ができる限りグロく書けました。

多分、それよりグロい回は、二章の終わりにありますから、

本当、期待しないでぐださい。

その時は負の感情が相当に溜まりますから。


これ以上黒くなりたくないので、別の話題にしましょう。


次回の更新日は6月のとある金曜日です。

闘技大会、最後の戦いである決勝戦、ユウシャVSペガサス、アゲイン!!


PS:深海のあとは鬼退治、次はいよいよ地底世界に行きましょう!

アガルタよ、早く実装してください!!

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