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まことの店  作者: 双鶴


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35/36

35話

イベントが終わった夜、僕と真琴はノートを開いた。

──入場者数は40人。

座席は満席、さらに立ち見も出て、店はぎゅうぎゅうだった。


入場料は2000円。ファンクラブ会員は500円割引。

売上は合計8万円。

ペットボトル販売でさらに1万円。

──合計9万円。


だが、選手への謝礼、配信協力費、運営雑費。

支出もほぼ同額、9万円。

差し引き、収支はプラマイゼロ。


「誠、黒字じゃないね」

真琴が静かに言った。

「でも、赤字でもない。数字はゼロ。

 だからこそ、一度きりの挑戦だったんだ」


観客の声は熱かった。

「選手の解説が最高だった!」

「サイン会で直接話せるなんて夢みたい」

「立ち見でぎゅうぎゅうだったけど、それも臨場感!」


こでまりがディスプレイの前に座り、尻尾を揺らした。

その姿はまるで「数字はゼロでも意味は残る」と告げているようだった。


僕はノートに書き込んだ。

──収支はゼロ。

──熱気は財産。

──一度きりの挑戦。


真琴が深く息を吐いた。

「挑戦は彩り。日常は基盤。

 このイベントは彩りとして成功した。

 でも、繰り返す必要はないね」


僕は頷いた。

──博打的イベントは、数字ではなく記憶を残した。


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