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36話
店は相変わらず儲かってはいない。
数字を見れば、黒字と赤字の境目を行き来している。
でも、潰れてはいない。
机には学生が並び、スクリーンには試合が映り、笑い声が響いている。
──活気はある。やり甲斐もある。
真琴と一緒に奮闘してきた日々を思い返す。
挑戦も失敗も、原点への回帰も、博打的イベントも。
そのすべてを支えてくれたのは、彼女だった。
けれど、結婚を考えるにはまだまだおぼつかない。
数字は不安定で、未来は揺れている。
それでも──。
「誠、今日も頑張ろう」
真琴の声に、僕は頷いた。
プロポーズに向けて、今日も一歩ずつ進む。
こでまりが机の上に飛び乗り、尻尾を揺らした。
その姿はまるで「未来へ行け」と告げているようだった。
──居場所は続いている。
儲かってはいないけれど、潰れてもいない。
活気とやり甲斐に満ちた日々の中で、僕は今日も挑戦を続ける。
そしていつか、真琴にプロポーズするために。




