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心変わり(新作エピソード)

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立 池図(いけず)女学院。


そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


あーかい部に所属するうら若き乙女の干物達は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。


『アウトオブあーかい部!』は、そんなあーかい部のみんなの活動記録外のお話……。

池図女学院部室棟、あーかい部部室。


あさぎがおつゆのたっぷり染み込んだ油揚げのようにクッタクタに背中を丸めてドアを開けると、中には白ちゃんと……、




「……みどり先輩?」




みどり先輩がいた。




「おはようあさぎちゃん。」

「おはようございます♪」


「あの、なぜ部室に……?」


「私が呼んだのよ。」


「白ちゃん先生が……?」


「だってあさぎちゃんもきはだちゃんも、『直接会ってないからみどり先輩の良さがわかんないんだー』ってうるさいし。」


「そ、そんなに、良いものでも……///」


「あんまりみどり先輩困らせないでくださいね?」


「べ、別に困っているわけでは……!?」


「なるほど、ここも鶸田(ひわだ)さんの良いところね……。」




白ちゃんは白衣の裏ポッケから取り出したメモ帳にペンを走らせた。




「ええ……っ!?///」


「いや何してるんですか。」




あさぎが白ちゃんのメモを取り上げた。




「ああ!?」


「ったく、セクハラどころじゃないですよ。」


「あ、いえ!一応私も同意は……して、ますので……。」


「鶸田さん……!」


「そこ感極まるとこじゃないです。」




あさぎは取り上げたメモをパラパラとめくりだした。




「……『物腰が柔らかい』、『敬ってくれる』、『こき下ろしてこない』、『気遣いができる』……、」


「ちょっと、なんで読み上げるんですか!?///」


「へ?同意の上なら良いかなって。」


「……やっぱ、メモはもうお終いですッ!///」




みどり先輩はあさぎからメモを取り上げた。




「新しいおもちゃが……。」


「おいこら。」


「まあ、メモの内容は覚えたんで別に良いですけど。」


「なんで暗記しちゃうんですかぁ!?//////」


「溢れる知性を恨んでください。」


「自分で言うか。」


「っていうか、メモの内容ってほとんど私たち3人への愚痴じゃないですか?」


「う"……ッ!?」


「どういうことですか?」


「みどり先輩。試しにさっきの『物腰が柔らかい』、『敬ってくれる』、『こき下ろしてこない』、『気遣いができる』を逆にしてみてください。」


「ええっと……『あたりが強い』、『ナメられてる』、『こき下ろしてくる』に『図々しい』…………あ!ほんとですね♪」


「えぇぇ……。」


「はっ!?すみません、お三方が白久(しろひさ)先生に絡んでるところを想像したら、つい……。」


「……。」


「あっ!でもなんだかわかる気がしますよ!?白久先生みたらなんとなくそんな態度とりたくなりますもん、ね……っ!?威厳なんて微塵もないですし、猛禽類みたいな目で購買のパン狙ってますし、教頭先生に怒られてるときとか細くなったフクロウみたいですし!」


「お〜、私たちへのフォローがエグい切れ味で白ちゃん先生に突き刺さる突き刺さる。」


「……へ?」




みどり先輩がふと振り返ると、白ちゃん先生はテーブルの上にの垂れて真っ白になっていた。




「あああ!?すす、すみませ〜ん!?」


「あ〜、別にいいっすよ。相応の報いなんで。」


「そうですか……。」


「……あ!そうだ。」


「何か?」


「ちょうどいいし、あれはほっといてお話でもしませんか?」


「もしかして、あさぎさんも恋を……?」


「えっ!?『あの』あさぎちゃんがッ!?」




白ちゃん復活。




「復活早くないですか?」


「だって気になるじゃな〜い♪♪あさぎちゃんの恋バナなんて!」


「じゃあそのメモを引っ込めてください。」


「ケチ。」


「もし恋バナなら私もちょっと……いや、かなり気になりますね。」


「残念ですが恋バナをする気はございません。」


「え〜……。」


「っていうか私はみどり先輩と話をしたいんですけど。」


「私とですか?」


「はい。」


「この前は私のこと、とても煩わしそうにしてたのに……どういう風の吹き回しですか?」


「まあ、ちょっと……みどり先輩に興味が沸きました。」


「私にっ、ふふ、二股をしろと……ッ!?///」


「あら、あさぎちゃんったら♪」


「あ〜大丈夫です間に合ってますんで。」


「そうですか……よかった///」


「あ〜はいはい、心ゆくまでお付き合いしてください、ケッ」


「急にやさぐれるわね……。」


「胸焼けしてるだけです。」


「お水、飲みますか?」


「大丈夫です、間に合ってますんでみどり先輩は一生そのままでいてください。」




あさぎは逃げるように部室を去っていった。




「あ〜……ごめんね?あさぎちゃん、いつもはもう少し気さくで良い子なんだけど……。」


「あさぎさんは充分良いお人ですよ?」


「え"……?」


「あ、もしかしなくても私、白久先生の知らない一面を知っているみたいですね♪」




みどり先輩もあさぎの後を追うように、そそくさと荷物をまとめた。




「では、私もそろそろ失礼します♪」




みどり先輩が部室を出ると、閑散とした部室に白ちゃんが1人、取り残された。




「……なんでマウント取られた?」








あさぎ、みどり、白ちゃん(3)




あさぎ:せっかくなんで投稿しておきましょう


白ちゃん:消せ消せ


あさぎ:セクハラの報いを受けてください


白ちゃん:いや内容的に鶸田さんのメモも載っちゃうじゃない


みどり:骨まで美味しく頂きましょう!


白ちゃん:え?


あさぎ:肉を切らせて骨を断つ……だそうです


みどり:すみません間違えました


あさぎ:本人もこう言ってることですし


白ちゃん:待ちなさい

白ちゃん:考え直すのよみどりちゃん

白ちゃん:あなたはまだあーかい部の人間じゃないの、いたずらに痴態を晒すこともないのよ!?


みどり:青春の1ページってやつですね♪


あさぎ:そうそう


みどり:いつかこれを見返して笑える日が来るなんて、なんだか素敵じゃないですか♪


白ちゃん:そうそう、だから今日のお話はいつか3人だけで見返しましょう


みどり:それもなんだかタイムカプセルみたいで良いですね♪

みどり:じゃあ投稿はやめておきます


白ちゃん:ぐあぁぁぁ……!?眩しいっ!?何だこの純粋さ……!?


あさぎ:掃き溜め

   あーかい部に欠けていたものですね


白ちゃん:そんなルビ振るな


白ちゃん:そ、れ、は、そ、う、と♪


あさぎ:明日も早いんで寝ましょう

白ちゃん:あさぎちゃんはなんで鶸田さんに興味を持ったのかな〜♪


あさぎ:うわきっつ


白ちゃん:勝手に出て来んな愚妹


あさぎ:あれれ〜?そんな態度とって良いのかなぁ?あさぎを変えたエピソード、教えてあげようかと思ったのに


白ちゃん:教えてくださいモーラ様


あさぎ:プライドとかないんか?


白ちゃん:ほらほら早く早く

白ちゃん:っていうかあんたあさぎちゃんに手ぇ出してないでしょうね


あさぎ:出すわけないじゃん

あさぎ:ちょっと星を見に行っただけだよ


白ちゃん:夜中に未成年連れ回したの?


あさぎ:まあね♪


白ちゃん:あんまり変なこと教えちゃだめよ?

白ちゃん:不良になっちゃうんだから


あさぎ:なりたくてもなれなかった人にそれ言う?


白ちゃん:今は立派な不良でしょうが


あさぎ:へへ


白ちゃん:褒めてない


あさぎ:良いじゃん不良で

あさぎ:その方が絶対人生楽しいよ?


白ちゃん:アンタねえ……!

白ちゃん:それで1人の時に事故にあったり変なことに巻き込まれたり道踏み外したら人生めちゃくちゃにしちゃうのよ?


あさぎ:すみ姉もあの人みたいなこと言うんだね

あさぎ:血は争えないってやつ?


白ちゃん:今はその話してないでしょ


あさぎ:それとも立場がそうさせんの?


白ちゃん:だから今は関係ないでしょ


あさぎ:ま、関係ないならそれで良いけどさ?


あさぎ:すみ姉はさ、あたしの人生はめちゃくちゃにされてないって思うわけ?




白ちゃん:そうは思わないけど……




あさぎ:あ〜、ごめん

あさぎ:ちょっと大人気なかったわ、子どもの前で


白ちゃん:いや、私も口うるさく言い過ぎたわ

白ちゃん:教師として止める前にもっと妹を信頼するべきよね

白ちゃん:ごめん


あさぎ:こんどサシで飯でも食べに行こ


白ちゃん:そうね


あさぎ:ごちです


白ちゃん:割り勘だバカ

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