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白くて緋い

池図女学院部室棟、あーかい部部室。


……ではなく、保健室。




「お、2人とも来たな?」


「お邪魔するよぉ〜。」


「……なんでひいろが白衣着てるの。」




養護教諭(?)ひいろ、爆誕。




「白ちゃんにここを任されたんだ。……今頃、部室で絶賛懺悔中だからな。」


「懺悔って、誰に?」


「おばさん……教頭先生にだよ。」


「白ちゃん今まで、ひいろちゃんと教頭先生が親戚って知らなかったもんねぇ。」


「別に謝ることはないと思うんだけど……。」


「縦社会かぁ……。」




「白久先生〜、あれ?いない……?」




体操着を着た生徒が保健室に入ってきた。


生徒の片膝には、拭った後こそあるものの依然真っ赤な擦り傷が、なんとも痛々しく目を逸らしたくなる有様であった。




「ああ。こっちまで歩いて来られるか?」


「はい……って、赤井さん?なんで白衣……?」




生徒はひいろのことを知っている風だった。


同時に、白ちゃんの代わりに白衣を着たひいろを見て困惑しているようでもあった。




「ひいろ顔広いよね〜。」


「そりゃあ『赤井』様だからねぇ。」


「あんまり言いふらすんじゃないぞ?おばさんに迷惑かかるのは嫌だからな。」




ひいろは消毒液と脱脂綿、絆創膏を棚から取り出す傍らであさぎときはだに釘を刺した。




「待たせたな。患部を診せてくれ。」


「あ、はい……。」


「まずは脛の出血を拭き取るが、脛は痛まないか?」


「はい。」


「ちょっと痛いけど、耐えてくれ。」



ひいろは幹部の周りに付着した血を拭き取り、絆創膏に切れ目を入れると、脱脂綿に消毒液を染み込ませ、患部に当てた。




「は……、っっ!」


「すまない……よく耐えたな♪」




痛みで目を瞑っていた生徒が再び目を開けると、患部に合わせて綺麗に絆創膏が貼られていた。




「あ……。」


「もう大丈夫。それと……これを。」




ひいろは生徒に予備の絆創膏を手渡した。




「痛むとは思うが、身体を洗うときは絆創膏を貼り替えるように。絆創膏を巻くときは端に切れ目を入れてクロスさせるように巻くと撓(たわ)まなくて取れにくい。」


「……。」


「あんまり痛むようなら無理せず病院に行くんだぞ?無理と言えば……、




ひいろは生徒の靴に視線を下ろした。




「その足もだ。靴と、靴下を脱いでくれ。テーピングをする。」


「え……!?なんでわかったんですか、そんな悪い


「と思うなら黙って脱げ。」


「……はい。」




ひいろは生徒に有無を言わせず、流れるような手つきで足首をテーピングした。




「よし!これで少しは楽になるだろう。……今日はもう早退しろ。」


「いや、


「やっぱり戻る気だったか……。なんの種目かは知らないが、そのコンディションで練習しても碌なことにならないぞ?」


「それは……、



「はあ……。ここに来たのも周りに言われて無理やりってところか。」


「そんなの関係


「頑張るのを悪いこととは言わないが、休むときはしっかり休め。キミを慕う人が心配するだろう。」


「…………、はい。」




生徒は終始、ひいろに押されていた。




「それに……、」




ひいろは無意識にか、意識してか、生徒の手を両手で覆い、生徒の瞳をまっすぐ見つめた。




「……ワタシもキミが心配だ。」


「!?…………はい///」




生徒は一瞬息を呑むと、頬が緋色に染まった。




((堕ちたな……。))




この後、ひいろが生徒をお姫様抱っこしようとしたが生徒はこれを固辞。


ひいろは生徒に肩を貸し途中まで連れ添ったようだが、保健室に戻ると最後まで連れ添えなかったことを不満げに2人にぼやいていた。


そんなひいろが着ている白衣の襟の片側に、指先で強く握ったような皺がついていたのを2人は見逃さなかった。








あーかい部!(4)




ひいろ:投稿完了だ!


白ちゃん:お疲れ様。保健室ありがとね♪


ひいろ:懺悔の方は上手くいったのか?


白ちゃん:ええっと、まあ……?




あさぎ:はいダメ


きはだ:ダメダメだねぇ


ひいろ:な、なんだよ……!?今までダメ出しなんてしてこなかったのに


あさぎ:ちょっと編集してくる


きはだ:ゆけぃ!あさぎちゃん!


ひいろ:は?

ひいろ:編集って、おい何するつもりだ!?


白ちゃん:ひいろちゃん嘘でも書いたの?


ひいろ:いや、ない!断じてそんなことはないぞ!


きはだ:足りないんだよ、『大事なところ』がねえ!!??


あさぎ:きはだ添削よろしく


きはだ:よしきたぁ!


白ちゃん:なんで今回は2人ともノリノリなのよ……


ひいろ:待て待てまだワタシ見てないんだぞ!?編集どころか更に添削って何するつもりだ!?


白ちゃん:へ〜、編集中だと閲覧できないのね


あさぎ:何って、あったことを書いただけだけど?

あさぎ:雑談した内容は丸々次回に繰り越しってことで


ひいろ:丸々繰り越しって、じゃあ何を書いたんだ!?


あさぎ:〜♪


ひいろ:答えろあさぎ!?


白ちゃん:いやほんと何してたのよみんな……


きはだ:差し替え完了ッ!!!


あさぎ:グッッ!ジョブ!!


白ちゃん:とりあえず見てみるわね




ひいろ:おい待てなんだこれは!?

ひいろ:タイトルは懺悔室のはずだろう『白くて緋い』ってなんなんだ!?///

ひいろ:もう別物じゃないか!?


きはだ:あーかい部は日常を記録する活動だからねぇ


あさぎ:池図女学院はこの活動を応援しています


ひいろ:するなぁぁあ!?///

ひいろ:これじゃワタシが口説き落としたみたいじゃないか!?

ひいろ: 消せ消せ消せ消せ


白ちゃん:ひいろちゃん……


ひいろ:違うんだ!これは2人の捏造だ!


白ちゃん:備品の数も顧問の先生の証言とも一致しているのだけど……


きはだ:だって事実だも〜ん


あさぎ:ひいろが怪我の処置をしてその子を堕とした、何も嘘はついてません


きはだ:ねえ?


ひいろ:後半はいらないだろう!!


きはだ:でもしっかり聞いたよぉ?『それに……、ワタシもキミが心配だ。』って


あさぎ:ちゃっかり手ぇ握ってたし


ひいろ:だとしてもあんな、ねっとり書くことないだろう!?///


きはだ:尺の都合だから致し方ないのさ


あさぎ:ね〜?


ひいろ:だったら雑談したこと書けばいいだろう!色々話したじゃないか!?


あさぎ:でもあんなの見せられたら


きはだ:他のことなんて書けないよぉ


あさぎ:ね〜?

きはだ:ね〜?


白ちゃん:私はとんでもないものをこの世に解き放ってしまったのかもしれないわ……

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