↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
59/82

懺悔

池図女学院部室棟、あーかい部部室。


……ではなく保健室。


白ちゃんに保健室を任されたひいろは先程手当てしたケガ人に連れ添い中……。


残されたあさぎときはだはベッドに腰かけしばし寛(くつろ)ぐのであった。




「ねえねえあさぎちゃんや。」


「……わかる。わかるよきはだ、ひいろのことだよね?」


「さっすがぁ。白衣のひいろちゃん、モテてたねぇ……。」


「さっき手当てしてもらってた先輩……完全に堕ちてたよね。」


「まったく罪作りだよねぇ、ひいろちゃんは。」


「そんなひいろに、きはだは靡(なび)かないの?」


「わたしはほらぁ、普段のひいろちゃんを知ってるから……ねぇ?」


「そりゃ靡かないなあ。」


「あさぎちゃんは普段からケータイ小説書いてるけどさぁ?」


「へ……っ!?」


「今さらビックリしないでよぉ……。」


「いやあ、ごめんごめん。隠してた頃の癖ってなかなか抜けないもんだね。」


「まあ良い……。」


「誰目線なのそれ……。」


「ねえねぇ、やっぱりもの書きしてると、口説き文句も洗練されてくのぉ?」


「それはない。」


「キッパリ言うねぇ。」


「あれはひいろの気質だよ。私だったら恥ずかしくて言えないもん……、


「「『……ワタシもキミが心配だ。』」」


「なんて。」


「わたしならお顔が本能寺だねぇ……。」


「今日はいちごパンツかぁ……。」


「これこれ、変な語呂で覚えるでない。あとイチゴ柄ではない。」


「でもモテるのはああいう人なんだろうね。」


「お?嫌味か?」


「まあ私のお顔が良いのは事実として、


「自己肯定感がチョモランマ……。」




あさぎは無言で二の腕に貧弱な力こぶを作ってみせた。




「や〜い、おまえの上腕二頭筋、かーんとーうへーーいやぁ〜♪」


「お?やるか?」


「世界で1番低レベルな激闘を〜?」


「…………、やめとくかあ。」


「だねぇ。」




2人は腰をかけていた保健室のベッドに背中から倒れ込んだ。




「ひいろって、なんかゲームの世界の攻略キャラみたいだよね。」


「確かにひいろちゃんは攻略される側だよねぇ。」


「きはだもそう思う?」


「うん。攻略キャラといえば、残念系イケメンも王道だよねえ……?」


「なんでこっち見ながら言うかなぁ……。」


「他意はない。」


「嘘つけ。」


「なんだよぉ〜。それじゃあまるでわたしが、あさぎちゃんのこと『お顔はいいけど中身が残念すぎる人』って思ってるみたいじゃないかぁ。」


「今、しれっと残念『すぎる』にランクアップしたな……?」


「ランクアップおめでとう、パラメータでもあげとく?」


「攻撃上げとくかぁ。」


「おいおい何に使うつもりだい?」


「『中身が残念なきはだ』を『〈お顔がいいけど〉中身が残念なきはだに』にランクアップさせる。」


「ちくしょ〜、ちょ〜っとお顔が良いからっ




きはだがあさぎの方を振り向くとあさぎと目が合い、あさぎは咄嗟に顔を背けた。




「……どうしたのぉ?」


「あんまり言われると、流石に照れる……///」


「…………。」


「……きはだ?」




少し黙ってきはだは不敵な笑みを浮かべると、




「お顔が良い!ぱっちり二重おでこがキュート目が浅葱(あさぎ)色襟足クルンッ、まつ毛長いうなじがセクシー首きれい


「なっ!?///ちょっ、やめ!?///」




あさぎを褒め倒した。




「首が細い鎖骨がセクシー安産型指が長いっ!!」


「きはだ、いい加減に……///」




ベッドから飛び降りたあさぎを逃さまいと、きはだも起き上がってあさぎを褒め倒しながらノロノロと追い回した。




「歯並びきれいスレンダー




「……なに、してるんだ?」




ひいろ帰還。




「ちっ、邪魔が入ったか……!」


「うわ〜んひいろ〜!」


「あさぎ?どうしたんだ?」


「きはだが、きはだが……!」


「……なんかやったのか?」


「めっっっちゃ褒めてくる!?///」


「本当か……?」


「うぅ……本当です。」


「ったく、なんでそんなこ……ん?」


「ひいろ?」


「なーーっはっはっはー!きはだちゃんわぁ……なぁ〜んにも、悪いことしてませんっっ!!」




きはだは高笑いして、両手で頭の上にバツを作った。




「……他に何かされたのか?」


「めっっちゃ褒めてきたっ!///」




喧嘩した幼児みたいに涙目できはだを指差すあさぎに、ひいろは思わずクソデカため息が漏れた。




「いや、それ以外に


「めっっっちゃ褒めてきたっ!!///」


「ほらほらどぉした〜、もっと褒め倒してやろうかぁ〜?」




「勝手にやれっ!!」


「「はぁ〜い……。」」




あさぎときはだはしぶしぶベッドに並んで腰を下ろした。




「いや仲良しかっ!?」


「それより、今日の部活について話さない?」


「そういえばまだだったねぇ。」


「切り替え早いな……。」


「よぉ〜し、じゃあ今日のテーマは『懺悔』ねぇ?」


「もう考えてたんだな。」


「じゃあひいろ懺悔して?」


「は?」


「ほらほら、詫びろ詫びろ〜?」


「いや、なんで

「わーびーろ


「わーびーろ


「わびろ


「わびろ


「詫びろ

「詫びろ




「「詫びろぉぉぉ!!!!」」




「何をだよっ!?」


「ひいろ。ゆっくりでいいから、自分の胸に手を当てて考えて?」




あさぎは澄んだ目でまっすぐひいろの目を見つめて諭した。




「まるで罪人扱いだな……。」


「大丈夫、わたしとあさぎちゃんが許さなくても、神様は赦(ゆる)してくれるよ。」




きはだも(以下略




「許さないのかよっ!?」


「だから懺悔しよ?ひいろ。」


「だから何をだよ……はぁ。」




2人揃ってよくわからないノリになったときは引き下がらないことを知っていたので、ひいろは仕方なしに従うことにした。




「……日頃の行いとかでいいのか?」


「それはそれで面白そうだからヨシ!」


「ったくなんでこんなこと……ええっと?」


「「わくわく……、」」




観念したように語りだすひいろを2人は期待の眼差しで見守った。




「この間おばさんの家に泊まったとき、ワタシはおばさんの分のハンバーグを一切れ奪ってしまいました。……ごめんなさい。」



「……。」


「……。」


「……。」




・・・・・・。




「「は……?」」


「な、なんだよ……///」




「「良い子かよっ!?」」




「いや、だからおばさんの厚意に甘えてご飯を


「ひいろちゃんにあげる前提でわざと大きめに作ってるやつだよそれぇ!」


「そ、そう……なのか?」


「サイズ差つけたらひいろは大きい方譲りそうだもんね。」


「譲るが?」


「「ほぉらぁぁあ〜。」」


「なんだよ!?」


「もうアレだよ絶対、『いっぱい食べるキミが好き』なヤツだもぉおん!」


「たくさん甘えとけっ!」


「な、なんだよぉ……。」








あーかい部!(4)




きはだ:投稿完了〜


白ちゃん:今日は部活なかったはずだけど、この前の続き?


きはだ:いえ〜す


あさぎ:懺悔だけに


ひいろ:解せぬ


白ちゃん:昨日ひいろちゃんが投稿しようとした内容?


ひいろ:確認してくる




ひいろ:もういいよこれで


きはだ:やったーーい♪


あさぎ:公認いただきましたが私から異議を申し立てます


きはだ:却下


あさぎ:なにおう……!


あさぎ:くそっ、きはだのやつ今何か執筆中にしてやがる……!


きはだ:ほれほれ諦めい


ひいろ:ワタシは諦めたぞ


あさぎ:くっそ……!


白ちゃん:また何か楽しそうなことしてるわね?

白ちゃん:それにしても教頭先生……


ひいろ:ちょっとは怖くなくなったか?


白ちゃん:だ、騙されないわよ!?


ひいろ:怖くないのに……


白ちゃん:それよりあさぎちゃんが褒め倒しに弱いの意外ね


きはだ:この一歩は非常に小さな一歩だが人類にとっては偉大な一歩だ


あさぎ:そのまま月まで飛んでいけ!///


きはだ:月まで行って帰ってきたから記録に残ってるんだよねぇ……


白ちゃん:あなたたちいくつなのよ


ひいろ:わりと一般教養じゃないか?


あさぎ:これは靡かないなあ

きはだ:こいつぁダメだ靡かねぇ


ひいろ:なにがだよ!?


白ちゃん: ひいろちゃん。ゆっくりでいいから、自分の胸に手を当てて考えてみて?


ひいろ:懺悔したのに……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。