白ちゃん旋風(新作エピソード)
池図女学院部室棟、あーかい部部室。
「喜びなさいアンタたち!」
今日も元気に部室のドアを勢いよく開け放ったのは白ちゃん。
「『たち』ぃ……?」
そして今日も打ち上げられた小魚のようにテーブルに上半身を横たえているのはきはだ1人。
「な〜んだ、1人だったの。」
「増えろとでも?」
「無理でしょ。」
「でぇ……、なんだっけ。喜ぶんだったかなぁ。……ええっとぉ…………わーい。」
「逆に悲しくなるからやめて。」
「吉報あるんじゃないのぉ?」
「ああ、そうそう。」
白ちゃんは一旦部室の外に出ると、ちょっぴり古めな扇風機を肩に担いで戻ってきた。
「おお……!そいつは、」
「扇風機で〜す♪」
白ちゃんがこなれた手つきでプラグを壁のコンセントに繋いで電源ボタンを押し込むと、扇風機の羽が回り出してほんのり涼しい風が部室に吹いた。
「ほぉ〜、こいつぁ愉快……さしずめファンだねぇ。」
「誰が上手いこと言えと。」
「……新品には見えないけど、どっかからパクって来たのぉ?」
「ちょっとね♪」
「こいつぁ悪女だぁ……。」
「良いじゃない使ってなかったんだから。」
「教頭先生に怒られても知らないよ〜?」
「そのときは土下座して靴舐めて足置きにでもなれば良いわ。」
「すげぇ、微塵もプライドを感じられねぇや。」
「いいの……!それより、この淀みまくった部室の空気をどうにかすんのが先決でしょ。」
「窓もドアも一面だし換気扇も無いからねぇ。」
「そうよ?こんな部屋にカビでも生えたらす〜ぐみんなの肺がお陀仏になっちゃうんだから。」
「まさか白ちゃんが健康面のお話をするなんて……。」
「これでも一応養護教諭なのよ。」
「お〜、さすが白ちゃん。」
「フフン♪ファンになってくれても良いのよ?」
「まさかこの扇風機は白ちゃんにやられた生徒……。」
「そっちのファンじゃないんだわ。」
「そっかぁ、じゃあ白ちゃんの謎能力で首を横に振るだけの傀儡にされた子はいないんだね?良かったぁ。」
「謎能力あったとして、それ使いたいか……?」
「……『ノー』だってさ。」
「これは『ノー』だわ……。」
2人に見守られながら、扇風機はゆっくりと首を左右に振り続けていた。
「ねえねえ白ちゃん、」
「何?」
「あ"ーーーってやつしていい?」
「飽きるまでやれば?」
「…………先にやって?」
「何で私が。」
「それは持って来た人の特権ってことで。」
「え、そう?じゃあ……、」
「ノリノリで草ァ!」
「良いじゃない別に……!///」
「うんうんどうぞ〜♪」
「っし!じゃあいくわよ……!?、ァ"
白ちゃんが扇風機の前で大きく息を吸い込んで童心と声を解放した瞬間、後ろで部室のドアが開かれる音がした。
「白ちゃん?」
「ん"ん"ッッ……!」
「風邪でも……ああ、なるほど。」
ひいろは白ちゃんの前で首が固定された扇風機を見て全てを察した。
「まあ、その……いいんじゃないか?ワタシはしばらく外に
「変に気を使わないで!?」
「や〜いアダルトチルドレン。」
「言い出しっぺはきはだちゃんでしょうが……!」
「どうしたんだこの扇風機。」
「倉庫で眠ってたやつを発掘してきたのよ。」
「部費で買ったんじゃないんだな。」
「設立したばっかの部活にそんな大金出るわけないでしょ?」
「実績な〜んにもないもんねぇ。」
「だから来年は良い家電が買えるように、頼んだわよ……ッ!」
「動機が不純だな……。」
「まあ良いではないかひいろちゃんや。まずは目指せ、羽なしサーキュレーター……!」
「扇風機2台はいらないだろ。」
あーかい部!(4)
きはだ:投稿かんりょ〜♪
白ちゃん:お疲れ様
あさぎ:今日何してたの?
ひいろ:ファンタスティックな話だな
白ちゃん:突っ込まないわよ
白ちゃん:おいなんだこのふざけたタイトル
きはだ:まあまあ
あさぎ:ついに部室に扇風機が……
きはだ:これで夏場も溶けなくて済むねぇ
白ちゃん:崇めてくれても良いのよ?
あさぎ:(ソ(卍)メ)
白ちゃん:文字化けしてない?
きはだ:白ちゃん……あさぎちゃんは今、首を横に振っているんだ
ひいろ:卍は扇風機か
白ちゃん:言われなきゃわからんわ
あさぎ:きはだは気づいてくれたのに……
白ちゃん:普通に首振ればいいじゃない
ひいろ:ここでか?
白ちゃん:あ
あさぎ:卍使っちゃったけど扇風機は羽つきのやつですか?
白ちゃん:逆に羽なしのが使われずに眠っていると思う?
きはだ:それはない
ひいろ:ないな
あさぎ:そうですか……
白ちゃん:働いて自分で買いなさい
きはだ:仕入れ値0円の顧問より
白ちゃん:おい




