#アードベッグ・ガリレオ 13
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー。
電話の向こうからこちらに呼びかける永瀬の声が聞こえてきた。
「……ハッ」
「大丈夫か?ずっと無言だったが」
「いやすまない、ちょっと作者に罵声を織り込みながらクレームを入れていたら意識が遠のいていたみたいだ」
「作者?」
「いやなんでもない、これ以上無駄にページを稼ぐとさらに話が伸びそうだ。それよりも8桁の数字って言ったよな」
「ああ」
「で、あいつは確かに私とお前にとっても大切な数字って言ったんだよな」
「ああ、確かにそう言ってた」
「なら私たちに共通するものってなんだ?お前とあいつなら宇宙関係でわかるが私は元刑事で元探偵だろ?」
「そうなんだ、だから余計にわからなくなってな」
そう考えると本当にわからなかった。
「あと共通しているものと言えば股間にぶら下がってるものしか……」
考える時間稼ぎで私がそう言うと
「下ネタじゃねえか!酔ってるのかお前は」
と怒鳴り出す永瀬に
「ああ、酔っているか酔っていないかと聞かれたら……酔ってることになるな」
「おい、真っ昼間だぞクズか?いつの間にそんな酒クズになっちまったんだお前は。この一件が片付いたら相談に乗ってやるから今だけはしっかりしてくれ!」
ごもっともな話だがバーにずっといるのにシラフなわけもない。ましてこのバーはたまにバーテンダーの本山さんも仕事中に客からの奢りで一杯やり始める店なだけにノンアルな人間などいないのだ。
「ダメもとで聞いてみるが竹田の生年月日は試したか?」
「ああ、それはとっくに試したがダメだった。あいつの嫁さんやお子さんの誕生日、結婚記念日、履歴書からここに配属された日やこのプロジェクトの立ち上げ日とか何から何まで打ち込んでみたんだが全部弾かれたんだ」
どうやら思いつく限りの数字は試してみたらしい。それにその数字じゃ竹田本人にとって大切でも私たちには無関係すぎて当てはまらない。すると永瀬が不意に
「もしかして……あいつ……浮気か何かしていて愛人の誕生日とかを自爆コードに入れてたりして……」
突拍子もなさすぎて一瞬言葉が出なくなったが
「おいおい、あいつそんな事するような奴でもなさそうだったし仮にいてもそれが正し」
「あの」
電話の向こうで女性の声がした。
次回へ続く




