#7 アードベッグ・ガリレオ 10
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー。
「はあ?」
次から次と投げかけらる事実に頭が追いつかない。
「死んだ……?」
「ああ、今救急隊が来るまでこちらの人間たちがAEDで蘇生を試みている途中だがな」
そういえば永瀬の周囲がなんだか騒々し買ったのは2つの事件が同時に起こっていたからなのだとこの時初めて理解した。真上からロケットが日本に落ち要している最中、旧友が真横で死んでいる状況で永瀬は私と宇宙探偵ホームズのテーマを歌っていたことになる。
その様子を想像しただけで様々な理由からゾッとした。前々から脳の感情を司る部分になんらかの異常を感じ取ってはいたがやはり永瀬はサイコパスだ。それは置いておきたくないが置いておくとして
「まさか……殺人……?」
一連のこの騒動、もしこのロケット墜落と竹田を殺した犯人が同一人物、または同一のグループにより計画的にもたらされたものだとしたら……妙な胸騒ぎがした。あれは私がまだ探偵社を立ち上げる前、現役の刑事だった頃からずっと追い続けていたあの……
「いや、竹田はロケット打ち上げ失敗のニュースにびっくりして食べていた餅を喉に詰まらせて死んだんだ」
「なんでこのタイミングで職場で餅食ってたんだよ竹田あああ」
計画的に餅を喉に詰まらせて人を殺すことは流石に難しい。壮大な回想シーンに突入しなくて本当によかった。どうやら私の杞憂だったようだ。
「正月のあまりを食べ切らないとって持参してたんだ。……きな粉……餅だったよ……」
永瀬は言葉を詰まらせながら餅を詰まらせた竹田のことを語っていたが
「どうでもいいわ、餅のフレーバーなんぞ今どうでもいいわ」
何より私は息が詰まりそうだった。
次回へ続く




