#7 アードベッグ・ガリレオ 9
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー。
「お前、うちの科学力なめんなよ、そう簡単に燃え尽きないように設計されているわ!原型とどめたまんま落ちてくるわ!」
永瀬は声を荒げて怒鳴るように言ってきた。
「なんで逆ギレしてんだお前は!でもあれだろ?落下地点は太平洋か大西洋とかその辺お海に落ちるんだろ?」
地球の表面積の7割は海である。そうそう簡単に地上に落ちるだなんて
「いや、落下地点を今試算したんだがもろに地上に直撃する」
間髪を容れず返す永瀬。
「……ちなみにどこに?」
嫌な予感がしながらも恐る恐るきく私。
「東京だ」
「ジャストで首都じゃねえかあああああああああああああ!」
私たちの会話を聞いていた本山さんは大きくビクッとさせた後、身体の震えが止まらない。
「大丈夫だ、俺たちは今種乃島宇宙センターにいる、こちらに被害はない」
「そっちが問題なくともこっちは大ありじゃい!」
「え?お前今まさか東京なのか?」
「そのまさかだわ!落下予測時刻は何時なんだよ?」
「あーそいつはまいったなあ、順調に落ちるなら後30分後だ」
ふと手元の腕時計に目をやる。
「お前、こんな状況とわかっててよくさっき宇宙探偵ホームズのテーマを熱唱できたな」
「まあ待て、全くお手上げってわけじゃないんだよ、ロケットが宇宙空間にまだいる間にこちらから自爆コードを入力すれば一度爆発を起こして、破片にさえできれば大気圏内で燃え尽きるはずだ。勿体ないがそうするしかない。それでなんとかなると思う」
永瀬が冷静な理由はそこにあった
「なんだ、お前脅かすなよ、一瞬本気でびっくりしたろうが」
一転して安堵の空気に包まれた気分だった。
「ただ、その自爆コードを唯一知ってて管理するの役目だったのが竹田でな」
「そうだ、竹田は?なんかお前さっき言いかけたみたいだったが」
「ああ」
「竹田がそこにいるんだろ?早くコードを入力しても……」
「その竹田はたった今死んだんだ」
次回へ続く




