#7 アードベッグ ガリレオ 8
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー。
「理由?」
段々と言葉と言葉の間に無音の時間が増えていく。
「今日打ち上げたロケットなんだけど……」
「おお」
「大気圏までは無事に飛んだんだよ」
「ああ、そうか。よかった」
「けどな……第二エンジン切り離しのあたりで不具合が起きてな……」
「不具合?」
「衛星軌道上に……その……こう……うまく乗らなかったらしくてな……」
「うん、で?」
「あのー……あれだわ……」
しどろもどろな永瀬に軽くイラッとしながら
「どれだよ?」
「ま……えっと…落ちてくるんだわ……」
思わぬ動詞が含まれて思わず
「はあ?」
と返してしまう私。そのまま続けて問いただす。
「え?え?ちょっと待て、落ちてくる?」
受験生にとっても不吉なワードが私の口から溢れたことで先ほどまで冷ややかな視線を送りながらグラスを拭いていた本山さんの手が止まる。
「ああ、間もなく推進力がなくなり再び大気圏に再突入する」
「冗談だろ?」
ため息混じりに永瀬は
「いや、マジなんだわ」
と返してくる。
「いや、でもあれだろ?大気圏突入で綺麗にバラバラになって燃え尽きるんだろ?」
何せ打ち上げに失敗したロケットだ。普通はそうだと考えてそう聞いてみた。
次回へ続く




