#6 ジャノーxoとナポレオン 6
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー
「そう、その二人が付き合ってるの知ってたのは俺くらいなもんでね。だからそれ以降常連になった彼女に別な常連客が惚れ込んじまってさ」
『ええええええええええええ?』
私と本山さんの声が同時に店内に響きわたる。
「祖父さんはその客から相談されてそりゃ悩んでね。俺に『どうしたもんか、どうしたもんか』って言ってたんだよ」
「で、どうしたんですか?」
「だから俺もさ、相手も告白するかしないかって悩んでたみたいだからいっそこうしたらどうだいって言ってやったんだよ」
「なんて?」
「酒の神様に委ねようじゃないかって。あるブランデーのxoとナポレオンを目隠しで飲み比べてどっちがどっちか当てられたら告白する、外れたら諦めるってゲームさせたらどうだいって」
「ほう」
またも相槌を打ってしまう私。
「確率は二分の一だ。それで上手くいかなきゃ相手にそれとなく身を引いてもらえる。なんせ爺さんの目線からしちゃそいつもお客さんだからな」
「そうか、それなら確かに揉めずに済む」
「井上さんさすがですね」
「なに、褒めても何も出ないぞ」
「で……結果はどうなったんですか……?」
恐る恐る本山さんが再び問いかける。
次回へ続く




