#6 ジャノーxoとナポレオン 5
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー
「男はそっから店出るまでずっとあんたの祖父さんを睨みっぱなしだったけどな。で、その日はそのまま二人で店を出てって。それから何日か経った後、女の方が一人で菓子を持って店にきてね」
「え?どうして?」
本山さんが返すと
「女の方もどうやら薄々勘づいてたらしくてトイレに行くフリをして物陰から男が自分のグラスになんか仕込んでんのみてたんだと。だから戻ったらそこから一口も付けずにいるようとしてたら祖父さんがわざと倒してくれたのに気が付いたらしくてね」
「はっはあ、それでか」
「そっからあの二人は付き合うようになったんだよ」
「えええええええ?」
驚愕の表情を浮かべる本山さん。
「知らなかった……え、それが祖母との出会いのエピソードなんです……か……?」
恐る恐る質問するのに対して
「んー……」
しばし黙る井上さん。
「どうだったっけな……?」
昭和のコントの如くカウンターについていた肘が外れる私。
「ちょっと井上さん」
「いやいやいや、俺もさ、昔の話だし常連っつってもさ、ただの客だから詳しくなんか聞けなかったしその後これが嫁ですって紹介されたりしなかったからさ。しかもその後もう一波乱あってね」
苦笑いしながらまたクイっと飲んでは続ける。
「もう一波乱……?」
次回へ続く




