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#6 ジャノーxoとナポレオン 1

警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。


縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……


BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー

「ナポレオンって美味しいですよね」


「こないだナポレオン飲んだけどやっぱり違うね」


などという言葉をよく聞くし、私自身もつい最近までは彼らと同じ感覚でこのようなセリフを知ったかぶりでよく口にしていた。


が、厳密に言えば「ナポレオン」という名の酒は存在しない。

 

どういうことかというとナポレオンは「等級」の一つであり、和牛でいうと「A5ランク」、アメリカ産牛肉でいう「プライム」といった扱いである。「○○のナポレオン」というと、「○○をスリースターやVSOPよりも長い年月、樽で熟成させてから瓶に入れたお酒」の意味であり、何年以上、樽に入れ続けるとナポレオンになるのかは各メーカー、ブランドによって異なるため一口に「ナポレオン」と言ってもその数は相当なものになる。

 

そのため、同じナポレオン同士でもどこのナポレオンなのかによって熟成年数、値段も味もバラバラで比較の仕様もない。

 

同じA5ランクの牛でも名のあるブランド牛なのか、国産黒毛和牛というだけなのか、先に紹介したアメリカ産牛肉の最上級「プライム」なのかによって全く脂も硬さも変わると解れば最初の「ナポレオンは〜」という言い回しがどのような表現なのかがご理解いただけるだろう。

 

ちなみにブランデーのランクはよく見かけるものだけあげても上からエクストラ、XO、ナポレオン、VSOP、VS、スリースター

 

と分類され各ブランドによってはさらに細かく分けられて、今挙げたもの以外の別な名称も存在する。そして同じ銘柄のブランデーでも一貫して全てのランクのボトルデザインが共通するところもあれば、ランクによってガラス瓶であったり、陶器ボトルであったりと全く異なる素材、デザインの銘柄もありバラエティに富んでいる。そこに発売何十周年、または万博開催やどこぞの皇室、王室のご結婚を祝して、などの記念ボトルまで全て揃えようとすれば一銘柄だけでもちょっとした展示コーナーの出来上がりだ。

 

ちなみに私が今日飲んでいるのはジャノーのナポレオン。このガラスのボトルから透けて見える琥珀色の……いやもうよそう。ナポレオンの説明だけでこんなに割いてしまったので味の感想を述べる余白がもはやない。というか本編に差し掛かるのがいつになく遅くなってしまうので今回は割愛させていただく。

 

美味いの一言だ。

 

ジャノーも1851年に創業してから数多くのデザインのボトルが存在しているブランデーだ。私自身、全てのボトルをまだ拝めていない。

 

その「ナポレオン」をちびちびと楽しみながら今日も今日とて行きつけのバー、モンターニャ・プレノターレに腰を落ち着けていた。

次回へ続く

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