#5 ジョニーウォーカー ゴールドラベルリザーブ 12
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー
「tって二十から変換したアルファベットだったよね?河口君」
半分船を漕いでいた河口君がビクッとして
「え?あ、は、はい、確か」
「二十ページ目って確か印字がおかしくて二重になっていた数字じゃなかったっけ?」
もう一度、本をめくってみる。やはり該当ページの二十は印字がエラーのようになっていた数字だった。
「ひょっとして二重になっているということはtを二つ使えって意味なんじゃないかな?そうしたらこのゲトー?っていうのが正解と見なしていいのかもね」
そう考えると辻褄が合ってくる。物語の舞台も『貧しい街』とあるし、出てくる単語の意味も『スラム街』だ。偶然浮かび上がるにしては都合が良すぎる。だとしたらもう一組のフォントが異なる数字はまさか……。
私はとり出した携帯電話のネット検索画面で緯度と経度を入力して調べてみた。すると
出てきた場所は確かに世間一般的には『スラム街』とされるある国のある街にピタリと重なったのだ。
「なるほどな。ここの街の中にもしかしたら……」
そのままその街を細やかに拡大してある建物がないかを調べてみる。表示を地図から写真に切り替えたところ
「あ、廃修道院がある……」
完全に目を覚ました河口君が驚きの表情を浮かべた。
「これが話の中に出てきた主人公とヒロインが愛を誓いあったっていう廃修道院なのかもね。そしてそれが暗号の答えだとしたら……小説のタイトルである『ローダンセ』の花言葉である『変わらぬ想い』がある場所に金塊がある、なんていうのは出来過ぎかな?」
なんとなくまとまった答えに辿りつけた気がしたのでジョニーウォーカーをクイっと傾ける。
次回へ続く




