#5 ジョニーウォーカー ゴールドラベルリザーブ 5
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー
昔、貧しい街に生まれた少年が交差点で信号待ちをしている車のドアを叩いては花を売る少女と出会う。二人はお互いの境遇の近さから親近感を覚え、やがてそれが恋心へ変わる。大人になった二人は花を売る生活から抜け出すことと、永遠の愛をその街の中で廃墟と化した修道院のマリア像に近い街を出て。
「……それから少年だった彼が立ち上げた事業が大当たり。フランチャイズ化もうまくいってそれでこの本を出すまでに至ったっていうのがアランさんの半生らしいね」
ここまで読み解くまでに数分は要したかもしれない。
「早っ。先生にそんな特技があったなんて」
空いた口が塞がらない様子の河口君を見ながらさらに私は続ける。
「しかしその間に花売りの少女だった奥さんは亡くなってしまったと書いてある、それできっと色々思うところがあったんだろうね。タイトルのローダンセ。花言葉は『変わらぬ想い』だから」
パタンと一度本を閉じる。
「けどこれ、単なる自伝小説にしか読み取れなかったけど本当にここに金塊の在処が隠されてるの?」
河口君に問いかける。
「ええ、間違いありません、そうテレビで言ってましたもん、間違い無いですもん!」
力強く訴える彼に
「どんだけテレビを信じてるんだ。そういうのは話半分に聞いておくもんなんだよ」
頬杖つきながら今度はゆっくりとページをめくっていく。すると何か妙なことに気がついた。
次回へ続く




