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#5 ジョニーウォーカー ゴールドラベルリザーブ 4

警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。


縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……


BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー。

「先生……渡航費用と滞在費とスタッフ人件費とあと息抜きにラスベガスで賭けるための軍資金貸してください……」

 

「最後のが特に嫌だがそれ差し引いても持ってないから貸せないよ、諦めなさい」

 

その言葉に反応するように本山さんが新しい氷を削りながら口を挟む。


「河口さん、諦めたらそこで試合終了ですよ」


「だから試合終了とか以前にコートにすら立ててないんだよ。メンバーも揃ってないわユニフォームもないわって状態なんだから。バスケのルールブックだけ片手に一人すっぽんぽんなんだよ彼は」

 

例えが過激すぎたのか氷だけを見ていた本山さんは驚き、顔を上げて

 

「え、河口さん今すっぽんぽんなんですか?あっ」


 と彼を見る。思わず力んで氷はまたも砕けた。


「失礼な、全裸じゃありませんよ、安心してください、履いてます!」


呆れながら私は

 

「だから例えだって言ってんの!バスケマンガ読んで何にも準備できてないのにバスケがしたいですって言ってるようなもんなの」


こんなコントをするためにこのバーに来ているわけではないのに。ため息をつきながら


彼から本を借りる。


「でも本自体も謎も面白そうではあるからちょっと貸して」

 

本を借り受けた私はそのまま親指を引っ掛けて高速で何度もパラパラと本をめくる。

 

「先生、何してるんですか?」

 

「読んでるんだよ、速読ってやつ」

 

「そんなこと出来るんですか先生?」


 驚く河口君を尻目に私は高速で捲れ上がるページの上に浮かぶ本のストーリーの映像に集中し始めた。


「そう、昔こういうのを教えてくれるところがあってね」


本の文字を高速で読めるようになると文字から映像を連想することができるように脳はできているらしい。例えば『道路を走るバス』という文字を拾い上げるとページの上に走るバスの映像が浮かび上がり、映画を見ているような感覚とそれよりも早いスピードで物語を理解できるようになるのだ。


それでこの本の大筋がわかってきた。

次回へ続く

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