#5 ジョニーウォーカー ゴールドラベルリザーブ 2
警視庁捜査一課から退職し探偵社を立ち上げ、その後引退した男が血なまぐさい生活から切り離された落ち着くBARを見つけたところから始まるストーリー。
縁を切ったはずの世界から舞い込む事件がまとわりつく……
BARから出ずに推理するテレワーク探偵のミステリー。
「ローダンセ。アラン・ロドリゲス・ジュニアっていうアメリカの富豪が大体六十年前に出した自伝小説なんですよ」
自慢げに語る河口君。
「へえ。で、これが事件とどう関係あるの?発見された死体の遺留品?」
私の名推理が早くも炸裂し
「いえ違います。この作品は自分と奥さんとの出会いから事業が成功するまでの半生を描いてるだけだと思われていたのですが本人が亡くなる直前に実はこの本の中に約五キロの金塊を隠した場所を示すヒントがあると言い残してこの世を去ったんです」
興奮気味な河口君は私の推理を否定し、そう説明した。
「五キロ?」
金相場は日本でも上り調子の様で、今日現在でも一グラムは余裕で万単位である。それの五キロだから五千グラムで……。
「てことは……?」
桁の違いに驚く。
「そうです、見つけられたら大儲けですよ」
彼がそう言い残してからこの本の売り上げは急増し、世界中で訳されて今もなお売り上げを伸ばしているのだそうだ。もちろん金塊は未だに見つかっていない。その事実とともに先日のテレビ番組で特集が組まれたのを見た河口君がネット販売で取り寄せ、受け取った勢いでここまで来たのだという。
次回へ続く




