リラへの婚約話
私はお茶会が無事終わり、ほっとしていた。きっとユリアス殿下は私のことをあまり好いてはいないみたいだった。なにせあんな態度なのだから。婚約が何とかとか言っていたが、それについては大丈夫だろう。
さっそくお父様から話があった。
「リラ、話がある。」
「はい、何でしょうか?」
「ユリアス殿下はお前とは婚約しないようだ。」
よかったあ。私はとても安堵した。これでひとまず安心。
「そうですか、てかあれは婚約するかしないかを検討するお茶会だったのですか?」
「すまない、あえて伝えなかった。先日あった大きなお茶会の時点である程度の目星はつけられていたのだよ。そしてリラはその対象だったから、そういう会になっただけだ。」
「はあ。話はそれだけですか?」
「いや、それがもう1つあるんだ。」
「実はお前に婚約話が来た。」
「はい?それはさっき断られたのでは?」
「それとは別の話で…」
なんですかそれは?聞いてない、そんなこと。
「とりあえずこの手紙を見てくれ」
私の前に一通の手紙が置かれた。それの送り主は
「クレイン・クラヴィーア?うん?クラヴィーア!?これはいったい誰ですか?お父様」
「クレイン様はユリアス様の弟にあたるお方だ。つまりこの国の第二王子」
え?第二王子?
「なんでそんな人から婚約話が?私、会ったこともありませんよ。」
「それは私もだったんだが、とにかくその手紙を読んだら分かる。」
手紙にはまだ少し幼さが残る字で文章が書かれていた。これを書いた人は第二王子殿下なのだし私より年下なのだろう。手紙を読み終えると私は大きなため息をついた。クレイン殿下は私がバイオリンを弾いている時にこっそり覗いていた人物らしい。それで…
まずい。どうしよう。私は記憶の中から攻略対象に関する情報を探していた。彼は攻略対象の中に、いた。確かにいた気がする。どうしたものか。これはまずいよ。婚約は受けるわけにはいかない。よし、こうなったら断るしかない。そうするには、
「お父様、私、1回このクレイン殿下に会ってみようと思います。返事はその後でします。」
「分かった。すでにこうなることを予想して会う日は決めてある。あ、今度は忘れるなよ?」
「何をですか?」
「この前みたいに練習に熱中して…」
「あああ!分かりました。気をつけます。」
その翌日、リラと会う約束ができたクレインはおおいに喜んでいた。そして、今から何を話そうかと考えていた。まったく、恋というのは不思議なものだ。
そしてその後ろでは浮かれているクレインをユリアスが微妙な顔つきで見ていた。




