学園に入学
ついに学園の入学式の日がやってきた。それにしても可愛いな。私は新品のローブを見ながら思っていた。ローブは真っ白で紺色とグレーのラインが入っている。ところどころにある刺繍も綺麗だ。
王立学園には制服がない。そのかわりに指定のローブがある。まあ、制服だとデザインが大変よね。そりゃ、ピンクの髪の人と緑の髪の人両方に似合う制服を作るだなんてものすごく大変だから。リラはもちろんその作ることを難しくしている側なのだが…
入学式が始まった。私は式の類は面倒くさくてあまり好きではない。だって人の話長すぎるんだよ。あんなん真面目に聞いてられるか!そのため日本にいたときはいつも考え事をしていた。前に読んだミステリーのトリックを思い出したり、勉強の内容を思い出していた覚えがある。そういえばこの世界には桜はないみたいだ。日本に住んでいた私にとっては入学式と桜はセットだったから少し物足りない。
この学園にもクラスというものがある。家柄と学力がバランスよくなるようになっていて、この学年は4クラスあるみたいだ。
私のクラスは1組だった。
1組。なんか分からないけど1組は好きだ。1番という感じでかっこいい。
教室に行くとたくさんの人がいた。みんな友達らしき人と話している。誰かに話しかけれる勇気は、私にはない。
適当な席に着くと後ろに見慣れた顔があった。
「ユリアス殿下、1組なんですね。」
「お前と一緒かよ…」
「そんな嫌な顔しないでください。私は一応知り合いがいたことに安心しているのです。」
「お前、友達いないのか?」
「…いや、私の家は少し外れたところにあるから同年代の子供と会うことがなかったんです。」
「今のところぼっちというわけか。」
「そういう殿下は友達、いるんですか?」
「他のクラスにはいる。」
「結局あなたもぼっちですね。でもよかった。ぼっちが自分の他にもいて。」
「王子をぼっち呼ばわりするなんて…」
はあ、殿下がいてくれてよかった。ぼっちであってももう1人ぼっちがいることで心の余裕はだいぶ変わってくる。私は珍しく殿下に感謝していた。
入学してから2日がたった。友達は…まだいない。いや、でも仲良くなれそうな子は見つけたし、と心の中でいいわけをしていた。
実は今日、楽しみなことがある。それは委員会決め。この学校には図書委員会がある。前世から本が大好きだった私は何としてでも図書委員会になりたかった。
「それでは今日は学級委員長と委員会を決めます。立候補したい人はいますか?」
「はい!」
私は挙手した。みんなの視線が集まる。うう、恥ずかしい。
「図書委員をやりたいです。」
「図書委員ですか。女子の皆さん、他に図書委員をやりたい人はいませんか?」
委員会は女子と男子1人ずつやる。中学生の頃を思い出すなあ。
「いないみたいなので、女子の図書委員はリラ•ハーペストさんとします。」
よっしゃ!図書委員会ゲット!立候補したかいがあった。私はこのことに浮かれて自分の相方、つまり図書委員の男子が誰なのか聞いていなかった。
ミルトン•アーヴェル。図書委員の男子はその人だった。確か彼は隣国からの留学生だったはず…
前髪に隠れて顔はあまり見えない。ただ、真っ黒の髪と銀の眼鏡が印象的な人だった。
そして一瞬、彼と目が合った気がした…私はそのときに見たサファイアのように青い瞳の色が頭から離れなかった。




