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オカリナ王国〜音楽の力が全てのこの世界で〜  作者: 早乙女リリィ
第 I 楽章 オカリナ王国〜自由と優しさ〜
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13/45

第12小節目 ♫ 【題名募集中】

 このエピソードに合う題名があれば、よろしければコメント等で教えてください^^

 無かったら、思いついた時にいつか付けます笑


 「そうだったのか、本当にありがとう。

 君がいなければ、今頃ボクは…。」

 クロウリーは、ユーリとコウモリたちが自分を見つけ、助けてくれたことに感謝の言葉を口にした。

 「お礼なんていらないです。」

 少女は軽く首を振った。


 そして彼はふと、包帯が巻かれている左手が何の痛みもなくスプーンを使えていることに気がついた。

 昨夜のことを思い返すと、粘土の中に埋もれた体は満身創痍だったはずだ。

 それなのに、今はどこを動かしてみても違和感すらない。


 「不思議だな。昨日はあれだけ痛かったのが嘘みたいだ。」

 クロウリーのつぶやきに、食卓の向こうでスープの木皿を片付けていたユーリが答える。

 「痛み止めの薬を飲ませましたから。それが効いてるんだと思います。」

 彼女は皿を重ねながら言葉を続ける。後ろ姿でその表情は見えない。

 「でも治ったわけじゃないですがら、無理はしないでくださいね。包帯も、まだ取っちゃだめです。」

 そして片付けが終わったのか、またクロウリーの方へと向き直り、ベッドの側に置かれた小さな椅子に腰掛ける。


 「それより、お名前を聞いても?」

 ユーリが話題を変え、クロウリーは一瞬迷ったがすぐに答えた。


 「クロウリー。

 クロウリー・クレイモア。

 オカリナ王国の、王子だ。」

 その言葉に少女の眉はわずかに動いた。

 「王子様、だったんですね。お名前をだなんて、失礼しました。」

 彼女はこの時まで、青年が自国の王子であるということを分かっていなかったようだ。


 「まあ、あんな泥だらけじゃあとても王子には見えないよねぇ。」

 クロウリーは特に気にしていないように、自嘲する笑みを見せた。

 「そういえば、君はオカリナを吹いたりはしないの?」

 そして彼はふと思いついて尋ねた。

 だが、それに対する彼女の返しはあまりにあっさりしたものだった。


 「私、オカリナは吹けないし、吹かないんです。」



 つづく


 

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