第12小節目 ♫ 【題名募集中】
このエピソードに合う題名があれば、よろしければコメント等で教えてください^^
無かったら、思いついた時にいつか付けます笑
「そうだったのか、本当にありがとう。
君がいなければ、今頃ボクは…。」
クロウリーは、ユーリとコウモリたちが自分を見つけ、助けてくれたことに感謝の言葉を口にした。
「お礼なんていらないです。」
少女は軽く首を振った。
そして彼はふと、包帯が巻かれている左手が何の痛みもなくスプーンを使えていることに気がついた。
昨夜のことを思い返すと、粘土の中に埋もれた体は満身創痍だったはずだ。
それなのに、今はどこを動かしてみても違和感すらない。
「不思議だな。昨日はあれだけ痛かったのが嘘みたいだ。」
クロウリーのつぶやきに、食卓の向こうでスープの木皿を片付けていたユーリが答える。
「痛み止めの薬を飲ませましたから。それが効いてるんだと思います。」
彼女は皿を重ねながら言葉を続ける。後ろ姿でその表情は見えない。
「でも治ったわけじゃないですがら、無理はしないでくださいね。包帯も、まだ取っちゃだめです。」
そして片付けが終わったのか、またクロウリーの方へと向き直り、ベッドの側に置かれた小さな椅子に腰掛ける。
「それより、お名前を聞いても?」
ユーリが話題を変え、クロウリーは一瞬迷ったがすぐに答えた。
「クロウリー。
クロウリー・クレイモア。
オカリナ王国の、王子だ。」
その言葉に少女の眉はわずかに動いた。
「王子様、だったんですね。お名前をだなんて、失礼しました。」
彼女はこの時まで、青年が自国の王子であるということを分かっていなかったようだ。
「まあ、あんな泥だらけじゃあとても王子には見えないよねぇ。」
クロウリーは特に気にしていないように、自嘲する笑みを見せた。
「そういえば、君はオカリナを吹いたりはしないの?」
そして彼はふと思いついて尋ねた。
だが、それに対する彼女の返しはあまりにあっさりしたものだった。
「私、オカリナは吹けないし、吹かないんです。」
つづく




