第11小節目 ♫ ふたり合わせて
ユーリがクロウリーを見つけた昨晩。
夜の森は静寂に包まれていたが、ユーリが狩りをするのには都合が良かった。
彼女には二羽のコウモリがおり、夜でも森を案内してくれるのだから…___。
昼に仕掛けた罠の様子を見に、川辺を進んでいくと、二羽のコウモリ___(二羽合わせて、名を『バッツ』と呼ぶ。一羽がバッツでもう一羽が別の何かというやけではなく、二羽で『バッツ』である)が、不意に鋭く鳴き始めた。
「どうしたの、バッツ?」
バッツたちは、川の向こうへと行きたがっているようだった。
ユーリはその動きに戸惑いながらも、慣れた足取りで川を渡る。
するとバッツたちは先の木々の間を抜けるように低く飛び回り、ある一点の空中で、羽ばたきながら止まった。
「ここ…?」
恐る恐る進むと、ユーリの足は何か柔らかいものに触れた。
しゃがみ込んで手を伸ばすと、それは粘土にまみれた何か___いや、誰かだと気づいた。
「これは!」
その者の胸に耳を当てると、確かに心音は聞こえる。
「大丈夫ですか、聞こえますか…!」
返事はなかったが、彼女はすぐに体を支え、やっとの思いで彼を引き起こした。
「待っててね、助けるから。」
バッツたちが再び飛び交い、家への道を示そうとしてくれているかのようだった。
ユーリはそれに続き、クロウリーを抱えながら静かに暗い森を進んでいった。
つづく
コウモリは英語で、「バット」と言いますね。
複数形だと…。




