↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
30/31

絶体絶命

 




 そして二人がディアボロスに体を向けると、ギルド『黒い爪痕』の

  メンバー三人が、襲われてベキベキと音をたてながら

  食べられていた・・・。


 「うは」「マヂか」

 「どうした?」「セルアル、ひょっとして怖いのか?」「震えてるぞ?」


 「正直言うと、怖いですね」「勝てないと思える程の相手ですから」

 「でも、俺はあの化け物よりもっと怖い人を、知ってますから」


 するとクレハが大声で笑い出した。

 「言うじゃない」「確かに、ミルセさんの方が怖いかもね」

 

 そして、二人はゴクリと息を飲み、ディアボロスと対峙したのだった。

 



 セルアルが剣を、クレハが斧を構えて、隙をうかがっていると

  突然、ディアボロスが二人の目の前に現れて、拳を振り下ろした。

  その動きにセルアルが、反応できてないのに気付いたクレハが

  自分も避けながら、セルアルの肩を押した。


 「うわっ!」

 セルアルは、クレハのお陰で命拾いをしたが、肩を押した事で

  逃げきれなかったクレハの左腕が折れて、ブラブラと揺れていた。

 

 俺が、気付けなかったせいでクレハさんの腕が・・・。

  俺を、助けたせいで・・・。


 左腕が折れて動きが鈍ったクレハを、ディアボロスは見逃さず

  一瞬でクレハの前に移動すると、再び拳を振り下ろした。

  クレハはその拳を交わして、腹部を狙って斧を振ったが、片手で力が入らず

  少し傷がついた程度だった。


 クレハはすかさず、後ろに飛ぶと火の魔法を、ディアボロスに撃ちながら

  セルアルの方を見て、口を動かした。


 「『に・げ・ろ』と」


 セルアルの鼓動は高鳴り、嫌な汗が流れ落ちた。

  俺では勝てない、だから逃げるしかないのか?

  クレハさんを、仲間を、見捨てて逃げる?

  あり得ない。

  

 「早く逃げろ〜」

 叫んだクレハの体に拳が減り込み、地面に崩れ落ちたクレハの頭を掴むと

  ディアボロスが、口を大きく開けた。

 

 その時、クレハを掴んでいた腕に、セルアルが剣を振り下ろすと

  ディアボロスの腕は地面に転がり落ちて、妙な悲鳴を上げてる隙に

  セルアルがクレハをスハノの元まで運び

  再びディアボロスの前に立った時、切り落とした腕の傷口から

  新たに腕が生えてきていた。


 「うわ」「マヂか」

 だけど、オーラを纏わせたこの剣ならアイツを切れるのが分かった。

  ブンっと剣を一振りして、ディアボロスと向き合った。


 

 その時、冒険者の兄の治療を終えたスハノが、ディアボロスからは

  見つからない場所で、クレハの治療をしていた。


 「あ〜私は生きてるのか?」

 力のないクレハの声に、スハノが何度も頷いた。


 「セルアルが、光を纏った剣で腕を切り落として

   助かったみたいです」


 「そ、そうか」「す・すごいね」


 「はい、あの剣なら、ディアボロスにも勝てますよ!」


 「そうだといいけど」「ディアボロスは、そんなに、甘く・・・」

 そこでクレハは意識を失った。

 

 そして、ゴクリとスハノは息を飲み、祈った。

  神様どうか、どうか、セルアルをお守り下さい。



 オーラを纏わせた剣であれば、ディアボロスの体は切れるが、クレハの懸念通り

  決して甘い相手ではなかった。


 自分の腕を切り落とした剣を警戒したディアボロスは、セルアルから離れた場所から

  幾つもの岩を投げ始めて、セルアルが体勢を崩したのを見計らい

  オーラを纏った剣を弾き飛ばして、拳を腹部に叩き込むと

  セルアルは、後方に飛ばされて地面を転がった。



 



 ミルセに拾われてから、セルアルが十歳を迎えた頃。

 「いいか、セルアル」「誰もが、固有スキルってのを持ってる」


 「固有スキル?」


 「ああ、だからそのスキルを活かせる職業を選ぶ奴が多いな」

 「分かり易いので言えば、親が鍛冶屋の子供には、鍛冶スキルが継承されたりな」


 「え〜じゃあ、僕のスキルは何?」


 「それは、まだ分からねぇかな」


 「え〜じゃあ、ミルセ姉さんのスキルは〜?」


 「実はな」「自分でも分かってねぇ〜」


 「え〜意地悪言わないで教えてよ〜」


 「イヤ、マヂでな稀に自分でも分かってねぇ奴もいるんだよ!」



 そして『ハッ』と気付くと、ディアボロスがノシノシと

  ゆっくり近付いて来ていた。

  

 俺はどれ位気を失ってたんだろう。

  それに、どうしてあんな事を思い出していたんだ…。

  自分でも分からない、固有スキルの事なんて。


 「くそ」「こんな所で殺されてたまるか」


 フラフラになりながら、立ち上がったセルアルの腹部を、今度は

  足で蹴り上げられて、そのまま仰向けに倒れた。


 「やら・れで・たま・るか」

 それでも、フラフラになりながら立ち上がるセルアルを見て

  ディアボロスの口元が、ニヤリと笑うとセルアルの首を掴み

  何度も何度も、地面に叩きつけ始めた。


 そして、セルアルの体が『ビクビク』と体が痙攣するのを

  目にしたディアボロスは、そのまま地面に投げつけると

  空を見上げて、咆哮を上げたのだった。


 

    

  

 

  

   

  

  


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。