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ミラー救出

  

  「そ、そうか」「スハノは、魔法で事足りるから

   武器は必要ないか」

  「それじゃあ二人共、一応気合い入れて行くよ」


  「はい」


  「はい」


  そして、カルラと共にミラーを守る為と、二度とミラーの様に

  辛い思いをする子供達を出させない為、奴隷商人の捕縛に向かったのだった。

  


  

 カルラ達が向かった先は、冒険者協会から馬車で約五分程

  王都で二番目に大きいと言われている市だった。  

   

 「あのそれで、子供達に頼み事をしたと言われましたけど

  子供達に、危険は及ばないのでしょうか?」


 「ん?」「お前はこの私が、ガキ共…子供達を囮に使って

  危険な目に遭わせると思ってるのか?」


 カルラがスハノをギラリと睨むと


  「いえいえ、そんな事は微塵も思ってないです」

   ってかカルラ様は、危険じゃないと思ってても

   子供達にしてみれば、危険だと感じてるんじゃ・・・とか

   絶対言えるわけないし…


  「大丈夫だよ」「心配するな」


  「は、はあ」


  そして現場に着いた、セルアルとスハノは呆然と立ち尽くした。

   それは大勢の子供達がミラーと同じローブを着て、フードを深く被り

   歩いていたからだった。

  

  「こ、これは・・・」

  セルアルが、ただ呆然と周りを見渡していると


  「流石は、カルラ様!子供達に近付く不審な人物を

   見つければいいのですね!」

 

  「ああ、成る程」

  スハノの言葉でやっと、カルラの意図が把握できた。


  「やぁケルト、ここに居たか」「どう?1人位見つかったか?」


  カルラが気安げに話し掛ける相手を見て、セルアルは驚いた。

   え?騎士団長じゃないか!謝罪に来たとかは、言ってたけど

   しかも呼び捨てって…


  「なぁ、あれって騎士団長だよね?」「揉めたりしないのかな」


 スハノにぼそっと囁く様に呟いた。


  「そう言えば、セルアルは知らないわよね」

  「ケルトさんもそうだけど、騎士団員の中にも、冒険者を

  やっていて、引き抜かれた人は多いのよ」

  「ケルトさんとカルラ様は、同じギルドに所属していてね

  その時に、本当はカルラ様に話があったらしいんだけど

  堅苦しいのは性に合わないって、断ったらケルトさんに

  話が回ってきたそうよ」


  「成る程ね」

  堅苦しいのは性に合わないか、まぁミルセ姉さんを

   見てたら分かる気もする・・・。

 

  「それで、騎士になって何年か後に団長に抜擢された時

   カルラ様、言ってたわね」

  「あんなショボい奴が団長って、騎士団も落ちぶれたわねって」


  「そ、そうか」

  なんか可哀想だな・・・団長さん。


  「おい、お前ら」「やっぱこいつら使えないから、私達も探すわよ」


  「分かりました!」


  「は、はい」

  スハノは、元気よく返事をしていたが、セルアルは思った。

   もうちょっと、言葉を選ぼうよ・・・と。辛辣すぎる。

    

  その時上空に向かって、火の玉が飛んで爆発すると同時に

  「助けて〜〜」

  カーシェの叫び声が、響き渡った。


  カルラ・セルアル・スハノの三人は、カーシェの声と

   火の玉が上がった位置から、おおよその場所を把握して

   一気に駆け出した。

 

  ミラ〜。カーシェ。どうか無事でいてくれ。

   三人が心で呟きながら現場に到着すると、倒れている

   カーシェの腹部に剣が刺さり、大量の血が流れていた。


  「おい!カーシェ!」「大丈夫か!」

 

  「セ、セルアルさ、ん」「ご、ごめんなさ、い」

  「私、守れなかった」「ミラーは、北門に」


  「何言ってんだ!」「お前が守ったから、俺達が間に合ったんだろう!」

  「待ってろ!直ぐに治してやる」

 

  手を翳して呪文を唱えようとすると、カーシェが首を横に振った。

  「じ、自分で治せる。ミラーを…」

 

  「こんな大怪我、自分で治せる訳ないだろう!」


  「本当は私が捕えたいが、ミラーはお前達の仲間で家族同然だろう」

  「カーシェは私が治すから、お前達で必ず取り戻して来い」

 

  セルアルとスハノが顔を見合わせて、頷いた。

  「はい!」「カーシェをお願いします!」


  直ぐにカルラは、呪文を唱えてカーシェの治療を始めた。


  北門に向かって走り出したセルアルの速さに、スハノは着いていけなかった。

   毎日鍛えて、走り込みも欠かさずやってる。

   走りで負けた事はないのに。それなのに、何よ、この速さは…

   これがミルセ様の元で十年間しごきに耐えたセルアルの実力なの・・・。

  

  「居た!アイツらだ!」

  セルアルは高く飛び上がり、ミラーを抱えてると思われる人物の前に

   飛び降りた。


  「ミラーを返してもらおうか!」


  「返す?」「お前は馬鹿か」「コイツは、商品なんだよ」

  「それに、元々コイツは俺達の物なんだよ〜」

  そう言うと、横に居る男性に指示を出した。

  「おい、コイツを確実に殺せるのを呼び出せ」


  「へい」「お任せください」「イヒヒヒ」

  下品な笑いを浮かべながら、杖を前に差し出すと

   地面に出来た黒い大きな歪みから、二メートルを超える

   ミノタウルスが三体、地上に姿を現した。


  「お前達、よく召喚に応えてくれたな」「そこに居る男を殺せ!」

  「その後で、この町の住民達を腹一杯喰らうといい」


  

  すると、それぞれが手に大きな斧を握りしめたミノタウルスが

  「フゥ〜」「フゥ〜」と荒い息を吐きながら、セルアルを睨みつけた。


  

  

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