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収納力ゼロ、僕の空間収納で物は収納できません。  作者: 士口 十介
獣人の国

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露天と討伐

依頼内容と報酬を聞いたジュリアは少し考えこんでいる。


「一流刀鍛冶の作品か……報酬は全く問題ないですね。あとは……。」


「「あとは?」」


キョウカとゼフィールが尋ね返す。

彼ら二人からすると何か問題があるのか気になるのだろう。


「この国での探索や討伐の許可ですが・・・ニコラ、いつから可能でした?」


僕はサカイの領主から貰った許可書を確認する。

商業許可以外の許可書には探索や討伐許可手に入れていた。

それが必要になるのは露店商が一息つく頃と想定していた為、

動けるのが五日後になっている。


「五日後ですね。明日から露店商の予定でしたから。」


「「えー!」」


「ついでに許可書無しだと国家間の問題に発展する可能性がありますので禁止ですよ。」


ジュリアが二人に釘を刺すと同時にこちらを見る。

僕はガッカリしている二人を横目に、ジュリアと目を合わせ頷いた。


「……ジュリア、偵察は関係ないよな?」


「「!!」」


「そうですね、ニコラ。ただ単に観光をしているのなら問題ありませんね。」


「「そ、それじゃ!!」」


「ただし、戦闘は禁止。本格的な攻略は五日後から。そう考えて露店や必要物資の補給、その後に偵察をお願いします。」


「まかしときー!!」「心得た!」


キョウカとゼフィールの二人は胸を叩いた。



僕達は翌日から露店での商いにとても忙しかった。

魔導帝国の時とは違って、磁器よりも織物や敷物が良く売れる。

中でもキョウカは商いに縦横無尽の活躍を見せ予想の倍以上の売り上げを見せた。

その夜、僕は商品のジュリアと在庫の確認をしていた。


「この分では予定よりも早く売り物がなくなりますね。」


「アルバートさんに手紙を送りましょうか?」


「いえ、必要は無いでしょう。元々の目的は、暗黒大陸の調査です。」


「では、必要最小の交易品分を残して、後は食料や水を積み込みですね。」


「はい、その様に手配をお願いします。」


今後の商いの方針を打ち合わせした後で、討伐の打ち合わせを行う。

とは言っても、討伐すべき相手が要る鉱山はサカイの町から自動車でも二日はかかる。

徒歩なら五日だ。

討伐に関して今できるのは僕たちが乗る自動車の手配と偵察要員が抜けた穴の調整である。


「自動車の方は騎士団に頼み、借りることが出来ました。ただし、騎士が二人同乗し、僕たちを鉱山に送った後、サカイに戻るそうです。」


「想定内ね。鉱山迄の道中を短縮できるだけでも大きいわ。彼らの駐屯地はサカイかダザイになるはず。当面、必要にならないと考えたのでしょう。」


「次に偵察ですが、キョウカとゼフィールそれにマロリオンと一緒に出ました。」


「マロリオンが一緒なら無茶はしないでしょう。でも三人も抜けると商いの方に問題は出ませんか?特にキョウカの抜けた穴が……。」


キョウカはあの話し方でお客を引き付け商いに繋げており、多大な貢献をしている。

ジュリアは彼女が抜けた事での損失を考えているのだ。


「いえ、その問題は極めて小さいです。抜けた分は今日埋めて行きました。」


「あら、そうなの?それなら、これからのキョウカの仕事量は多少増やしても大丈夫ですね。」


キョウカ 「!!」


ゼフィール「どうした?キョウカ。いきなり飛び上がって?」


キョウカ 「いや、ごっつう嫌な感じが……。」


ゼフィール「偵察だから心配は無いと思うけど?」


キョウカ 「そっちちゃうねん。何やろ……。」

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