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収納力ゼロ、僕の空間収納で物は収納できません。  作者: 士口 十介
スキルの習得

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精神限界まで使ってくれたまえ。

キュアさんがカード型魔道具に付与した呪文は


火魔法の火炎弾(フレームアロー)、

雷魔法と加速魔法の複合魔法である、雷鳴(サンダークラップ)、

付与魔法の武器威力上昇(エンハンスダメージ)


の三つだ。


「まず何故この三つなのかを説明しよう。」


キュアさんはカードに付与した魔法について説明してくれるようだ。

それぞれの呪文の解説もついでに頼んでおこう。


「む、解説か。知らないなら仕方がない。」


キュアさんは仕方が無いと言っているが少し楽しそうだ。

魔導士の中には魔法について熱く語る人たちがいるのを聞いたことがある。

キュアさんもその類なのだろうか?


「火炎弾(フレームアロー)だが文字通り火の矢を打ち出す呪文だ。

消費する精神も2とかなり低い。

次に複合魔法の雷鳴(サンダークラップ)、雷鳴と電撃によりダメージを与え麻痺させる。

これは複合魔法なため初級の物であるが消費する精神も5と少し高い。

その代わり、火炎弾(フレームアロー)が単体なのに対し、こちらは範囲攻撃だ。

最後に武器威力上昇(エンハンスダメージ)、対象となった武器でのダメージが上昇する。

消費する精神は2だ。」


キュアさんはそれぞれの呪文を簡単に紹介してくれる。

思っていたことは杞憂だったらしい。


「次にこの三つを付与した理由だが、

一つ目は基本呪文と言われる火炎弾(フレームアロー)で呪文の扱いに慣れる事。

二つ目は雷鳴(サンダークラップ)で複合魔法の扱い方に慣れる事。

三つめはニコラ君、君が全く持たない付与魔法スキルを習得するために付与している。」


“全く持たない?”

そう言われて先ほど貰ったプレートを見てみる。


「付与、付与、・・・確かにありません。

無いと問題があるのでしょうか?」


「無いと問題がありすぎるからね。

まず、付与系は自分や仲間を強化する補助系の呪文だ。

ニコラ君、君が習得している魔法は攻撃や回復に関する魔法のように思える。

補助系が一つもない。

その為、“呪文詠唱”や“精神低減(呪文)”などの補助スキルが全く取れていない。

特に“精神低減(呪文)”が無いと高度な呪文は精神消費が大きすぎる事になる。」


キュアさんの言葉には一理あった。

確かに“精神低減(呪文)”の様に消費する精神の量を低減させることが出来ないと

呪文の使用回数が少ないままになるだろう。


「そう言う訳で、カード型発動具で各呪文を精神限界まで使ってくれたまえ。

使うのに詠唱はいらない。

ただ使いたい呪文を念じればいい。

場所は先ほどの呪文研究室で良いだろう。」


「判りました。」

僕は頷くと呪文研究室の方へ移動した。



グランドには先ほど爆発(エクスプロージョン)を使おうとした時と変わらず、

的は置かれているままだった。

僕は的に向かってカード型発動具を構える。


「確か、詠唱はいらなかったな。」


呪文の詠唱は呪文の威力を上げる為の技術の一つだ。

詠唱を行うことで呪文のイメージをより鮮明させ、威力を上げる。

他には手で印を結んだり、踊ったりする方法、

もしくは三つ全てを同時に行う方法もある。


「最初は基本呪文の火炎弾(フレームアロー)を試してみよう。」

消費精神が2なので15回は撃ち出せる計算だ。


僕はカード型発動具に火炎弾(フレームアロー)を撃ち出す様に念じた。


念じたことでカード型発動具の紋章部分の複雑な模様が光り

カード表面から火炎弾(フレームアロー)が連続して15発撃ち出された。


ドドドドドドドドドドドドドドド


途端に頭が重くなり目の前が暗くなる。

そして僕はゆっくりと意識を手放した。

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